2020年12月17日に東証マザーズ市場へ上場する「かっこ」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
かっこの上場日は!?期待度は?
同社はデータサイエンス技術を生かしたアルゴリズム・ソフトウェアの提供会社です。
主に、EC事業者向けの不正注文検知サービスを提供しており、着実な成長を見せているAI銘柄です。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 |
かっこ |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4166 |
事業内容 |
データサイエンスの技術とノウハウをもとに、アルゴリズム及びソフトウェアを開発・提供することで、企業の課題解決やチャレンジを支援する「SaaS型アルゴリズム提供事業」 |
所在地 |
東京都港区 |
設立 |
2011年 |
従業員 |
26名 |
会社HP |
https://www.okm-net.jp/ |
監査法人 |
仰星 |
上場日 |
2020年12月17日(木) |
主幹事 |
SBI証券 |
BB期間 |
2020年12月2日(水)~2020年12月8日(火) |
価格決定日 |
2020年12月9日(水) |
購入申込期間 |
2020年12月10日(木)~2020年12月15日(火) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://cacco.co.jp/datascience/?_ga=2.43479277.991862858.1609399371-1073728461.1609399371)
同社は2011年にネット決済サービスを提供するネットプロテクションズ出身の岩井裕之氏によって設立された会社です。岩井氏の経験を生かしネット不正対策コンサルティングを行っていましたが、ECをはじめインターネットの拡大に乗じて増える不正検出を行えるシステムの開発を行い、事業を拡大してきました。
同社は「SaaS型アルゴリズム提供事業」の単一セグメントで事業を行っています。具体的にはEC事業者向けに不正決済対策システム「O-PLUX(オープラックス)」を中核に事業を行っています。
O-PLUXは後払い決済を提供しているEC事業者にサービスを提供しており、不正利用の履歴を集約されたデータをアルゴリズムによって相次ぐ不正利用を防ぐことに寄与しています。東京商工リサーチが実施した「ECサイト不正検知サービスに関する調査」によると、国内ECサイトにおける不正検知サービス導入件数でNo.1を獲得しており、業界トップの実績を有しています。
また、会員サイト向けの不正アクセス検知サービス「O-motion」では、なりすまし等の不正アクセスを検知するなど、これまで防ぐことができなかった不正等を検知し、チケットの高額転売を狙った買い占めやインターネットバンキングの不正出金等を防ぐことに寄与しています。
サブスクリプションモデルであるため、利用顧客の増加に伴い業績が向上するため、上場によって会社としての信用度の向上によって更なる成長を狙う模様です。
|
2015年12月期 |
2016年12月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
2019年12月期 |
売上高(百万円) |
422 |
490 |
700 |
720 |
746 |
経常利益(百万円) |
△229 |
△93 |
43 |
81 |
91 |
当期純利益(百万円) |
△233 |
△204 |
50 |
81 |
114 |
純資産額 (百万円) |
70 |
246 |
296 |
379 |
494 |
BPS(円) |
103 |
315 |
380 |
161 |
210 |
EPS(円) |
△358 |
△271 |
64 |
34 |
49 |
自己資本比率(%) |
25.2 |
41.10 |
49.9 |
59.7 |
54.9 |
ROE(%) |
– |
– |
18.5 |
24 |
26.4 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は緩やかながらも右肩上がりにあります。売上高・利益共に5期連続増収増益となっており、利益は2017年12月期より黒字化となっています。
尚、2020年12月期3Q(2020年9月)の売上高は619百万円、経常利益は121百万円となっており、今期も最高業績を記録する模様です。
配当は創業来無配で、財務面の健全化を図るためにも内部留保を優先し引き続き無配が予定されています。
公募株数 |
総数250,000株 |
OA分 |
37,500株 |
発行済み株数 |
2,582,081株 |
想定価格 |
1,890円(100株単位:19万円) |
仮条件 |
1,860円 ~ 2,020円 |
初値予想 |
3,500円 ~ 8,000円 |
想定PER |
約43倍 |
想定PBR |
約5倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
49億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は5億円で、時価総額が49億円と東証マザーズ上場銘柄としては小型案件です。事業の成長性と継続性から初値高騰は大いに見込める案件でしょう。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
岩井 裕之 |
19.66% |
180日間 |
Symbolキャピタル合同会社 |
17.48% |
180日間 |
中沢 雄太 |
9.31% |
180日間 |
SMBCベンチャーキャピタル1号投資事業有限責任組合 |
8.61% |
90日間or1.5倍 |
亀山 誠 |
8.48% |
180日間 |
みずほ成長支援投資事業有限責任組合 |
6.53% |
90日間or1.5倍 |
関根 健太郎 |
5.18% |
180日間 |
Fin Techビジネスイノベーション投資事業有限責任組合 |
4.45% |
90日間or1.5倍 |
中山 勝史 |
3.59% |
180日間 |
MSIVC2012V投資事業有限責任組合 |
2.98% |
90日間or1.5倍 |
同社の株主構成ですが、創業家である岩井裕之代表取締役社長が筆頭株主で、同社株の20%を保有しています。資産管理会社保有分を合わせると37%を保有しています。同社の特徴はVCや事業会社の株主が多く、株式が分散されています。
今回の売出は岩井社長のみで、5,000株の売出です。
今回は公募にて4億円の資金調達を行い、調達資金の用途はソフトウェア開発費用や借入金の返済に充てる予定です。
尚、大株主には180日もしくは90日及び公募価格1.5倍のロックアップがかかっており、VCを始めエグジットリスクは非常に高いといえます。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、事業拡大に向けた投資として評価できます。また既存株主による売出が少なく、事業成長に向けたIPOであることを大いに確認できるため、初値に期待です。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「かっこ」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
SBI証券 |
86.92% |
249,900株 |
幹事 |
SMBC日興証券 |
2.19% |
6,300株 |
みずほ証券 |
2.19% |
6,300株 |
|
あかつき証券 |
0.87% |
2,500株 |
|
岩井コスモ証券 |
0.87% |
2,500株 |
|
岡三証券 |
0.87% |
2,500株 |
|
極東証券 |
0.87% |
2,500株 |
|
静銀ティーエム証券 |
0.87% |
2,500株 |
|
東洋証券 |
0.87% |
2,500株 |
|
松井証券 |
0.87% |
2,500株 |
|
マネックス証券 |
0.87% |
2,500株 |
|
水戸証券 |
0.87% |
2,500株 |
|
楽天証券 |
0.87% |
2,500株 |
今回の主幹事はSBI証券が主幹事を務めます。その他SMBC日興証券を含めた12社が幹事を務めます。
著者のまとめ
12月17日には他4社同時上場となりますが、5社中最も期待されている会社です。AIやアルゴリズムといった話題テーマのど真ん中銘柄で、大幅な初値高騰にも期待できるでしょう。