2020年12月22日に東証マザーズ市場へ上場する「Kaizen Platform[カイゼン プラットフォーム]」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
Kaizen Platformの上場日は!?期待度は?
同社は企業のDX推進を支援するプラットフォームを提供する会社です。
企業におけるDX化に向けた事業を展開しており、大企業を中心に顧客層を伸ばしています。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 |
Kaizen Platform[カイゼン プラットフォーム] |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4170 |
事業内容 |
WebサイトのUI/UX改善サービスの提供および広告/営業/販促動画制作支援により、企業の顧客体験のデジタルトランスフォーメーションを推進 |
所在地 |
東京都港区 |
設立 |
2017年 |
従業員 |
61名 |
会社HP |
https://kaizenplatform.com/ |
監査法人 |
EY新日本 |
上場日 |
2020年12月22日(火) |
主幹事 |
SBI証券 |
BB期間 |
2020年12月7日(月)~2020年12月11日(金) |
価格決定日 |
2020年12月14日(月) |
購入申込期間 |
2020年12月15日(火)~2020年12月18日(金) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://kaizenplatform.com/)
同社は、2013年にリクルートで執行役員を務めていた須藤憲司氏がアメリカ・サンフランシスコに設立したことが起源となります。当初はアメリカを舞台に、A/Bテストのデザイン提案を行う「グロースハッカー」と企業をマッチングするビジネスを行っていました。
その後2017年に日本にビジネスの拠点を移し、吸収合併等によって現在の事業会社となっています。グロースハッカーとは「Webサイトの効果や収益を高め、企業のサービス成長に寄与するデジタル専門人材」を指します。
同社の事業は大きく分けると「サイトソリューション事業」と「Kaizen Video事業」の2事業を展開しており、日本とアメリカで事業を行っています。
いずれも同社は、DX等「カイゼン」に悩まれているクライアントと、専門分野に強い仕事を求める「グロースハッカー」をマッチングするプラットフォーム「Kaizen Platform」によって収益を上げるモデルです。
サイトソリューション事業では、創業来のグロースハッカーをクライアントとマッチングさせるビジネスで、A/Bテストをはじめ、WebサイトのUX改善に寄与しています。
Kaizen Video事業では、クライアントに合わせた動画作成を行っており、登録のグロースハッカーに依頼を行いスピード作成が可能としています。SNS等で動画広告が増えている中需要を伸ばしています。
2020年9月末時点で累計取引企業数は772社、累計登録グロースハッカー数が16,480人を突破し、引き続き増加傾向にあります。取引企業は楽天やNTT、リクルートやファーストリテイリング等大手企業が名を連ねており、高い信頼を獲得している企業であると言えます。
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2017年12月期 |
2018年12月期 |
2019年12月期 |
売上高(百万円) |
455 |
988 |
1,355 |
経常利益(百万円) |
△113 |
△455 |
△150 |
当期純利益(百万円) |
△189 |
△459 |
△163 |
純資産額 (百万円) |
359 |
491 |
1,152 |
BPS(円) |
△28 |
△360 |
△389 |
EPS(円) |
△46 |
△76 |
△27 |
自己資本比率(%) |
22.1 |
67.60 |
83.2 |
ROE(%) |
– |
– |
– |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
業績は順調に推移しています。売上高は右肩上がりに拡大しており、利益はプロモーション強化やシステム開発への投資が先行しているため赤字となっています。
尚、2020年12月期3Q(2020年9月)の営業収益は1,193百万円、経常利益は21百万円と期中ですが黒字化に転じています。
配当は赤字を続けているため創業来無配で、上場後も内部留保を優先するため当面無配が予想されています。
公募株数 |
総数5,009,300株 |
OA分 |
751,300株 |
発行済み株数 |
15,424,473株 |
想定価格 |
1,100円(100株単位:11万円) |
仮条件 |
1,100円 ~ 1,150円 |
初値予想 |
1,150円 ~ 1,800円 |
想定PER |
約-倍 |
想定PBR |
約6倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
169億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は63億円で、時価総額が169億円と東証マザーズ上場銘柄としては中型案件です。業績は引き続き拡大することが想定されますが、売出の多さから初値高騰はあまり狙えない案件でしょう。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
須藤 憲司 |
28.95% |
180日間 |
Japan Ventures Ⅰ L.P. |
16.08% |
90日間or1.5倍 |
AT-I投資事業有限責任組合 |
8.20% |
90日間or1.5倍 |
石橋 利真 |
7.08% |
180日間 |
(株)エヌ・ティ・ティ・アド |
6.37% |
180日間 |
FinTechビジネスイノベーション投資事業有限責任組合(SBIインベストメント) |
4.01% |
90日間or1.5倍 |
YJ2号投資事業組合 |
3.33% |
90日間or1.5倍 |
(株)コロプラ |
2.67% |
90日間or1.5倍 |
大日本印刷(株) |
2.52% |
|
渡部 拓也 |
2.27% |
|
同社の株主構成ですが、創業者である須藤社長が29%の株式を有する筆頭株主で、その他はVCや協業パートナーを中心に保有されています。VCが43%を有しており、外部株主が多い印象です。
今回の売出は須藤社長やVCを含めた7者で、3,459,300株の売出です。
今回は公募にて15.6億円の資金調達を行い、調達資金は人材採用費、マーケティング費に充てる予定です。
尚、大株主には180日もしくは、90日及び公募価格1.5倍のロックアップがかかっています。VCが多い案件ですので、上場後の初値高騰もしくは3ヶ月後のエグジットリスクには予め注意が必要です。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件です。初値にはあまり期待できないでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「Kaizen Platform」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
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割当率 |
株数 |
主幹事 |
SBI証券 |
69.57% |
4,007,500株 |
幹事 |
クレディ・スイス証券 |
21.74% |
1,252,300株 |
大和証券 |
3.48% |
200,400株 |
|
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
2.61% |
150,300株 |
|
みずほ証券 |
0.87% |
50,100株 |
|
岡三証券 |
0.43% |
25,000株 |
|
エイチ・エス証券 |
0.43% |
25,000株 |
|
岩井コスモ証券 |
0.43% |
25,000株 |
|
極東証券 |
0.43% |
25,000株 |
今回の主幹事はSBI証券が共同で主幹事を務めます。その他クレディ・スイス証券を含めた8社が幹事を務めます。今回は海外投資家への売出もあります。
著者のまとめ
12月22日は3社同時上場となるため、初値高騰には期待しにくいでしょう。しかし今後の事業成長を踏まえると株価動向をチェックしていきたいものです。
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