2019年6月19日に東証マザーズ市場へ上場する「Sansan」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
Sansanの上場日は!?期待度は?
企業名 | Sansan(サンサン) |
上場市場 | 東証マザーズ市場 |
銘柄コード | 4443 |
事業内容 | 法人向け名刺管理サービス『Sansan』および個人向け名刺管理アプリ『Eight』の提供 |
所在地 | 東京都渋谷区 |
設立 | 2007年 |
従業員 | 477名 |
会社HP | https://jp.corp-sansan.com/ |
監査法人 | あずさ |
上場日 | 2019年6月19日(水) |
主幹事 | 野村證券 |
BB期間 | 2019年6月3日(月)~2019年6月6日(木) |
価格決定日 | 2019年6月7日(金) |
購入申込期間 | 2019年6月11日(火)~2019年6月14日(金) |
同社は名刺管理サービスをクラウドで提供する企業です。
TVCM等でも知名度が上がっており、業界でもトップシェアを獲得している
大型ベンチャーの上場となります。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://jp.sansan.com/?trflg=1)
同社は2007年に創業されました。創業者の寺田親弘社長は新卒で三井物産に入社し海外での勤務経験を経て独立し同社を創業しました。
同社の事業はSaaSモデルによって提供される法人向け名刺管理サービス「Sansan」の提供と、SNSモデルによって構築された名刺アプリ「Eight」の提供を行っています。
Sansanサービスは、法人内で名刺管理を行うことで、これまで個人での管理となっていた名刺を社内共有することで、新しいビジネスチャンスを見出すことにつながるという発想のもと、クラウドサービスによって提供される名刺管理サービスです。
2019年6月の上場時点で、5,738社の法人契約数となっており、法人向け名刺管理サービス業界で81.9%のシェアを持っています。
またEightサービスでは、ビジネス上での出会いを活用するために、SNSの仕組みを利用し名刺交換先とコミュニケーションが取れるサービスを展開しています。
既にTVCMや広告では同社の知名度は高まっており、引き続き成長が見込める会社です。
売上や成長性は?
2014年3月期 | 2015年3月期 | 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | |
売上高(百万円) | 1,289 | 1,964 | 3,151 | 4,839 | 7,324 |
経常利益(百万円) | △573 | △1,075 | △1,363 | △780 | △3,077 |
当期純利益(百万円) | △582 | △1,083 | △1,368 | △790 | △3,086 |
純資産額 (百万円) | 1,520 | 437 | 1,053 | 173 | 1,313 |
BPS(円) | 28,983 | △501,931 | △1,172,551 | △160 | △312 |
EPS(円) | △290,437 | △566,728 | △728,311 | △47 | △168 |
自己資本比率(%) | 64.2 | 24.7 | 32.2 | 4.9 | 24.8 |
ROE(%) | – | – | – | – | – |
配当性向(%) | – | – | – | – | – |
業績については順調に拡大していますが、投資優先となっています。売上高は5期連続で増収となっており、5期間で約5.7倍となっています。一方経常利益では、5期間で利益を上げられていません。直前期はSansan事業で黒字となったものの、Eight事業へのプロモーションや投資が先行し、大幅赤字となっています。ただし外部の投資家より出資を多く受けたことから、積極的な投資を行うことができました。
公募株数 | 総数7,510,000株 (内、公募500,000、売出7,010,000株) |
OA分 | 1,126,500株 |
発行済み株数 | 29,932,353株 |
想定価格 | 4,075円(100株単位・41万円) |
仮条件 | 4,000円~4,500円 |
初値予想 | 4,300円~5,000円 |
想定PER | なし |
想定PBR | 約38倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 1,219億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は351億円で、時価総額が1,219億円とマザーズ市場トップ10入りをする時価総額での上場となりそうです。メルカリのように知名度が上がっている会社ですので、注目度は高い上場です。
注目度は高いため公募割れのリスクは少ない一方、利益が出ておらず大規模となることから、公開タイミングでの売却が相次ぐリスクはあるため、株価は公開価格を挟んだ展開でしょう。配当は利益が出ていないため当面無配です。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
寺田 親弘 | 35.90% | 90日間 |
DCM Ventures China Fund(DCM VII), L.P. | 6.67% | 90日間or1.5倍 |
(株)INCJ | 5.72% | |
(株)SMBC信託銀行(特定運用金外信託口 契約番号12100440) | 5.62% | 継続保有 |
Sansan従業員持株会 | 4.83% | 180日間 |
ジー・エス・グロース・インベストメント合同会社 | 4.27% | |
A-Fund, L.P. | 4.21% | 90日間or1.5倍 |
富岡 圭 | 3.45% | 90日間 |
ニッセイ・キャピタル5号投資事業有限責任組合 | 2.96% | 90日間or1.5倍 |
EEIクリーンテック投資事業有限責任組合 | 2.27% | 90日間or1.5倍 |
同社の大株主は寺田社長が36%を有する筆頭株主です。その他役員等も株式を保有していますが、大半がVCやファンドが名を連ねています。
筆頭に上がるのは、米国系VCの「DCM」や国内の官民ファンドを運営する産業革新機構と大御所ファンドが名を連ねています。その他事業会社では日本経済新聞社やサイバーエージェントも同社株を保有しています。
今回はVC等の売出が総計の約93%を占めるため、市場では評価されにくいエグジット案件となります。
売出はVCや寺田社長等含めた21者で701万株の売出です。
大株主には90日もしくは180日のロックアップがかかっており、VC等には90日もしくは公募価格1.5倍の制限がかかっています。
公募では19億円の資金調達を行い、広告宣伝費や人材採用費、エンジニア向け人件費等に充てられる予定です。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「Sansan」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | 野村證券 | -% | -株 |
幹事 | SMBC日興証券 | -% | -株 |
大和証券 | -% | -株 | |
みずほ証券 | -% | -株 | |
SBI証券 | -% | -株 | |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | -% | -株 | |
楽天証券 | -% | -株 | |
マネックス証券 | -% | -株 | |
極東証券 | -% | -株 |
今回の主幹事は大手の野村證券が主幹事を務めます。その他大手証券会社が名を連ねています。株式数はある程度あるため獲得できる可能性はあるでしょう。
著者のまとめ
2019年に上場する会社の中でも一定の知名度を有した会社の上場です。現状赤字ではあるものの、株式市場では非常に高い評価を受けて上場してくるため動向が気になります。
同日には地方上場の日本グランデが上場してきますが、メインは同社株に注目が集まることでしょう。上場後はマザーズ指数にも組み入れられるため、一定の買い需要を生むと思われますが、売出が多いため株価動向には注意が必要です。