2020年8月7日に東証マザーズ市場へ上場する「ティアンドエス」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ティアンドエスの上場日は!?期待度は?
企業名 |
ティアンドエス |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4055 |
事業内容 |
大手企業及び半導体工場向けシステム開発・運用保守・インフラ構築、AI関連のソフトウエア開発 |
所在地 |
神奈川県横浜市 |
設立 |
2016年 |
従業員 |
264名 |
会社HP |
https://www.tecsvc.co.jp/ |
監査法人 |
双葉 |
上場日 |
2020年8月7日(金) |
主幹事 |
いちよし証券 |
BB期間 |
2020年7月20日(月)~ 2020年7月28日(火) |
価格決定日 |
2020年7月29日(水) |
購入申込期間 |
2020年7月30日(木)~ 2020年8月4日(火) |
同社は大手企業向けの半導体向けシステムの開発を行う会社です。
AI関連のソフトウェア開発と話題に上がりやすい業種で、初値高騰が十分に見込めそうな案件の上場です。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.tecsvc.co.jp/)
同社は2016年に設立しました。設立の経緯は1985年に設立したシナノシステムエンジニアリングと1996年設立のテックジャパンが新設合併したことによるものです。
両社ともソフトウェア開発請負会社で、大手企業のシステム受託開発を中心に事業を行ってきました。合併によって事業規模が拡大しており、同業者との激しい競争に立ち向かっている状況です。
事業セグメントは「ソリューション事業」と「半導体事業」、「先進技術ソリューション事業」の3セグメントで、ソリューション事業が売上全体の8割を占めています。
取引先が東芝、日立グループと大手企業となっており、高い信頼の元事業を行っています。
半導体事業では、上場を目指している元東芝メモリの「キオクシアグループ」の半導体工場への人材派遣を行っており、目先事業拡大しているセグメントです。
今後は、3つ目のセグメントである先端技術ソリューション事業を伸ばしていく方針で、AI開発を中心とした案件請負を手掛けていく模様です。
|
2016年11月期 |
2017年11月期 |
2018年11月期 |
2019年11月期 |
売上高(百万円) |
134 |
1,905 |
2,134 |
2,297 |
経常利益(百万円) |
△99 |
148 |
202 |
270 |
当期純利益(百万円) |
△70 |
110 |
146 |
184 |
純資産額 (百万円) |
5 |
115 |
271 |
455 |
BPS(円) |
3,581 |
89,481 |
172 |
288 |
EPS(円) |
△54,476 |
85,900 |
95 |
116 |
自己資本比率(%) |
0.9 |
23.2 |
42.9 |
55.7 |
ROE(%) |
– |
184.6 |
76 |
50.7 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
業績は成長基調にあります。実質は2017年11月期からの業績となりますが、売上および利益共に増収増益です。尚、2020年11月期2Q(2020年5月末)の売上高は1,111百万円、経常利益は168百万円となっています。ただし、新型コロナウイルス感染症によって、クライアントが影響を受けている模様で、同社としても影響が少なからず出てくることが想定されます。
配当はこれまで無配で、上場後も内部留保を確保するため当面無配方針です。
公募株数 |
総数247,000株 (内、公募170,000株、売出77,000株) |
OA分 |
30,000株 |
発行済み株数 |
1,750,700株 |
想定価格 |
2,650円(100株単位:27万円) |
仮条件 |
2,650円~2,800円 |
初値予想 |
4,000円~7,000円 |
想定PER |
約25倍 |
想定PBR |
約5倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
46億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は7億円で、時価総額が46億円とマザーズ上場銘柄としては小規模案件です。半導体やAIといった話題に上がる業界をカバーしているため、高い注目からの初値高騰は見込めるでしょう。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
武川 義浩 |
39.87% |
90日間 |
渡辺 照男 |
14.30% |
90日間 |
日下 理 |
10.76% |
90日間 |
遠藤 玲 |
7.03% |
90日間 |
日下 寛之 |
6.39% |
90日間 |
ティアンドエス従業員持株会 |
2.22% |
継続保有 |
木村 実 |
2.15% |
90日間 |
福田 悦生 |
1.65% |
継続保有 |
日下 藍子 |
1.46% |
90日間 |
渡辺 貴美子 |
1.27% |
90日間or1.5倍 |
同社の株主構成ですが、旧テックジャパン社長であり、同社の代表取締役である武川義浩氏が筆頭株主で40%の株式を有しています。2位は副社長の渡辺照男氏で14%を有しています。尚、3位の日下氏は元シナノシステムエンジニアリングの社長で、現在は同社の経営には関わっていないようです。
その他は、従業員を中心とした株主構成です。
今回の売出は渡辺副社長のみで、77,000株の売出を予定しています。
公募によって4億円の資金調達を実施し、研究開発費や人材採用費に充てる予定です。
大株主には90日もしくは継続保有のロックアップがかかっており、エグジットリスクは非常に少ないです。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、今後の事業拡大に向けた資金調達を軸としたIPOとなります。VC等のファンドが入っていないため、引き続き安定した事業運営を行っていくことが想定されます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ティアンドエス」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
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|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
いちよし証券 |
77.80% |
215,500株 |
幹事 |
野村證券 |
8.01% |
22,200株 |
SBI証券 |
4.44% |
12,300株 |
|
極東証券 |
2.67% |
7,400株 |
|
東洋証券 |
2.67% |
7,400株 |
|
マネックス証券 |
2.67% |
7,400株 |
|
岡三証券 |
0.87% |
2,400株 |
|
楽天証券 |
0.87% |
2,400株 |
今回の主幹事はいちよし証券が主幹事を務めます。その他野村證券を含む7社が幹事を務めます。
著者のまとめ
半導体やAIといった投資テーマとしてホットな業界をターゲットとした事業を行う同社の上場は、様々な点で関心を持たれることでしょう。初値高騰には十分のテーマであり、引き続き事業拡大が見込めそうですので、是非投資していきたいところです。