2020年12月17日に東証2部市場へ上場する「オーケーエム」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
オーケーエムの上場日は!?期待度は?
同社はバルブ製造を行うメーカーです。
地方銘柄として注目されており、個人事業時代を含めると約120年の歴史がある会社の上場となります。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 |
オーケーエム |
上場市場 |
東証2部 |
銘柄コード |
6229 |
事業内容 |
バルブ製造販売事業 |
所在地 |
滋賀県蒲生郡日野町 |
設立 |
1962年 |
従業員 |
321名 |
会社HP |
https://www.okm-net.jp/ |
監査法人 |
EY新日本 |
上場日 |
2020年12月17日(木) |
主幹事 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
BB期間 |
2020年12月1日(火)~2020年12月7日(月) |
価格決定日 |
2020年12月8日(火) |
購入申込期間 |
2020年12月10日(木)~2020年12月15日(火) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.okm-net.jp/product/detaile.php?list=1)
同社は1962年に設立したバルブ製造会社ですが、起源を辿ると1902年に奥村清太郎氏が鋸製造のために個人事業をスタートしたことからスタートした会社です。
同社は鋸からバルブ製造にシフトし、今日では世界的なバルブ製造メーカーとして成長してきました。主に、バタフライバルブやナイフゲートバルブの製造をしており、ビルや空港等の大型施設向け空調や船舶向けのバルブとして使われています。
汎用品からカスタマイズ品まで約10万点のバルブを取り扱っており、多くの顧客のバルブニーズに応えてきました。
また、同社の追い風となったのが、船舶用排ガスバルブの販売開始です。2018年3月期より販売を始めましたが、IMO(国際海事機関)による環境規制がスタートしたことによって、船舶から排出される排ガス内の大気汚染物質低減が求められるようになりました。
今後既存船にも同規制が適用されるため、排ガスバルブの設置が必要となります。同社は世界的に船舶向けの排ガスバルブとバラスト水向けバルブメーカーとして注目を集めており、SDGsへの取り組みを深めています。
今後は、引き続き船舶向けバルブシェアの拡大を図ると共に、バルブメーカーとしての地位向上を狙っていく模様です。
|
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
売上高(百万円) |
5,714 |
5,489 |
5,851 |
8,646 |
8,852 |
経常利益(百万円) |
267 |
468 |
407 |
1,335 |
849 |
当期純利益(百万円) |
192 |
326 |
183 |
891 |
573 |
純資産額 (百万円) |
3,097 |
3,384 |
3,714 |
5,161 |
5,650 |
BPS(円) |
9,678 |
10,574 |
11,204 |
1,557 |
1,704 |
EPS(円) |
601 |
1,018 |
570 |
269 |
173 |
自己資本比率(%) |
65 |
63.20 |
49 |
47.4 |
54.8 |
ROE(%) |
6.2 |
9.6 |
4.9 |
17.3 |
10.1 |
配当性向(%) |
25 |
19.7 |
35.1 |
7.4 |
11.4 |
業績は横ばい基調にあります。2019年3月期より連結決算となっており、一概に単純比較できませんが、売上高は増加基調となっています。また、利益については伸び悩みの動きですが、米中貿易摩擦の影響によるものであることが想定されているため、事業としては順調に推移していると思われます。
尚、2021年3月期2Q(2020年9月)の売上高は4,439百万円、経常利益は734百万円となっており、利益面は改善基調を見せています。
配当はこれまでもだしており、上場後は内部留保を確保しつつも連結配当性向30%を目標に配当を出す方針です。尚、前期の配当利回りは0.1%程度でした。
公募株数 |
総数1,317,000株 |
OA分 |
197,500株 |
発行済み株数 |
4,315,200株 |
想定価格 |
1,090円(100株単位:11万円) |
仮条件 |
1,090円 ~ 1,220円 |
初値予想 |
1,050円 ~ 1,800円 |
想定PER |
約8倍 |
想定PBR |
約0.7倍 |
配当利回り |
0.1% |
想定時価総額 |
47億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は17億円で、時価総額が47億円と東証2部上場銘柄としては中型案件です。業績の急拡大は難しいものの、業界では安定的な位置に推移しているため堅実な株価推移を見せることが予想されます。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
(有)クローバー通商 |
18.23% |
180日間 |
OKM従業員持株会 |
11.19% |
180日間 |
奥村 晋一 |
8.26% |
180日間 |
奥村 恵一 |
6.03% |
180日間 |
奥村 芳柾 |
5.48% |
180日間 |
(株)滋賀銀行 |
4.66% |
180日間 |
奥村 勇樹 |
3.34% |
180日間 |
奥村 俊慈 |
3.31% |
180日間 |
日本生命保険相互会社 |
2.95% |
180日間 |
須田 美奈子 |
2.38% |
180日間 |
同社の株主構成ですが、取締役会長であり創業家である奥村恵一氏を筆頭とした奥村家の資産管理会社「有限会社クローバー通商」が筆頭株主で、同社株の18%を保有しています。奥村会長を含め奥村家に株式が分散していますが、全て合わせると過半数以上の株式を保有していることになります。その他、役員・従業員が株主となっており、中には取引銀行等の事業会社が名を連ねています。
今回の売出は佐藤社長を含めた5者で、317,000株の売出です。
今回は公募にて10億円の資金調達を行い、調達資金の用途は建設した研究開発センターの借り入れ返済と、子会社向けの投融資資金に充てる予定です。
尚、大株主には180日のロックアップがかかっており、創業家をはじめとした会社関係者が大半のため、エグジットリスクは低いです。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件ですが、借り入れによって建設した研究開発センターの建設費の返済を軸に資金調達を行うため、期待感を持てる資金調達ではないため、評価は分かれます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「オーケーエム」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
90.43% |
1,369,500株 |
幹事 |
SMBC日興証券 |
4.35% |
65,900株 |
SBI証券 |
2.61% |
39,500株 |
|
みずほ証券 |
0.87% |
13,200株 |
|
いちよし証券 |
0.87% |
13,200株 |
|
西村証券 |
0.87% |
13,200株 |
今回の主幹事は三菱UFJモルガン・スタンレー証券が主幹事を務めます。その他SMBC日興証券を含めた5社が幹事を務めます。
著者のまとめ
12月17日には他4社同時上場となりますが、他社に比べて高い魅力があるとは言えず、大幅高騰は見込めないでしょう。バルブメーカーと事業としては地味であるため、公募割れがないことを願うばかりです。