2020年7月31日に東証マザーズ市場へ上場する「日本情報クリエイト」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
日本情報クリエイトの上場日は!?期待度は?
企業名 |
日本情報クリエイト |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4054 |
事業内容 |
不動産業者向けのソフトウエア・サービスの提供 |
所在地 |
宮崎県都城市 |
設立 |
1994年 |
従業員 |
215名 |
会社HP |
https://www.n-create.co.jp/ |
監査法人 |
EY新日本 |
上場日 |
2020年7月31日(金) |
主幹事 |
野村證券 |
BB期間 |
2020年7月13日(月)~ 2020年7月17日(金) |
価格決定日 |
2020年7月20日(月) |
購入申込期間 |
2020年7月21日(火)~ 2020年7月28日(火) |
同社はソフトウエアの開発提供を行うシステム会社です。
主に不動産業者向けの管理ソフトに強みを有しており、不動産管理業者を中心に一定のシェアを獲得しています。サブスクリプションモデルのビジネスモデルでもあるなど引き続き成長が期待できる会社の上場です。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.n-create.co.jp/)
同社は1994年に現代表取締役の米津健一氏によって設立された会社です。本社所在地は九州・宮崎県都城市で、創業地でもあります。
創業当初よりソフトウエアの開発を行う会社として運営されており、1995年にリリースした建築見積もりシステム「見積革命」を皮切りに、不動産業者向けのシステム開発を主に事業を伸ばしてきました。
同社は不動産業務支援事業の1セグメントで運営されており、「仲介ソリューション」と「管理ソリューション」の2つの領域で事業展開しています。
仲介ソリューションでは業者間物件流通サービスの「不動産BB」や、不動産仲介業者向けのホームページ作成支援ツールやIT重説システムの提供を行っています。
管理ソリューションでは同社の主力ソリューションである賃貸物件管理システム「賃貸革命」等の提供を行っています。
賃貸革命については元々オンプレミス型で提供していましたが、クラウド型での提供を2012年よりスタートし、サブスクリプションモデルの形を取っています。
不動産BBに関しては無償で利用することができることから、不動産業者に対して門戸を広くし、徐々に自社のサービスを利用してもらえるような環境を提供している状況です。
上場時点で全国6,079社との取引がある一方、不動産業界は巨大であるため、上場を機に更なる事業拡大が見込める模様です。
|
2015年6月期 |
2016年6月期 |
2017年6月期 |
2018年6月期 |
2019年6月期 |
売上高(百万円) |
1,433 |
1,533 |
1,692 |
1,921 |
2,148 |
経常利益(百万円) |
155 |
202 |
217 |
319 |
379 |
当期純利益(百万円) |
90 |
138 |
154 |
168 |
234 |
純資産額 (百万円) |
512 |
639 |
765 |
618 |
912 |
BPS(円) |
852,854 |
1,065,387 |
1,341,649 |
108 |
155 |
EPS(円) |
149,457 |
229,265 |
263,048 |
29 |
41 |
自己資本比率(%) |
45.9 |
52.7 |
55.3 |
43 |
48.4 |
ROE(%) |
18.9 |
23.9 |
22 |
24.2 |
30.6 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
206.38 |
– |
業績は着実な成長を続けています。売上高は5期連続増収増益で、創業より年数が経っている会社としては順調な成長を遂げています。サブスクリプションモデルによる業績寄与は全体の6割となっているため、顧客数増加に伴う業績向上は十分に見込める会社と言えます。尚、2020年6月期3Q(2020年3月末)の売上高は1,744 百万円、経常利益は397 百万円となっており、過去最高業績が見えている格好です。
配当は過去に配当を出した実績はありますが、直近は無配でした。上場後も内部留保を確保するため当面無配方針です。
公募株数 |
総数1,490,000株 (内、公募800,000株、売出690,000株) |
OA分 |
223,500株 |
発行済み株数 |
6,683,720株 |
想定価格 |
1,090円(100株単位:11万円) |
仮条件 |
1,200円~1,300円 |
初値予想 |
1,800円~2,500円 |
想定PER |
約31倍 |
想定PBR |
約4倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
73億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は19億円で、時価総額が73億円とマザーズ上場銘柄としてはやや中規模案件です。着実に業績を伸ばせる市場環境下のため、初値にも期待できます。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
米津 健一 |
45.65% |
180日間 |
㈱NJC |
45.65% |
180日間 |
日本情報クリエイト従業員持株会 |
2.94% |
継続保有 |
丸田 英明 |
0.24% |
継続保有 |
日髙 健 |
0.24% |
継続保有 |
新井 篤史 |
0.24% |
継続保有 |
瀬之口 直宏 |
0.18% |
継続保有 |
尾之上 健太 |
0.14% |
継続保有 |
古田 公四郎 |
0.14% |
継続保有 |
高木 翼 |
0.13% |
継続保有 |
同社の株主構成ですが、創業者である米津社長が46%の株式を有しています。また米津社長の資産管理会社である㈱NJCが同数の46%を保有しており、発行株式数の97%を有している形です。その他従業員や役員が株式を保有しており、ファンド等は名を連ねていません。
今回の売出は米津社長のみで69万株の売出を予定しています。
公募によって7.9億円の資金調達を実施し、システム開発や研究開発費、や人材採用費、マーケティング費用に充てる予定です。
大株主には180日もしくは継続保有のロックアップ制限がかかっており、エグジットリスクは非常に少ない案件です。上場後の値動きは公募取得組による益出しによる変動のみ考慮するべきでしょう。
今回は売出が公募をやや上回るエグジット案件ですが、9割以上を保有する米津社長によるオーナー経営からの脱却への一歩と言えます。非常に前向きな上場と言えます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「日本情報クリエイト」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
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割当率 |
株数 |
主幹事 |
野村證券 |
88.70% |
1,519,900株 |
幹事 |
大和証券 |
4.78% |
81,900株 |
岡三証券 |
1.74% |
29,800株 |
|
SBI証券 |
1.74% |
29,800株 |
|
エース証券 |
0.87% |
14,900株 |
|
楽天証券 |
0.87% |
14,900株 |
|
岩井コスモ証券 |
0.87% |
14,900株 |
|
極東証券 |
0.43% |
7,400株 |
今回の主幹事は野村證券が主幹事を務めます。その他大和証券を含む8社が幹事を務めます。
著者のまとめ
コロナ禍において不動産業界への影響が出ている一方、賃貸物件に関しては働き方改革やテレワークによる一定数の需要は引き続き予想されており、賃貸管理システムに特化した同社のサービスは求められる可能性は高いでしょう。解約率も1%に満たないため、安定した顧客の確保と収益獲得に期待できるため、上場後が非常に楽しみな案件です。