2018年10月19日に東証ジャスダックスタンダード市場へ上場する「ディ・アイ・システム」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ディ・アイ・システムの上場日は!?期待度は?
企業名 | ディ・アイ・システム |
上場市場 | 東証ジャスダックスタンダード市場 |
銘柄コード | 4421 |
事業内容 | システムインテグレーション事業および教育サービス事業 |
所在地 | 東京都中野区 |
設立 | 1997年 |
従業員 | 407名 |
会社HP | http://www.di-system.co.jp/index.html |
監査法人 | あずさ |
上場日 | 2018年10月19日(金 ) |
主幹事 | SMBC日興証券 |
BB期間 | 2018年10月3日(水)~2018年10月10日(水) |
価格決定日 | 2018年10月11日(木) |
購入申込期間 | 2018年10月12日(金)~2018年10月17日(水) |
同社はシステムインテグレーション事業を中心とした情報サービス企業です。
企業や企業における情報システム子会社向けに業務用アプリケーションの設計開発および保守運用を行っており、近年は取引先のシステム業務に関わる方向けのIT教育にも力を入れています。社歴は20年以上と業界でも名の知れた存在です。
どんなことをしている会社なの?
(参照:http://www.di-system.co.jp/index.html)
同社は1997年に創業しました。
ソフトウェア開発企業の経営情報センター出身の長田光博現代表取締役が創業した会社であり、創業以来システムインテグレーション事業を展開してきました。
時代と共にコンピューターがなくてはならない存在になりましたが、企業におけるシステムニーズが異なりますが、同社は各社に合ったシステム構築に強みを持っています。主に金融業界や鉄道会社、出版社など大口の取引先を有しており、信頼の厚い企業です。
近年は取引先のシステム部の従業員向けに、コンピューター言語や操作方法を教育する「IT教育事業」にも力を入れており、顧客先との強い結びつきに繋げていくモデルを構築しつつあります。
売上や成長性は?
2013年9月期 | 2014 年9月期 | 2015年9月期 | 2016 年9月期 | 2017年9月期 | |
売上高(百万円) | 1,601 | 1,770 | 2,093 | 2,544 | 2,940 |
経常利益(百万円) | 37 | △30 | 2 | 24 | 146 |
当期純利益(百万円) | 20 | △25 | △5 | 17 | 92 |
純資産額 (百万円) | 135 | 110 | 115 | 120 | 223 |
BPS(円) | 14,094 | 11,503 | 10,151 | 105 | 194 |
EPS(円) | 2,084 | △2,591 | △532 | 15 | 81 |
自己資本比率(%) | 23 | 15 | 13 | 12.3 | 19.6 |
ROE(%) | 16 | △20.2 | △4.8 | 15 | 53.8 |
配当性向(%) | – | – | – | 25.9 | 20 |
同社の業績は右肩上がりです。売上高は5期連続で伸びており、年々着実と顧客層を強くしている印象です。利益については人員増加による本社移転等への費用もあり、一時的に赤字の期があるものの、着実なステップを踏んでいます。配当政策については、2016年9月期より配当性向20%ほどを目安に配当を出しており、上場後は30%を目標に出していく方針です。
公募株数 | 総数453,000株 (内、公募300,000株、売出153,000株) |
OA分 | 67,900株 |
発行済み株数 | 1,480,000株 |
想定価格 | 1,220円(1株単位・12万円) |
仮条件 | 1,220円~1,280円 |
初値予想 | 1,700円~2,500円 |
想定PER | 約20倍 |
想定PBR | 約3倍 |
配当利回り | 約1% |
想定時価総額 | 19億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は6億円で、時価総額は19億円と非常に小さいです。初値高騰に期待が持てます。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
(株)NAM | 40.54% | 180日間 |
長田 光博 | 13.78% | 180日間 |
吉原 孝行 | 6.65% | 180日間 |
ディ・アイ・システム社員持株会 | 5.92% | 180日間 |
石井 亜沙子 | 4.86% | 180日間 |
仲 麻衣子 | 4.86% | 180日間 |
富田 健太郎 | 4.10% | 180日間 |
関亦 在明 | 4.10% | 180日間 |
長田 明子 | 3.45% | 180日間 |
大塚 豊 | 2.23% | 180日間 |
大株主は、長田社長の資産管理会社である「(株)NAM」で、同社株の41%を保有しています。長田社長個人で14%保有しているため、実質過半数以上を保有するオーナー会社です。その他同社役員及び従業員が株式を保有しています。
株主構成は至ってシンプルで、上場後のエグジットリスクが低いといえます。。
売出は長田社長を含めた個人14者で15.3万株です。売却によって田川社長個人及び資産管理会社の持株比率を合わせると過半数割れとなりますが、拒否権である3分の1以上を保有しており、実質オーナーであることは変わりありません。田川社長および一部の大株主に180日ロックアップがかかっているため、上場後半年間は大株主による売却の心配がありません。
公募によって調達する3.3億円は、名古屋支店のオフィス移転費用、業務効率化のためのシステム導入費、本社オフィスの移転費用、借入金返済に充てられる予定です。人材が命のSI業界ですが、同社は着実に人員を増やしています。そのための積極的な投資であることがわかります。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ディ・アイ・システム」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | SMBC日興証券 | 95.66% | 498,300株 |
幹事 | SBI証券 | 3.47% | 18,100株 |
岡三証券 | 0.86% | 4,500株 |
今回はSMBC日興証券が主幹事を務めています。中小型株のIPOに強いSMBC日興証券が担当するため期待値は高いです。ただし株数が非常に少ないため獲得は容易でありません。
著者のまとめ
企業におけるIT投資は加速しており、現状人材確保も難しくなっているのがSI業界の悩ましい現実です。一方上場会社になることで、信用度が高まり入社を希望する人材が増えることが予想されます。
同社は長く大手企業との取引を有しているため着実な成長を描けるフェーズに入っています。今回の上場は決してゴールではなくスタートであることを確認させてもらえる案件のため、安心して投資ができる銘柄であるといえましょう。