2020年12月16日に東証マザーズ市場へ上場する「バルミューダ」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
バルミューダの上場日は!?期待度は?
同社は家電製品の企画製造販売を手がける会社です。
デザイン性の高い電子レンジを始めとした家電を次々と生み出しており、多くのファンを獲得している新興高級家電メーカーとして注目が集まっていました。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 |
バルミューダ |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
6612 |
事業内容 |
家電製品の企画・製造・販売 |
所在地 |
東京都武蔵野市 |
設立 |
2003年 |
従業員 |
109名 |
会社HP |
https://www.balmuda.com/jp/ |
監査法人 |
太陽 |
上場日 |
2020年12月16日(水) |
主幹事 |
みずほ証券 |
BB期間 |
2020年11月30日(月)~2020年12月4日(金) |
価格決定日 |
2020年12月7日(月) |
購入申込期間 |
2020年12月8日(火)~ 2020年12月11日(金) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.balmuda.com/jp/range/)
同社は2003年に約10年ほど音楽活動を行っていた寺尾玄氏によって設立されました。世界中を旅し、また音楽活動を通じて培われた感性を元に、独学でデザインとテクノロジーの融合による高級家電の企画製造に取り組んでいきました。
創業当初はMac向け製品開発から手がけ、デスクライトから徐々に扇風機を始めとした生活家電の製造にシフトしていきました。
現在の同社における商品群は大きく分けて4つあり、「空調関連製品」、「キッチン関連製品」、「照明関連製品」、「音響関連製品」に分けられます。いずれもデザイン性が高い一方、最新の技術によって高い性能を有している製品を作り出しています。
長く家電業界は高性能化が進んでいたものの、デザイン性に富んだ商品が少なくなっていましたが、同社の登場によって必要な機能に特化しつつもデザイン性の高い家電製品への注目が高まっていきました。
現状、空調関連製品とキッチン関連製品が同社の売り上げの主力であり、地域別売り上げでは日本が7割の他、韓国をはじめ世界進出を果たしています。今回の上場を通じて事業基盤の拡大と更なる製品開発に向けた企業ブランディングの強化に努めていく模様です。
|
2015年12月期 |
2016年12月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
2019年12月期 |
売上高(百万円) |
2,907 |
5,542 |
8,872 |
11,192 |
10,850 |
経常利益(百万円) |
△67 |
340 |
1,058 |
1,635 |
1,048 |
当期純利益(百万円) |
△67 |
235 |
829 |
40 |
633 |
純資産額 (百万円) |
3 |
239 |
1,068 |
1,099 |
1,732 |
BPS(円) |
52 |
3,674 |
16,427 |
169 |
267 |
EPS(円) |
△1,033 |
3,622 |
12,753 |
6 |
97 |
自己資本比率(%) |
0.3 |
9.30 |
27.3 |
23.1 |
34.2 |
ROE(%) |
– |
194.4 |
126.9 |
3.7 |
44.7 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は右肩上がりに成長しています。2018年12月期より連結決算となっていますが、売上高・利益共に前期でこれまでの上昇が一旦ストップしています。米中貿易摩擦の影響もあった他、海外主要先である韓国における日本製品不買運動の煽りを受けた格好となります。
尚、2020年12月期2Q(2020年9月)の売上高は8,097百万円、経常利益は891百万円となっており、コロナ禍の影響が直撃していますが、前期数字は上回る勢いです。
配当はこれまで無配で、上場後も内部留保を確保するため当面無配が予想されています。
公募株数 |
総数1,435,000株 |
OA分 |
215,200株 |
発行済み株数 |
7,735,000株 |
想定価格 |
1,780円(100株単位:18万円) |
仮条件 |
1,780円 ~ 1,930円 |
初値予想 |
2,000円 ~ 3,500円 |
想定PER |
約22倍 |
想定PBR |
約4倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
137億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は29億円で、時価総額が137億円と東証マザーズ上場銘柄としては中規模案件です。同日に他2社上場してくるため、資金が分散してしまう可能性が高いです。一方で根強いファンを獲得している背景から、上場後の値動きはある程度安定することが予想されます。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
寺尾 玄 |
85.11% |
180日間 |
Limotech Korea Co., Ltd. |
3.55% |
180日間 |
佐藤 弘次 |
2.28% |
|
(株)ミツバ |
1.77% |
180日間 |
(株)ベニヤ |
1.77% |
180日間 |
佐藤 雅史 |
0.70% |
|
鞍田 直子 |
0.39% |
|
池田 英智 |
0.29% |
|
南 修二 |
0.29% |
|
進藤 剛 |
0.28% |
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同社の株主構成ですが、創業者であり代表取締役である寺尾社長が筆頭株主で、85%を保有する同社のオーナーです。その他、製造元や取引先、従業員や役員によって株主が構成されています。
今回の売出は寺尾社長のみで、20万株の売出です。尚、売出後も寺尾社長は同社株の3分の2以上を有するオーナーとして、経営の舵取りを行っていきます。
今回の公募は20億円の資金調達を実施し、調達資金はデザイナー採用費やマーケティング費用、新規製品開発費用に充てる予定です。
尚、大株主には180日のロックアップがかかっており、極めてエグジットリスクは少ないIPOであると言えましょう。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、新型製品開発が生命線である家電メーカーとしては前向きな資金調達であると言えます。上場後の成長は見届ける必要があります。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「バルミューダ」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
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割当率 |
株数 |
主幹事 |
みずほ証券 |
88.70% |
1,463,800株 |
幹事 |
SBI証券 |
5.22% |
86,100株 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
1.74% |
28,700株 |
|
丸三証券 |
1.30% |
21,500株 |
|
エース証券 |
1.30% |
21,500株 |
|
極東証券 |
0.87% |
14,300株 |
|
岩井コスモ証券 |
0.87% |
14,300株 |
今回の主幹事はみずほ証券が主幹事を務めます。その他SBI証券を含む6社が幹事を務めます。
著者のまとめ
突如日本の家電市場に新しい風を吹き付けた同社の上場は非常に期待されています。ただし、前期の決算が減収減益と足元成長性の減速感が否めず、これからの成長を十分に見届ける必要があります。いずれにせよ株価動向を注視していきたいです。