2018年9月13日に東証ジャスダックスタンダード市場へ上場する「香陵住販」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
香陵住販の上場日は!?期待度は?
企業名 | 香陵住販 |
上場市場 | 東証ジャスダックスタンダード市場 |
銘柄コード | 3495 |
事業内容 | 不動産の売買、賃貸、仲介、管理 |
所在地 | 茨城県水戸市 |
設立 | 1981年 |
従業員 | 174名 |
会社HP | https://www.koryo-j.co.jp/ |
監査法人 | あずさ |
上場日 | 2018年9月13日(木) |
主幹事 | みずほ証券 |
BB期間 | 2018年8月28日(火)~2018年9月3日(月) |
価格決定日 | 2018年9月4日(火) |
購入申込期間 | 2018年9月5日(水)~2018年9月10日(月) |
同社は茨城県の地域密着型不動産会社です。
茨城県県下では最大級の不動産会社であり、現在東京にもエリアを進出させています。地方銘柄の上場として注目されやすい案件といえましょう。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.koryo-j.co.jp/)
同社は1981年に現社長の薄井宗明氏が創業した不動産会社で、茨城県と東京都をエリアとして不動産事業を営んでいます。
創業当初は不動産売買や賃貸仲介を主として事業を行ってきましたが、早くから自社企画開発の投資不動産に着手し、茨城県で盤石な地位を築きました。
同社の事業は、不動産流通事業と不動産管理事業の2本柱で構成されています。不動産流通事業では、不動産仲介や自社子会社で行っている家賃保証業務、投資不動産や居住不動産の販売業務で成り立っています。
不動産管理事業では、自社保有および他社保有の不動産の管理事業が主軸です。近年では賃貸事業収益として、コインランドリーやコインパーキングを自社で行ったり、太陽光発電の売電事業を営んだりと不動産に関わるビジネスには着手しています。
また自社で建設免許を持っているため、建設工事や土地造成工事を行うこともできるという強みがあります。
売上や成長性は?
2013年9月期 | 2014年9月期 | 2015年9月期 | 2016年9月期 | 2017年9月期 | |
売上高(百万円) | 4407 | 4219 | 3903 | 4305 | 4952 |
経常利益(百万円) | 253 | 310 | 455 | 405 | 438 |
当期純利益(百万円) | 130 | 196 | 296 | 231 | 278 |
純資産額 (百万円) | 693 | 889 | 1,190 | 1,536 | 1,814 |
BPS(円) | 3,507 | 4,499 | 6,020 | 1,554 | 1,836 |
EPS(円) | 656 | 994 | 1,496 | 234 | 281 |
自己資本比率(%) | 21 | 25 | 25 | 23.3 | 26 |
ROE(%) | 21 | 25 | 28 | 16.3 | 16.6 |
配当性向(%) | 3 | 2 | 1.3 | 1.8 | 1.5 |
同社の業績はまずまずといったところです。比較的横ばい安定している状態です。上場を機に業容拡大に努めていくことが求められます。配当については年1回の配当予定としており、内部留保優先ですが出す方向で考えられています。
公募株数 | 総数369,000株 (内、公募260,000株、売出109,000株) |
OA分 | 55,300株 |
発行済み株数 | 1,248,000株 |
想定価格 | 1,700円(1株単位・17万円) |
仮条件 | 1,600円〜1,700円 |
初値予想 | 1,700円~2,500円 |
想定PER | 約8倍 |
想定PBR | 約1倍 |
配当利回り | 0.2% |
想定時価総額 | 21億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は7億円と非常に小さいため、サイズとしては上昇しそうな気配です。同社のPERとPBRについては非常に割安に推移しているため、バリュー投資家から注目は集めそうです。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
薄井 宗明 | 47.64% | 90日間or1.5倍 |
菅原 敏道 | 12.57% | 90日間or1.5倍 |
小野瀬 益夫 | 3.67% | 90日間or1.5倍 |
金子 哲広 | 2.43% | 90日間or1.5倍 |
豊田 正久 | 2.39% | 90日間or1.5倍 |
菊本 真透 | 2.39% | 90日間or1.5倍 |
神長 春美 | 1.51% | 90日間or1.5倍 |
友部 栄 | 1.47% | |
須黒 富美枝 | 1.42% | |
薄井 ひろ子 | 1.28% | 90日間or1.5倍 |
同社の大株主は社長の薄井宗明氏を中心に、同社の役員及び社員で構成されています。ファンドが入っていないため、エグジット案件ではありません。この上場を機に地域におけるパブリックな企業としてビジネスを拡大させていく予定です。
売出は薄井社長を含めた10名の大株主で、10.9万株です。大株主の大半には上場後90日及び公募価格1.5倍のロックアップがかかっているため2,600円近辺までは売り込まれる可能性は少ないでしょう。
公募によって調達する4億円は全額販売用不動産の取得費用に充てられる予定です。基本的に事業拡大のための資金としての用途のため、健全なIPOといえましょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「香陵住販」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | みずほ証券 | 378,600株 | 89.2% |
幹事 | 水戸証券 | 14,700株 | 3.5% |
マネックス証券 | 7,300株 | 1.7% | |
野村證券 | 5,500株 | 1.3% | |
大和証券 | 5,500株 | 1.3% | |
SMBC日興証券 | 5,500株 | 1.3% | |
岡三証券 | 3,600株 | 0.9% | |
いちよし証券 | 3,600株 | 0.9% |
今回はみずほ証券が主幹事を務めます。その他大手証券やネット証券が名を連ねますが、株数は少ないため当選確率は低いといえましょう。
著者のまとめ
2018年9月現在、投資不動産事業を行うTATERUの融資を通すための投資家の預金残高の改ざん問題やシェアハウス事業に不正な貸し出しをしていたスルガ銀行など、不動産株における逆風が吹いています。
同社は茨城県で堅実な経営を続けていますが、あおりを受ける可能性も否めません。そのため初値としては大きく上がらない可能性が高いです。
しかしながら非常に割安で上場してくるため、上場後の株価動向には期待できそうです。様子を見ながらですが投資対象として考えていきたい銘柄です。