2021年6月24日に東証マザーズ市場へ上場する「セレンディップ・ホールディングス」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
セレンディップ・ホールディングスの上場日は!?期待度は?
同社は経営コンサルティングを中心に手がける会社です。
事業承継に悩む中小企業が増えている中、M&Aによって製造業の買収等を手がけており、事業拡大している会社の上場となります。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | セレンディップ・ホールディングス |
上場市場 | 東証マザーズ市場 |
銘柄コード | 7318 |
事業内容 | 経営コンサルティング、事業承継サポート、M&A支援、プロ経営者の派遣、製造事業会社の運営 |
所在地 | 愛知県名古屋市 |
設立 | 2006年 |
従業員 | 515名 |
会社HP | https://www.serendip-c.com/ |
監査法人 | EY新日本 |
上場日 | 2021年6月24日(木) |
主幹事 | SBI証券 |
BB期間 | 2021年6月8日(火)~ 2021年6月14日(月) |
価格決定日 | 2021年6月15日(火) |
購入申込期間 | 2021年6月16日(水)~ 2021年6月21日(月) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.serendip-c.com/service/)
同社は2006年に岡三証券からトーマツを経た高村徳康氏によって設立された会社です。当初は企業成長に向けた支援のため、ベンチャーキャピタルとしてベンチャー企業の支援を手がけてきました。
その後、ベンチャー支援の他IPO支援、経営コンサルティングを手がけていき、企業の事業再生やM&Aにおいて、プロフェッショナルとしての支援を行なってきました。
その後、2013年に自社が譲受企業としてパン製造販売会社を傘下に入れたことから、自社において事業承継にお悩みのある製造業のM&Aを幅広く手がけていくモデルを構築し、今日に至っています。
同社は持株会社として、主に3つのセグメントに分けて運営されています。1つ目は「モノづくり」セグメントです。こちらが、M&Aによって譲受した企業が名を連ねており、上場時点で3社の製造業が同社の傘下で事業を行なっています。
2つ目は「プロフェッショナル・ソリューション」セグメントです。こちらは、事業承継にお悩みのある中小企業に対して、プロの経営者やエンジニア等を派遣するビジネスであり、引き続き不足していると言われているエンジニア派遣や、プロ経営者派遣によって中小企業を支援しています。
3つ目はインベストメント事業です。こちらは祖業であるベンチャー支援やM&A支援を手がけており、自社のみならず全ての企業との接点を持てる体制を有しています。
引き続き後継者不足という時代背景から、中小企業のM&Aニーズが高まっているため、上場によって、会社の信用度を高め、更なる傘下企業を増加していきたい方針です。
2016年12月期 | 2017年12月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
売上高(百万円) | 202 | 186 | 48 | 12,961 | 15,196 |
経常利益(百万円) | 23 | 42 | 2 | 116 | 215 |
当期純利益(百万円) | 23 | 55 | 1 | 378 | 91 |
純資産額 (百万円) | 232 | 287 | 888 | 2,205 | 2,294 |
BPS(円) | 1,190 | 1,473 | 3,604 | 717 | 746 |
EPS(円) | 145 | 383 | 5 | 131 | 30 |
自己資本比率(%) | 88 | 90 | 98 | 14.8 | 16.9 |
ROE(%) | 12.7 | 21.2 | 0.2 | 29.1 | 4.2 |
配当性向(%) | – | – | – | – | – |
業績は成長過程にあります。2019年3月期より連結決算となっている他、決算期変更もあり一概に比較はできませんが、足元の売上高は増収基調となっています。利益面も増益基調であり、引き続き成長が期待出来そうです。
尚、2021年3月期3Q(2020年12月)の売上高は10,551百万円、経常利益は384百万円と推移しており、利益は既に前期を上回るなど好調な業績です。
配当はこれまでも無配で、上場後も内部留保の確保を優先するため当面無配が予想されています。
公募株数 | 総数850,000株 (内、公募850,000株、売出0株) |
OA分 | 127,400株 |
発行済み株数 | 4,229,380株 |
想定価格 | 1,130円(100株単位:11万円) |
仮条件 | 1,030円 ~1,130円 |
初値予想 | 1,200円 ~2,000円 |
想定PER | 約52倍 |
想定PBR | 約2倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 48億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は11億円で、時価総額が48億円と東証マザーズ上場銘柄としては中型案件です。M&A関連と話題に上がりそうな会社ではあるものの、事業内容としてはやや地味な印象のため、一定の初値で落ち着きそうです。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
髙村 徳康 | 19.39% | 180日間 |
竹内 在 | 19.39% | 180日間 |
諸戸グループマネジメント(株) | 12.07% | 180日間 |
一徳合同会社 | 8.05% | 180日間 |
ネクストシークエンス合同会社 | 8.05% | 180日間 |
(株)カリン | 4.60% | 180日間 |
アント・ブリッジ4号A投資事業有限責任組合 | 4.60% | 90日間or1.5倍 |
セレンディップグループ従業員持株会 | 3.79% | 180日間 |
芦部 喜一 | 1.72% | 180日間 |
(株)大垣共立銀行 | 1.53% | 180日間 |
同社の株主構成ですが、創業者である髙村会長と竹内社長がそれぞれ19.4%保有する筆頭株主で、資産管理会社分を合わせても両者同割合で株式を保有しています。その他取引先や投資ファンドのほか、金融機関も株式を保有しています。
尚、今回は売出を行いません。
今回は公募で8.7億円の資金調達を行い、調達資金はR&DやDXへの投資や運転資金、プロ経営者候補となる人材の確保・育成費に充てる予定です。
尚、大株主には180日のロックアップもしくは90日及び公募価格1.5倍のロックアップがかかっており、一部ファンドによるエグジットリスクはありますが、そこまで注意が必要なほどではないでしょう。
今回は公募のみの資金調達案件で、事業拡大に向けた資金獲得を軸としているため、投資家より期待を受ける可能性が高いでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「セレンディップ・ホールディングス」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | SBI証券 | 86.92% | 849,600株 |
幹事 | 野村證券 | 6.53% | 63,800株 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 1.74% | 17,000株 | |
みずほ証券 | 0.87% | 8,500株 | |
SMBC日興証券 | 0.87% | 8,500株 | |
楽天証券 | 0.87% | 8,500株 | |
東海東京証券 | 0.87% | 8,500株 | |
岩井コスモ証券 | 0.44% | 4,300株 | |
岡三証券 | 0.44% | 4,300株 | |
東洋証券 | 0.17% | 1,700株 | |
藍澤證券 | 0.09% | 900株 | |
水戸証券 | 0.09% | 900株 |
今回の主幹事はSBI証券が主幹事を務めます。その他野村證券を含めた11社が幹事を務めます。
著者のまとめ
M&A支援から自社が譲受企業となって事業を拡大してきた会社のIPOということで、市場からも新たな事業モデルの会社として注目を集めています。今後更に事業拡大が図れるのかが非常に気になるところです。
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