2021年6月24日に東証マザーズ市場へ上場する「ベイシス」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ベイシスの上場日は!?期待度は?
同社は通信インフラの施工・保守を手がける会社です。
5G等など携帯電話基地局の施工案件が増える中、これまで培ったノウハウを生かし事業拡大している会社の上場です。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
| 企業名 | ベイシス |
| 上場市場 | 東証マザーズ市場 |
| 銘柄コード | 4068 |
| 事業内容 | 携帯電話のインフラ・ネットワーク構築・運用保守、IoTインフラ・ネットワーク構築・運用保守 |
| 所在地 | 東京都品川区 |
| 設立 | 2000年 |
| 従業員 | 330名 |
| 会社HP | https://www.basis-corp.jp/ |
| 監査法人 | 仰星 |
| 上場日 | 2021年6月24日(木) |
| 主幹事 | みずほ証券 |
| BB期間 | 2021年6月8日(火)~ 2021年6月14日(月) |
| 価格決定日 | 2021年6月15日(火) |
| 購入申込期間 | 2021年6月16日(水)~ 2021年6月21日(月) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.basis-corp.jp/case/mobile/)
同社は2000年に広島に「有限会社サイバーコネクション」として設立されました。創業当初より移動体通信(携帯電話)分野における電波環境最適化支援(電波調査や基地局の整備など)を手がけてきました。
その後、その後組織再編を行い、情報通信インフラ事業の多角化ができる組織体制を構築していきました。
同社はインフラテック事業を主事業として、通信インフラの施工・保守を手がけています。インフラテックとは同社の造語で、インフラとテクノロジーを掛け合わせたものです。年々進化する通信インフラ機器に合わせ、独自技術を用いた効率性の高い通信設備施工を可能としています。
主に、携帯電話基地局の施工や、大型施設におけるWi-Fi設備の施工を手がけており、自社のエンジニアのほか、各拠点における協力会社によって全国をカバーしています。
その他、IoTの流れによって電力やガス等の生活インフラにおいても通信機器の設置ニーズが高まっているため、同じく同社が設備施工に対応しています。
自社開発の通信インフラ構築プロジェクト管理システム「BLAS」によって、現場のエンジニアによる報告がスマホで完結できるなど、独自性のある施工サービスを提供しています。
今後も引き続き5G等通信インフラの整備が求められることが予想されるため、上場によって、エンジニアの確保のほか、顧客基盤の拡充に努めていく方針です。
| 2016年6月期 | 2017年6月期 | 2018年6月期 | 2019年6月期 | 2020年6月期 | |
| 売上高(百万円) | 1,413 | 1,666 | 3,005 | 3,093 | 3,263 |
| 経常利益(百万円) | 74 | 70 | 154 | 101 | 118 |
| 当期純利益(百万円) | 25 | △22 | 211 | 62 | 70 |
| 純資産額 (百万円) | 310 | 288 | 499 | 561 | 631 |
| BPS(円) | 9,935 | 9,220 | 15,982 | 359 | 404 |
| EPS(円) | 813 | △715 | 6,762 | 39 | 45 |
| 自己資本比率(%) | 21 | 23 | 26 | 35.2 | 37.2 |
| ROE(%) | 8.2 | – | 42.3 | 11.6 | 11.7 |
| 配当性向(%) | – | – | – | – | – |
業績は緩やかですが右肩上がりです。足元の売上高は増収基調となっています。一方利益面では上下が出ている状況です。
尚、2021年6月期3Q(2021年3月)の売上高は3,462百万円、経常利益は315百万円と推移しており、既に売上高・利益共に前期を上回っています。
配当はこれまでも無配で、上場後も内部留保の確保を優先するため当面無配が予想されています。
| 公募株数 | 総数349,000株 (内、公募196,000株、売出153,000株) |
| OA分 | 52,300株 |
| 発行済み株数 | 1,758,100株 |
| 想定価格 | 1,960円(100株単位:20万円) |
| 仮条件 | 1,960円 ~2,040円 |
| 初値予想 | 3,000円 ~5,500円 |
| 想定PER | 約49倍 |
| 想定PBR | 約4倍 |
| 配当利回り | なし |
| 想定時価総額 | 34億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は7.9億円で、時価総額が34億円と東証マザーズ上場銘柄としては小型案件です。携帯電話基地局の施工に強みがあるなど5G関連に関わってくるビジネスとして評価される可能性が高いでしょう。
| 株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
| ワイズマネージメント(株) | 53.42% | 180日間 |
| 吉村 公孝 | 31.13% | 180日間 |
| ベイシスグループ従業員持株会 | 7.02% | 180日間 |
| Accuver(株) | 3.36% | |
| 和田 健士 | 0.46% | 180日間 |
| 高野 竜介 | 0.46% | 180日間 |
| 三菱UFJキャピタル4号投資事業有限責任組合 | 0.43% | 90日間or1.5倍 |
| 遊佐 武文 | 0.34% | 180日間 |
| 田中 裕輔 | 0.31% | 180日間 |
| 松下 弘樹 | 0.31% | 180日間 |
同社の株主構成ですが、創業者である吉村社長の資産管理会社「ワイズマネージメント株式会社」が筆頭株主で、同社株の過半数超である53%を有しています。個人分を合わせると85%弱を有しています。その他取引先や投資ファンドのほか、役員・従業員が株式を保有しています。
今回の売出は、吉村社長とAccuver株式会社の2者で、計153,000株の売出を行います。
今回は公募で3.4億円の資金調達を行い、調達資金は設備投資資金や、人材採用火や管理ツール、社内DX拡充等の運転資金に充てる予定です。
尚、大株主には180日のロックアップもしくは90日及び公募価格1.5倍のロックアップがかかっており、一部ファンドによるエグジットリスクはありますが、そこまで注意が必要なほどではないでしょう。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、事業拡大に向けた資金獲得を軸としているため、投資家より期待を受ける可能性が高いでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ベイシス」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
| 割当率 | 株数 | ||
| 主幹事 | みずほ証券 | 91.40% | 366,800株 |
| 幹事 | SMBC日興証券 | 2.59% | 10,400株 |
| SBI証券 | 1.72% | 6,900株 | |
| 岡三証券 | 1.30% | 5,200株 | |
| いちよし証券 | 1.30% | 5,200株 | |
| 東海東京証券 | 0.42% | 1,700株 | |
| 岩井コスモ証券 | 0.42% | 1,700株 | |
| マネックス証券 | 0.42% | 1,700株 | |
| 楽天証券 | 0.42% | 1,700株 |
今回の主幹事はみずほ証券が主幹事を務めます。その他SMBC日興証券を含めた8社が幹事を務めます。
著者のまとめ
5Gに向けた基地局整備が進む中、同社のような特化型施工会社への期待が高まる可能性が高く、今回の初値高騰にも期待が持てるでしょう。同日に他3社上場してくるため、資金の分散が起きると思われますが、事業モデルを踏まえると一番評価が高いことが予想されます。
