2021年3月25日に東証マザーズ市場へ上場する「ベビーカレンダー」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ベビーカレンダーの上場日は!?期待度は?
同社は妊娠・出産・育児に特化した専門サイト「ベビーカレンダー」を運営する会社です。
女性をターゲットにした広告枠提供によって事業拡大を図れており、引き続き成長が期待される注目銘柄の上場となります。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | ベビーカレンダー |
上場市場 | 東証マザーズ |
銘柄コード | 7363 |
事業内容 | 妊娠・出産・育児のメディア事業、産婦人科向けITソリューション事業 |
所在地 | 東京都渋谷区 |
設立 | 1991年 |
従業員 | 46名 |
会社HP | https://corp.baby-calendar.jp/ |
監査法人 | 東陽 |
上場日 | 2021年3月25日(木) |
主幹事 | SBI証券 |
BB期間 | 2021年3月10日(水)~ 2021年3月16日(火) |
価格決定日 | 2021年3月17日(水) |
購入申込期間 | 2021年3月18日(木)~ 2021年3月23日(火) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://corp.baby-calendar.jp/)
同社は1991年に創業した会社で、当時は経営コンサルティング事業を行っていました。その後医療用システム開発を開始したのちに産婦人科向け事業を2008年にスタートし、その後から女性向けビジネスを中核に据えて事業を展開していました。
その後2015年に上場会社であるクックパッドに買収され、2016年からベビーカレンダー事業を開始しましたが、その矢先に多角化を進めていた当時クックパッド社長の穐田誉輝氏と料理に集中すべきと主張する創業者の佐野陽光氏との間で内紛があったことから、本業外である同社経営陣によるMBOによって独立することになりました。
同社主力である「ベビーカレンダー」は妊娠・出産・育児を行うママパパ向けの専門Webサイトです。医師や助産師や保育士等、専門家による監修による信頼度の高い情報を提供しており、出産予定日や赤ちゃんの誕生日を登録することで、ママパパにとって必要とされる情報を発信する「日めくり機能」など独自性のあるサービスを提供しています。
基本的にユーザーは無料で利用できる他、一部有料課金にて収益を上げている他、広告主に対して広告枠の提供によって売上を構成しています。なお、ベビーカレンダーは2020年12月末現在で、月間PV数は約110億件で、月間ユニークユーザー数738万人と右肩上がりに成長しています。
メディア事業以外では、産婦人科向け事業とWebマーケティング事業を展開しており、産婦人科向けには妊産婦やスタッフの教育向け動画コンテンツ配信サービス「ベビーパッド」や診療予約システムの提供を行っています。
上場にて既存サービスの拡張の他、新規サービス拡大に向けた投資を行い、更なる事業拡大に努める模様です。
2015年12月期 | 2016年12月期 | 2017年12月期 | 2018年12月期 | 2019年12月期 | |
売上高(百万円) | 221 | 220 | 416 | 488 | 600 |
経常利益(百万円) | △61 | △115 | △0 | △17 | 33 |
当期純利益(百万円) | △62 | △117 | △12 | △19 | 71 |
純資産額 (百万円) | 308 | 191 | 179 | 160 | 284 |
BPS(円) | 224,202 | 138,879 | 130,493 | 233 | 382 |
EPS(円) | △44,910 | △85,323 | △8,561 | △28 | 98 |
自己資本比率(%) | 57.3 | 58.30 | 59 | 63.7 | 76 |
ROE(%) | – | – | – | – | 31.9 |
配当性向(%) | – | – | – | – | – |
業績は独立後右肩上がり成長を遂げています。2017年12月期を境に売上高は右肩上がりに成長しており、利益は2019年12月期で黒字に転じています。
尚、2020年12月期3Q(2020年9月)の売上高は663百万円、経常利益は93百万円と既に前期決算を超えており、順調な成長過程にあると言えます。
配当は創業来無配となっており、上場後も内部留保を優先するため当面無配が予想されています。
公募株数 | 総数165,000株 (内、公募85,000株、売出80,000株) |
OA分 | 24,700株 |
発行済み株数 | 828,000株 |
想定価格 | 3,880円(100株単位:39万円) |
仮条件 | 3,960円 ~ 4,200円 |
初値予想 | 5,000円 ~ 9,500円 |
想定PER | 約45倍 |
想定PBR | 約6倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 32億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は7億円で、時価総額が32億円と東証マザーズ上場銘柄としては小型案件です。業績が順調である他、サイズ感として初値高騰が見込める材料が多く期待が出来そうです。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
安田 啓司 | 30.01% | 180日間 |
山田 育代 | 25.88% | 180日間 |
高谷 康久 | 17.38% | 180日間or1.5倍 |
高谷コンサルティング(株) | 8.49% | 180日間 |
福島 智晴 | 2.60% | 180日間 |
オオサキメディカル(株) | 1.70% | |
大崎 将男 | 1.13% | |
三菱UFJキャピタル7号投資事業有限責任組合 | 1.13% | |
髙桑 忠久 | 0.85% | 180日間 |
佐々木 和幸 | 0.74% | 180日間 |
同社の株主構成ですが、筆頭株主は代表取締役の安田啓司氏で30%を保有する大株主です。その他役員及び従業員、取引先にて株式が保有されています。
今回の売出は安田社長を含め2名で、80,000株の売出です。
今回は公募で2.9億円の資金調達を行い、調達資金は既存システムの強化や新規サービスへの投資、人件費に充てる予定です。
尚、大株主には180日のロックアップがかかっております。一部ファンドや社外株主によってエグジットイベントが発生する可能性があるため、注意が必要でしょう。
今回は売出と公募がほぼ拮抗する案件ですが、成長が大いに見込めるため初値高騰が期待できるでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ベビーカレンダー」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | SBI証券 | 88.61% | 168,100株 |
幹事 | SMBC日興証券 | 1.74% | 3,300株 |
岩井コスモ証券 | 1.74% | 3,300株 | |
松井証券 | 1.74% | 3,300株 | |
マネックス証券 | 1.74% | 3,300株 | |
楽天証券 | 1.74% | 3,300株 | |
藍澤證券 | 0.90% | 1,700株 | |
極東証券 | 0.90% | 1,700株 | |
むさし証券 | 0.90% | 1,700株 |
今回の主幹事はSBI証券が主幹事を務めます。その他SMBC日興証券を含めた8社が幹事を務めます。
著者のまとめ
同日にはジーネクストが上場してきますが、妊産婦向けサービスと特徴がはっきりしており、同社への注目度が高くなることが容易に想像できます。初値に期待したいところです。