2018年12月20日に東証マザーズ市場へ上場する「Amazia[アメイジア]」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
Amaziaの上場日は!?期待度は?
企業名 | Amazia[アメイジア] |
上場市場 | 東証マザーズ市場 |
銘柄コード | 4424 |
事業内容 | フリーミアム型マンガアプリ『マンガBANG!』などのサービス提供 |
所在地 | 東京都渋谷区 |
設立 | 2009年 |
従業員 | 12名 |
会社HP | https://amazia.co.jp/ |
監査法人 | EY新日本 |
上場日 | 2018年12月20日(木) |
主幹事 | SMBC日興証券 |
BB期間 | 2018年12月5日(水)~2018年12月11日(火) |
価格決定日 | 2018年12月12日(水) |
購入申込期間 | 2018年12月13日(木)~2018年12月18日(火) |
同社はマンガアプリ事業を行うメディア会社です。
年々拡大する電子書籍市場を背景に、マンガにフォーカスしたアプリの開発を行うことでシェア拡大を狙っています。海外でも評価されている日本のマンガを重要コンテンツとしてビジネス展開を考えている同社の上場となります。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://amazia.co.jp/)
同社は2009年に創業し、インターネットサービスの提供を行っていました。
創業当初は共同クーポンサイトやコマースサイトのシステム提供を行っていましたが、マンガアプリへの可能性を見出し、以降マンガアプリ事業に特化した経営を行っています。
現在は複数の出版社の作品を横断的に配信できるプラットフォーム「マンガBANG!」と、インディーズなマンガ作品を配信する「マンガEpic!」の2アプリを配信しています。
双方ともフリーモデルを取っておりある一定条件までは無料で利用でき、以降有料課金に誘導する形で収益モデルを確立しています。
集英社や講談社等の大手出版社と利用契約を締結し、有名タイトルを配信しているため、
他社との差別化を図っています。
上場によって資金調達を伴いながら知名度の強化を図って行きます。
売上や成長性は?
2013年9月期 | 2014年9月期 | 2015年9月期 | 2016年9月期 | 2017年9月期 | |
売上高(百万円) | 70 | 99 | 153 | 389 | 1,171 |
経常利益(百万円) | △4 | 11 | △72 | △19 | △27 |
当期純利益(百万円) | △4 | 15 | △73 | △20 | △29 |
純資産額 (百万円) | 7 | 22 | 108 | 88 | 197 |
BPS(円) | 7,075 | 21,753 | 77,513 | 32 | 66 |
EPS(円) | △3,672 | 14,683 | △59,698 | △7 | △10 |
自己資本比率(%) | 53 | 85 | 67 | 44 | 48 |
ROE(%) | △41.2 | 102 | △111.9 | △20.1 | △20.5 |
配当性向(%) | ₋ | ₋ | ₋ | ₋ |
同社の業績は急激な成長を遂げています。売上高は右肩上がりですが、2017年9月期で急激に増収となっています。利益は投資先行で赤字状態が続いていますが、2018年9月期では黒字化する予定です。配当政策は内部留保を優先するため無配です。
公募株数 | 総数295,500株 (内、公募240,000株、売出55,500株) |
OA分 | 44,300株 |
発行済み株数 | 3,258,000株 |
想定価格 | 1,270円(100株単位・13万円) |
仮条件 | 1,270円~1,320円 |
初値予想 | 1,100円~1,500円 |
想定PER | ー倍 |
想定PBR | 約9倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 41億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は4億円で、時価総額は41億円とやや小ぶり案件です。業種としては評価を受けやすい分野ですが、利益が赤字であるため投資家からの厳しい評価を受けそうです。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
佐久間 亮輔 | 37.10% | 180日間 |
江口 元昭 | 25.97% | 180日間 |
(株)シーエー・モバイル | 12.06% | 90日間or1.5倍 |
(株)メディアドゥホールディングス | 4.64% | 90日間or1.5倍 |
NVCC7号投資事業有限責任組合 | 4.08% | 90日間or1.5倍 |
三菱UFJキャピタル4号投資事業有限責任組合 | 1.92% | 90日間or1.5倍 |
(株)アドウェイズ | 1.86% | 90日間or1.5倍 |
江口 弘尚 | 1.86% | 90日間 |
(株)VOYAGE VENTURES | 1.73% | 90日間or1.5倍 |
神津 光良 | 1.36% |
大株主は、創業者である佐久間亮輔社長で37%を有します。第2位は取締役CTOの江口元昭氏で26%を有しています。実質創業メンバーで過半数を有しています。
また佐久間社長が以前戦略投資室長を務めていた、サイバーエージェント系のシーエー・モバイルが第3位に名を連ねています。
その他取締役および従業員が名を連ねていますが、上場会社やVCが数社出資している点はややエグジットリスクを考える必要があります。ただし大株主に180日もしくは90日のロックアップがかかっており、VCや事業会社には90日もしくは公募価格の1.5倍のロックアップ制限がかかっているため、上場後すぐの変動は少ないと思われます。
今回の売出はシーエー・モバイルを含めた7者で55,500株です。ファンド系は大半を売却する予定ですので、よりエグジットリスクは遠のくことが考えられます。
公募によって調達する2.7億円はマンガアプリの知名度向上に向けた広告宣伝費や優秀なエンジニアの確保に向けた人材採用費に充てられます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「Amazia」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | SMBC日興証券 | 93.11% | 316,400株 |
幹事 | SBI証券 | 3.47% | 11,800株 |
いちよし証券 | 0.85% | 2,900株 | |
岩井コスモ証券 | 0.85% | 2,900株 | |
エース証券 | 0.85% | 2,900株 | |
岡三証券 | 0.85% | 2,900株 |
今回はSMBC日興証券が主幹事です。その他中堅証券が幹事会社に名を連ねています。株数は少ないため獲得は難しいでしょう。
著者のまとめ
マンガアプリを運営する会社は既に数社上場していますが、同社は早くからマンガアプリの運営を行っていたこともあり、市場では優位性があるといえます。
ただし上場前の12月7日に日本文芸社から出版されているマンガについて漫画家からの了承を得ずに配信しているとの訴えがあり、配信中止となっています。
今後の事業運営に影響がなければいいですが、上場タイミングとしては良くないといえます。
どの様な動きになるのかわかりませんが、大幅な高騰は見込めないと思われます。