2020年9月24日に東証ジャスダックスタンダード市場へ上場する「まぐまぐ」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
まぐまぐの上場日は!?期待度は?
企業名 |
まぐまぐ |
上場市場 |
東証JQスタンダード |
銘柄コード |
4059 |
事業内容 |
コンテンツ配信プラットフォームの運営を行うプラットフォーム事業、Webメディアの運営等を行うメディア広告事業、クリエイター活動の支援等を行うその他事業 |
所在地 |
東京都品川区 |
設立 |
1999年 |
従業員 |
32名 |
会社HP |
https://www.mag2.co.jp/ |
監査法人 |
三優 |
上場日 |
2020年9月24日(木) |
主幹事 |
SBI証券 |
BB期間 |
2020年9月7日(月)~ 2020年9月11日(金) |
価格決定日 |
2020年9月14日(月) |
購入申込期間 |
2020年9月15日(火)~ 2020年9月18日(金) |
同社はメールマガジン配信プラットフォームを提供する会社です。
「まぐまぐ!」のメールマガジンを購読された方もいらっしゃると思いますが、メールマガジンプラットフォームで長く事業を行ってきた実績があります。直近では自社のメディア運営に力を入れており、今後の成長に期待できるところでの上場となります。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.mag2.com/)
同社は1999年に設立しました。元々はエンジニアの深水英一郎氏が個人でスタートさせたメルマガ配信サービス「まぐまぐ!」の事業化を、同社創業者である大川弘一氏と共に行ったことが同社の始まりです。
その後着実に成長していた同社ですが、2014年に投資ファンドのニューホライズンキャピタルが経営権を獲得し、その後エアトリ(旧エボラブルアジア)が経営権を取得し現在に至ります。
同社は主に「プラットフォーム事業」と「メディア広告事業」の二本柱で運営されています。まず「プラットフォーム事業」は創業来の事業である「まぐまぐ!」における、有料メルマガ会員からの購読料によって売上を挙げています。
もう一方の「メディア広告事業」では、自社でWebメディアの運営を行っており、そこにおける広告枠の販売等が売上に繋がっています。現在総合ニュースメディア「MAG2 NEWS」やお金関連メディア「MONEY VOICE」といったメディアを運営しており、年々利用ユーザー数を伸ばしています。
直近では主事業であったプラットフォーム事業の売上高をメディア広告事業が上回るようになってきており、広告事業による事業基盤の拡大が図れるようになってきています。
今後は2020年4月にスタートしたライブ配信アプリ「まぐまぐ!Live」を伸ばしていく方針で、コロナ禍によってイベントが中止になっている中、オンライン上でイベントが開催できるようなプラットフォームを提供し、事業拡大を図っていく公算です。
|
2015年11月期 |
2016年9月期 |
2017年9月期 |
2018年9月期 |
2019年9月期 |
売上高(百万円) |
530 |
433 |
572 |
625 |
714 |
経常利益(百万円) |
△12 |
6 |
42 |
181 |
206 |
当期純利益(百万円) |
△193 |
9 |
28 |
193 |
146 |
純資産額 (百万円) |
395 |
403 |
431 |
624 |
770 |
BPS(円) |
3,589 |
3,667 |
3,918 |
283 |
350 |
EPS(円) |
△1,757 |
79 |
250 |
88 |
66 |
自己資本比率(%) |
69.7 |
73.2 |
73.90 |
76.1 |
78.9 |
ROE(%) |
– |
2.2 |
6.6 |
36.6 |
21 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績はまずまずといったところです。2016年9月期より決算期の変更があるため一概には言えませんが、売上と利益は上向きです。尚、2020年9月期3Q(2020年6月末)の売上高は520百万円、経常利益は121百万円と前期を上回れるかどうかというところまではきています。
配当はこれまで無配で、上場後は内部留保を確保しつつ配当を出していく方針です。尚、上場時点では配当開始時期等は決まっていません。
公募株数 |
総数650,000株 (内、公募530,000株、売出120,000株) |
OA分 |
30,000株 |
発行済み株数 |
2,730,000株 |
想定価格 |
810円(100株単位:8万円) |
仮条件 |
730円~810円 |
初値予想 |
1,000円~2,000円 |
想定PER |
約15倍 |
想定PBR |
約2倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
22億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は5.4億円で、時価総額が21.5億円とジャスダック上場銘柄としては小規模案件です。知名度のある会社であるため、注目度は高いでしょう。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
㈱エアトリ |
85.99% |
180日間 |
松田 誉史 |
2.87% |
180日間 |
浅尾 直樹 |
2.64% |
180日間 |
山川 英治 |
2.64% |
180日間 |
小森 良介 |
2.44% |
90日間 |
加藤 正躬 |
0.57% |
|
㈱アットウェア |
0.49% |
180日間 |
市東 聡 |
0.49% |
180日間 |
堀江 大輔 |
0.24% |
|
大森 慎一 |
0.16% |
180日間 |
同社の株主構成ですが、上場会社のエアトリが筆頭株主で、過半数越えである86%の株式を有しています。2位は同社社長の松田氏で3%を有しています。その他役員や従業員を中心に株主が構成されています。
今回の売出はエアトリのみで、12万株の売出を予定しています。尚、上場後も引き続きエアトリがオーナー企業となります。
公募によって3.8億円の資金調達を実施し、システム投資や本社増床資金、人材採用費や運転資金に充てる予定です。
大株主には180日もしくは90日のロックアップがかかっています。自社の社員を中心とした株主構成であるため、上場後のエグジットリスクは高くありません。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件ですが、エアトリのエグジットイベントであるとも言えます。コロナ禍によって本業の旅行事業が大ダメージを受けているため、資金獲得としての様相も見えるところです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「まぐまぐ」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
SBI証券 |
85.63% |
582,300株 |
幹事 |
みずほ証券 |
3.82% |
26,000株 |
SMBC日興証券 |
3.82% |
26,000株 |
|
東海東京証券 |
1.91% |
13,000株 |
|
エース証券 |
0.96% |
6,500株 |
|
岩井コスモ証券 |
0.96% |
6,500株 |
|
水戸証券 |
0.96% |
6,500株 |
|
岡三証券 |
0.49% |
3,300株 |
|
マネックス証券 |
0.49% |
3,300株 |
|
エイチ・エス証券 |
0.49% |
3,300株 |
|
極東証券 |
0.49% |
3,300株 |
今回の主幹事はSBI証券が主幹事を務めます。その他みずほ証券を含む10社が幹事を務めます。
著者のまとめ
メルマガ配信のまぐまぐ!がついに上場してきます。会社規模はまだ小さい会社ですが、今後も引き続き伸びる要素を持った事業構造であるため、上場後の動きにも注目したいところです。