2020年12月23日に東証マザーズ市場へ上場する「ENECHANGE[エネチェンジ]」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ENECHANGEの上場日は!?期待度は?
同社は電力・ガス会社の比較メディア等の運営を行う会社です。
電力・ガスの小売自由化の流れで、比較サイトメディアが伸びています。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 |
ENECHANGE[エネチェンジ] |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4169 |
事業内容 |
消費者向けの電力・ガス切り替えプラットフォーム『エネチェンジ』などの運営をおこなうエネルギープラットフォーム事業、エネルギー会社など向けのクラウド型DXサービス『EMAP(デジタルマーケティング支援SaaS)』および『SMAP(スマートメーター活用SaaS)』などの提供をおこなうエネルギーデータ事業 |
所在地 |
東京都千代田区 |
設立 |
2015年 |
従業員 |
90名 |
会社HP |
https://enechange.co.jp/ |
監査法人 |
あずさ |
上場日 |
2020年12月23日(水) |
主幹事 |
みずほ証券 |
BB期間 |
2020年12月7日(月)~2020年12月11日(金) |
価格決定日 |
2020年12月14日(月) |
購入申込期間 |
2020年12月15日(火)~2020年12月18日(金) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://enechange.co.jp/service/)
同社は、2015年に城口洋平氏によって設立されました。城口氏は灘高校から東京大学に進み、在学中から起業家として活動していましたが、2011年にイギリスのケンブリッジ大学へ留学し、エネルギー領域への関心を持ち研究を行っていました。
その後日本における電力自由化の流れもあり2015年に当社を設立し、今日に至ります。
同社の事業は大きく分けると「エネルギープラットフォーム事業」と「エネルギーデータ事業」の2事業を展開しており、エネルギーにおけるプラットフォーマーを目指した事業運営を行っています。
エネルギープラットフォーム事業は、主に法人および個人向けに電気・ガスの比較サイト「エネチェンジ」の運営を行っています。52社の電力・ガス会社を掲載しており、料金比較から切替までを行うことができ、月間のユニークユーザーは220万人となっています。
なお、エネチェンジから申込が入ると切替時の一時報酬と契約期間中の継続報酬が得られる仕組みがあり、一度ユーザーより契約をしてもらっても安定したストック収入がある形です。
また、エネルギーデータ事業では、電力計であるスマートメーターのデータ解析や電力会社のHP上の申し込み画面など、これまでアナログであったものからデジタルへ切り替えるためのクラウドサービスを事業者に対して提供しています。
ソフトウェアの提供であるため、月額の継続的な収入が見込めます。エネルギー市場は再生可能エネルギー等含め今後も目まぐるしく変わっていくことが予想されており、エネルギーの4D化(自由化・デジタル化・脱炭素化・分散化)を目指す事業者やユーザーへのサービスを提供していく方針です。
|
2015年12月期 |
2016年12月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
2019年12月期 |
売上高(百万円) |
5 |
183 |
525 |
1,141 |
1,268 |
経常利益(百万円) |
△203 |
△266 |
△327 |
105 |
△305 |
当期純利益(百万円) |
△203 |
△267 |
△328 |
91 |
△238 |
純資産額 (百万円) |
435 |
735 |
462 |
586 |
343 |
BPS(円) |
△71 |
△208 |
△396 |
108 |
△155 |
EPS(円) |
△201 |
△180 |
△191 |
17 |
△45 |
自己資本比率(%) |
94.8 |
91.80 |
71.9 |
65.8 |
30.6 |
ROE(%) |
– |
– |
– |
18 |
– |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は順調に推移しています。2018年12月期より連結決算となっており、単純比較はできませんが、売上高は右肩上がりに拡大しており、利益はマーケティング活動による広告宣伝費増加や人件費の増加のため赤字が続いています。
尚、2020年12月期3Q(2020年9月)の売上高は1,252百万円、経常利益は60百万円と期中ですが黒字化に転じています。
配当は赤字を続けているため創業来無配で、上場後も内部留保を優先するため当面無配が予想されています。
公募株数 |
総数380,000株 |
OA分 |
57,000株 |
発行済み株数 |
5,750,000株 |
想定価格 |
520円(100株単位:5万円) |
仮条件 |
520円 ~ 600円 |
初値予想 |
700円 ~1,500円 |
想定PER |
約-倍 |
想定PBR |
約8倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
30億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は2.3億円で、時価総額が29.9億円と東証マザーズ上場銘柄としては小型案件です。公開規模が少なく流動性の観点から初値には期待できそうです。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
城口 洋平 |
23.86% |
180日間 |
有田 一平 |
10.08% |
180日間 |
植野 泰幸 |
8.00% |
|
B Dash Fund2号投資事業有限責任組合 |
7.62% |
90日間or1.5倍 |
Energy Station Company Limited |
7.61% |
90日間 |
(株)大和証券グループ本社 |
5.71% |
|
BIG1号投資事業有限責任組合 |
4.57% |
90日間or1.5倍 |
(株)エプコ |
3.81% |
90日間 |
大和エナジー・インフラ(株) |
3.43% |
90日間 |
Spiral Capital Japan Fund 1号投資事業有限責任組合 |
3.05% |
90日間or1.5倍 |
同社の株主構成ですが、創業者である城口社長が24%の株式を有する筆頭株主で、その他役員も保有していますが、VCや協業パートナーの保有割合が多いです。
今回の売出は日立製作所とEEIスマートエナジーファンドの2社で、330,000株の売出です。
今回は公募にて0.1億円の資金調達を行い、調達資金は人材採用費に充てる予定です。
尚、大株主には180日もしくは、90日及び公募価格1.5倍のロックアップがかかっています。VCが多い案件ですので、上場後の初値高騰もしくは3ヶ月後のエグジットリスクには予め注意が必要です。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件ですが、どちらも少ないため、初値の動きはそれなりに期待できるでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ENECHANGE」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
みずほ証券 |
73.91% |
323,000株 |
幹事 |
大和証券 |
11.30% |
49,400株 |
野村證券 |
4.35% |
19,000株 |
|
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
4.35% |
19,000株 |
|
SMBC日興証券 |
1.74% |
7,600株 |
|
いちよし証券 |
0.87% |
3,800株 |
|
SBI証券 |
0.87% |
3,800株 |
|
マネックス証券 |
0.87% |
3,800株 |
|
楽天証券 |
0.87% |
3,800株 |
|
松井証券 |
0.87% |
3,800株 |
今回の主幹事はみずほ証券が主幹事を務めます。その他大和証券を含めた9社が幹事を務めます。
著者のまとめ
12月23日は交換できるくんと同時上場となるため、資金は分散する可能性がありますが、初値高騰にはある程度期待できる模様です。注目されている電力自由化向けの案件としては引き続き成長余地があるでしょう。
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