2020年9月24日に東証マザーズ市場へ上場する「トヨクモ」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
トヨクモの上場日は!?期待度は?
企業名 |
トヨクモ |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4058 |
事業内容 |
法人向けクラウドサービス事業(安否確認サービス及びkintone連携サービスの開発・販売) |
所在地 |
東京都品川区 |
設立 |
2010年 |
従業員 |
31名 |
会社HP |
https://toyokumo.co.jp/ |
監査法人 |
PwCあらた |
上場日 |
2020年9月24日(木) |
主幹事 |
いちよし証券 |
BB期間 |
2020年9月4日(金)~ 2020年9月10日(木) |
価格決定日 |
2020年9月11日(金) |
購入申込期間 |
2020年9月14日(月)~ 2020年9月17日(木) |
同社は法人向けクラウドビジネスを展開する会社です。
話題のクラウドサブスクリプションモデルによるビジネスで伸ばしている同社は、元サイボウズの子会社であったなど注目度は高いです。初値高騰期待の銘柄です。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://toyokumo.co.jp/product/)
同社は2010年に上場会社のサイボウズの100%子会社「サイボウズスタートアップス」として設立しました。その後、創業時より同社の社長を務める山本裕次氏を中心にMBOを行い、サイボウズより独立しました。
同社の事業は大きく分けて2つで、一つは災害時安否確認サービス「トヨクモ安否確認サービス」、もう一つはサイボウズが手掛けるBtoB型クラウドサービス「kintone(キントーン)」の連携サービスです。
いずれも法人向けのクラウドサービスとして、安価の定額サブスクリプションで事業運営を行っています。
トヨクモ安否確認サービスは、今日地震や大雨など災害が多い日本において、企業活動の継続への不安が高まっており、そのような企業の悩みに寄り添ったソリューションです。
具体的には地震等発生した場合に、従業員への安否確認機能や、災害時の事業継続計画(BCP)の遂行確認機能を始めとした機能を有しており、顧客に合わせたサービス変更も可能となっています。
もう一本の柱であるkintone連携サービスは、サイボウズが手掛ける法人向け業務管理サービスであるkintoneに連携して、業務効率を上げることができるサービスを開発し、kintone利用者に対して安価な値段でサービス提供を行っています。
2020年6月末現在、有償契約数が5,237件となっており、右肩上がりに伸ばしています。今後顧客数の拡大と既存顧客からのストック売上によって、業績も右肩上がりに上がっていく可能性が高いです。
|
2015年12月期 |
2016年12月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
2019年12月期 |
売上高(百万円) |
129 |
230 |
271 |
483 |
761 |
経常利益(百万円) |
31 |
56 |
5 |
137 |
98 |
当期純利益(百万円) |
31 |
50 |
41 |
92 |
72 |
純資産額 (百万円) |
106 |
156 |
199 |
291 |
376 |
BPS(円) |
25,171 |
37,176 |
46,689 |
68 |
80 |
EPS(円) |
7,856 |
12,006 |
9,699 |
21 |
16 |
自己資本比率(%) |
92.4 |
84.7 |
61.60 |
57.3 |
54.3 |
ROE(%) |
44.3 |
38.5 |
23.3 |
37.4 |
21.7 |
業績は着実に伸びています。利益に関しては先行投資もあるため変動しているものの、売上は5期連続増収です。定額サブスクリプションの事業モデルであるため、有償契約数の増加に伴い売上利益の増加が見込めます。尚、2020年12月期2Q(2020年6月末)の売上高は499百万円、経常利益は127百万円と最高益が見えている状況で、引き続き成長が見込まれます。
配当はこれまで無配で、上場後も内部留保を確保するため当面無配方針です。
公募株数 |
総数500,000株 (内、公募300,000株、売出200,000株) |
OA分 |
50,000株 |
発行済み株数 |
5,002,000株 |
想定価格 |
1,800円(100株単位:18万円) |
仮条件 |
1,800円~2,000円 |
初値予想 |
2,500円~4,000円 |
想定PER |
約125倍 |
想定PBR |
約10倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
90億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は9.9億円で、時価総額が90億円とマザーズ上場銘柄としては中規模案件ですが、コロナ禍の影響でテレワークが増えており、サイボウズのkintoneを含め法人向けサービスが好調に推移していることから、同社も注目を集めると言えましょう。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
(株)ナノバンク |
47.44% |
90日間or1.5倍 |
サイボウズ(株) |
11.63% |
90日間or1.5倍 |
インキュベイトファンド2号投資事業有限責任組合 |
6.78% |
|
田里 友彦 |
6.40% |
90日間or1.5倍 |
山本 裕次 |
5.81% |
90日間or1.5倍 |
落合 雄一 |
5.62% |
90日間or1.5倍 |
片岡 寛 |
3.10% |
|
(株)サムライキャピタル |
2.91% |
90日間or1.5倍 |
石井 和彦 |
2.52% |
90日間or1.5倍 |
木下 正則 |
1.94% |
90日間or1.5倍 |
同社の株主構成ですが、山本社長の資産管理会社が筆頭株主で、47%の株式を有しています。個人の分を合わせると過半数越えの53%となり、同社のオーナー株主です。2位は旧オーナーであるサイボウズで12%を有しています。その他一部のVCや従業員を中心に株主が構成されています。
今回の売出はサイボウズのみで、保有する株式の3分の1に当たる20万株の売出を予定しています。
公募によって4.8億円の資金調達を実施し、人材採用費や人件費、広告宣伝費に充てる予定です。
大株主には90日及び公募価格1.5倍のロックアップがかかっています。VCのエグジットリスクはあるものの、その他株主が多くなく、山本社長が引き続きオーナーとして会社を牽引していくことを考えると、エグジットリスクはそこまで高くないと言えます。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、売出もサイボウズによるものであるため、ますますサイボウズからの独立色を高めるための上場と言えます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「トヨクモ」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
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割当率 |
株数 |
主幹事 |
いちよし証券 |
77.27% |
425,000株 |
幹事 |
大和証券 |
6.36% |
35,000株 |
SMBC日興証券 |
5.45% |
30,000株 |
|
岩井コスモ証券 |
2.73% |
15,000株 |
|
SBI証券 |
2.73% |
15,000株 |
|
極東証券 |
1.82% |
10,000株 |
|
東洋証券 |
1.82% |
10,000株 |
|
マネックス証券 |
1.82% |
10,000株 |
今回の主幹事はいちよし証券が主幹事を務めます。その他大和証券を含む7社が幹事を務めます。
著者のまとめ
サブスクリプションを採用したクラウドビジネスを行う同社については上場後も大きな注目を集めることが予想されます。初値高騰に期待したいところです。