2021年7月21日に東証ジャスダックスタンダード市場へ上場する「ランドネット」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ランドネットの上場日は!?期待度は?
同社は中古不動産の買取販売やリフォーム等を手がける会社です。
同業も多い中、中古不動産の買取販売やリフォーム事業を主軸として上場してきます。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | ランドネット |
上場市場 | 東証JQスタンダード市場 |
銘柄コード | 2991 |
事業内容 | 中古不動産の買取販売、買取り後のリフォーム・リノベーション、仲介及び賃貸不動産の管理 |
所在地 | 東京都豊島区 |
設立 | 1999年 |
従業員 | 381名 |
会社HP | https://landnet.co.jp/ |
監査法人 | EY新日本 |
上場日 | 2021年7月21日(水) |
主幹事 | SMBC日興証券 |
BB期間 | 2021年7月6日(火)~ 2021年7月12日(月) |
価格決定日 | 2021年7月13日(火) |
購入申込期間 | 2021年7月14日(水)~ 2021年7月19日(月) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://landnet.co.jp/service/#service-section-sell)
同社は1999年に設立された会社で、現代表取締役社長である榮章博氏によって設立されました。不動産流通会社に勤務していた榮社長は、当時業界になかった不動産流通データベースシステムを開発するなど、不動産業の最先端を走ってきた方です。
同社は現在「不動産売買事業」と「不動産賃貸管理事業」の2セグメントで運営されています。
不動産売買事業は、中古不動産を買取の上、業者や投資家へ販売する事業です。特にワンルームタイプとファミリータイプを2区分に分け、自社データベースを活用の上適正な価格による不動産買取販売を行なっています。
もう一つの不動産賃貸管理事業では、不動産売買事業を派生した事業であり、売買を行なった不動産オーナーから賃貸管理業務を受託している事業となっています。
同社の強みとして、3大都市圏中心の支店展開となっており、実需の多いエリアを絞っているという点、業者のみならず一般の投資家、実需層への販売網を有している点、自社データベース上に約752万件の不動産データを有している点の3つであり、中古不動産の仕入れ方法から販売までが独自性をもったモデルでビジネスしています。
現在、日本のみならず香港や台湾に子会社を有しており、国内外で事業拡大に努めていく模様です。
2016年7月期 | 2017年7月期 | 2018年7月期 | 2019年7月期 | 2020年7月期 | |
売上高(百万円) | 11,217 | 17,071 | 22,345 | 30,153 | 35,774 |
経常利益(百万円) | 564 | 958 | 809 | 1,074 | 831 |
当期純利益(百万円) | 376 | 605 | 563 | 773 | 595 |
純資産額 (百万円) | 1,126 | 1,732 | 2,201 | 2,938 | 3,454 |
BPS(円) | 985 | 1,514 | 1,924 | 2,568 | 3,020 |
EPS(円) | 329 | 529 | 492 | 676 | 520 |
自己資本比率(%) | 36 | 39 | 38 | 36 | 41 |
ROE(%) | 40.1 | 42.4 | 28.6 | 29.8 | 18.6 |
配当性向(%) | – | 15.5 | 15 | 10.2 | 10.3 |
業績はある程度成長軌道にある状況です。2019年7月期より連結決算となっているため、単純比較は難しいものの、売上高は5期連続で増収となっています。利益は波があるものの、堅実に利益を上げています。優秀な人材確保のため人件費が嵩んでいる点が利益のキャップとなっている模様です。
尚、2021年7月期3Q(2021年4月)の売上高は30,693百万円、経常利益は902百万円となっており、既に前期を上回る勢いで業績を伸ばしています。
配当はこれまで出してきた実績があり、約1%程度の配当利回りでした。上場後も内部留保の確保しつつ安定的な配当を出していく方針です。
公募株数 | 総数357,000株 (内、公募284,000株、売出73,000株) |
OA分 | 53,500株 |
発行済み株数 | 1,428,000株 |
想定価格 | 3,680円(100株単位:37万円) |
仮条件 | 3,680円 ~3,830円 |
初値予想 | 4,500円 ~6,500円 |
想定PER | 約9倍 |
想定PBR | 約1倍 |
配当利回り | 約1.1% |
想定時価総額 | 53億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は15億円で、時価総額が53億円と東証ジャスダック上場銘柄としては中型案件です。業績は伸びているため、同業の上場会社が多いものの一定の評価は受けるでしょう。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
榮 章博 | 48.48% | 180日間 |
(株)ブレインネット | 48.48% | 180日間 |
浦 好之 | 0.12% | 180日間 |
塩尻 直樹 | 0.11% | 180日間 |
柳 久之 | 0.11% | 180日間 |
矢嶌 卓 | 0.10% | 180日間 |
萬代 茂明 | 0.10% | 180日間 |
小礒 純 | 0.10% | 180日間 |
中嶌 大輔 | 0.09% | 180日間 |
逆瀬川 幸生 | 0.09% | 180日間 |
同社の株主構成ですが、榮社長と資産管理会社が共に筆頭株主で、同社株の48%を共に有しています。実質同社株の97%程度を有していることになります。その他は役員・従業員が中心で、ファンドの保有はありません。
今回の売出は榮社長のみで、計73,000株の売出です。売出後もオーナーであることには代わりありません。
今回は公募で9.5億円の資金調達を行い、調達資金は販売用不動産や賃貸用不動産の取得、システム開発費用、人材採用費及び人件費に充てる予定です。
大株主には180日のロックアップ制限がかかっており、エグジットリスクは極めて低いです。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、事業成長につなげる投資資金確保を目指している模様です。業績も順調に推移しており、期待が持てそうです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ランドネット」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | SMBC日興証券 | 91.40% | 375,200株 |
幹事 | SBI証券 | 1.73% | 7,100株 |
野村證券 | 1.73% | 7,100株 | |
楽天証券 | 1.73% | 7,100株 | |
水戸証券 | 0.85% | 3,500株 | |
マネックス証券 | 0.85% | 3,500株 | |
松井証券 | 0.85% | 3,500株 | |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 0.85% | 3,500株 |
今回の主幹事はSMBC日興証券が主幹事を務めます。その他をSBI証券含めた7社が幹事を務めます。
著者のまとめ
飽和状態の不動産業界ですが、独自データベース等特色のあるビジネスモデルで成長しているなど注目の会社の上場です。初値高騰には期待できます。