2020年12月16日に東証マザーズ市場へ上場する「Fast Fitness Japan[ファストフィットネスジャパン]」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
Fast Fitness Japanの上場日は!?期待度は?
同社は世界最大級のフィットネスクラブ「エニタイムフィットネス」の日本事業を運営する会社です。
2020年3月に上場審査通過し上場する予定でしたが、コロナ禍によって延期し今回再承認となりました。コロナ禍におけるフィットネスクラブへの風向きは難しいところですが、知名度は高く期待されています。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 |
Fast Fitness Japan[ファストフィットネスジャパン] |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
7092 |
事業内容 |
24時間型フィットネスクラブ“エニタイムフィットネス”の日本におけるマスターフランチャイジーとしてフランチャイズシステムを運営 |
所在地 |
東京都新宿区 |
設立 |
2010年 |
従業員 |
435名 |
会社HP |
https://fastfitnessjapan.jp/ |
監査法人 |
PwCあらた |
上場日 |
2020年12月16日(水) |
主幹事 |
野村證券 |
BB期間 |
2020年11月30日(月)~2020年12月4日(金) |
価格決定日 |
2020年12月7日(月) |
購入申込期間 |
2020年12月8日(火)~ 2020年12月11日(金) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://fastfitnessjapan.jp/company/)
同社は2010年に東京にて設立された会社です。2002年にアメリカで創業し、急激に事業拡大していたフィットネスクラブ「エニタイムフィットネス」を日本で運営するためにライセンス契約を結び運営を行っています。
同社は2020年9月末時点で直営店149店舗、FC店舗680店舗、計829店舗のエニタイムフィットネス店舗を運営しており、47都道府県進出を果たしています。
エニタイムフィットネスの特徴は「24時間年中無休営業」、「マシンジム特化」としている点で、会員がいつでも気軽に自分の都合でジムに通えるスタイルをとっています。また、国内外の他店舗を一定条件はあるものの追加料金なしで通えるなど利便性を追求したビジネスモデルとなっています。
他のフィットネスクラブに比べ、小規模の物件で運営することができるため、飲食店の居抜きなど幅広い用途の不動産に入居することができ、また店舗人員も最低限の人数で運営することができることから、人材採用難の今日にとっても最適なFCビジネスとなっており、FC加入者が増えています。
|
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
売上高(百万円) |
840 |
1,443 |
2,750 |
8,024 |
11,334 |
経常利益(百万円) |
75 |
229 |
389 |
1,671 |
2,829 |
当期純利益(百万円) |
41 |
147 |
199 |
928 |
1,628 |
純資産額 (百万円) |
273 |
403 |
659 |
1,719 |
3,319 |
BPS(円) |
16,389 |
24,227 |
35,603 |
186 |
359 |
EPS(円) |
2,475 |
8,837 |
11,949 |
100 |
176 |
自己資本比率(%) |
27.4 |
28.90 |
25.2 |
16 |
21.2 |
ROE(%) |
16.4 |
43.5 |
37.6 |
73.2 |
64.6 |
配当性向(%) |
20.2 |
17 |
12.6 |
4.5 |
2 |
業績は右肩上がりに成長しています。2019年3月期より連結決算となっていますが、売上高・利益共に5期連続の増収増益となっています。会員数増加と店舗数増加に伴い業績が向上するモデルであるため、店舗オープンの動向が業績を左右します。
尚、2021年3月期2Q(2020年9月)の売上高は4,832百万円、経常利益は740百万円となっており、コロナ禍の影響が直撃している状況です。足元は復活しているものの、前期を上回る可能性は低い模様です。
配当はこれまで出してきたいますが、上場後も内部留保の確保を優先しつつも出していく方針です。尚、前期の配当利回りは0.1%程度ですので、大きな配当は見込めません。
公募株数 |
総数1,800,000株 |
OA分 |
270,000株 |
発行済み株数 |
10,850,000株 |
想定価格 |
1,860円(100株単位:19万円) |
仮条件 |
2,000円 ~2,250円 |
初値予想 |
2,000円 ~2,800円 |
想定PER |
約12倍 |
想定PBR |
約3倍 |
配当利回り |
0.1% |
想定時価総額 |
201億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は39億円で、時価総額が201億円と東証マザーズ上場銘柄としては中規模案件です。これまで業績を伸ばしてきたもののコロナ禍の影響を受けており、前回の上場予定時の時価総額268億円から下がっている点は考慮すべきです。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
(株)オーク |
47.43% |
90日間 |
大熊 章 |
16.02% |
90日間 |
RM Japan, LLC |
9.00% |
90日間 |
土屋 敦之 |
5.35% |
90日間 |
特定有価証券信託受託者 野村信託銀行(株) (信託口2052248) |
4.38% |
90日間 |
特定有価証券信託受託者 野村信託銀行(株) (信託口2052249) |
4.38% |
90日間 |
加藤 薫 |
3.40% |
90日間 |
高嶋 淳 |
3.40% |
90日間 |
稲垣 稔 |
2.43% |
90日間 |
森 保平 |
1.62% |
90日間 |
同社の株主構成ですが、創業者であり取締役会長である大熊氏の資産管理会社が筆頭株主で、47%を保有しています。また個人でも16%を有している他、親族で約9%を有しているため、同社の64%を大熊家で有しています。
次点では本国エニタイムフィットネス運営会社が全体の1割を有し、その他は役員及び従業員が株式を保有しています。
今回の売出は土屋社長を含めた2者で、20万株の売出です。
今回の公募は27億円の資金調達を実施し、調達資金は運営子会社への投融資に充てる予定です。
尚、大株主には90日のロックアップがかかっており、極めてエグジットリスクは少ないIPOであると言えましょう。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、コロナ禍を通じて更なる成長のための資金調達であるため、比較的前向きなIPOと言えます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「Fast Fitness Japan」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
野村證券 |
91.30% |
1,890,000株 |
幹事 |
SMBC日興証券 |
3.48% |
72,000株 |
SBI証券 |
1.74% |
36,000株 |
|
むさし証券 |
1.74% |
36,000株 |
|
マネックス証券 |
0.87% |
18,000株 |
|
岡三証券 |
0.87% |
18,000株 |
今回の主幹事は野村證券が主幹事を務めます。その他SMBC日興証券を含む5社が幹事を務めます。
著者のまとめ
全国に展開を果たしたエニタイムフィットネスの運営会社が上場となります。コロナ禍によって影響を受けているフィットネス業界ですが、感染予防対策を十分にとることで足元復活してきています。知名度もあるため初値には一定の期待は持てるでしょう。
Fast Fitness Japan[ファストフィットネスジャパン]株価、PTS株価、ADR株価はこちら