2021年6月24日に東証ジャスダックスタンダード市場へ上場する「HCSホールディングス」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
HCSホールディングスの上場日は!?期待度は?
同社はシステムインテグレーションサービスやERP支援サービス等複数事業を営む会社です。
コロナ禍において新たな生活様式・働き方が求められており、テレワークやクラウドサービス活用の需要が高まっています。DX関連銘柄として注目されている会社の上場となります。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | HCSホールディングス |
上場市場 | 東証JQスタンダード市場 |
銘柄コード | 4200 |
事業内容 | 情報サービス事業、ERP事業、デジタルマーケティング事業を営むグループ会社の経営管理およびそれに関連する業務 |
所在地 | 東京都江東区 |
設立 | 2016年 |
従業員 | 428名 |
会社HP | https://www.hcs-hd.co.jp/ |
監査法人 | 三優 |
上場日 | 2021年6月24日(木) |
主幹事 | SBI証券 |
BB期間 | 2021年6月9日(水)~ 2021年6月15日(火) |
価格決定日 | 2021年6月16日(水) |
購入申込期間 | 2021年6月17日(木)~ 2021年6月22日(火) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.hibiya-cs.co.jp/solution/salesforce)
同社は2016年に設立された持株会社ですが、創業は1970年に遡ります。当時ミシンメーカーとして存在していたリッカー株式会社の100%子会社として設立された株式会社日比谷電算センターが同社のスタートです。
その後事業体の異なる会社を設立し、2016年に同社を設立後傘下入りとし、現在連結子会社6社、持分法適用関連会社1社で運営されています。
同社は主に3セグメントで運営されています。まず1つ目は「情報サービス事業」です。祖業でもあり、サービスとしては「システムインテグレーションサービス」と「マスターファイルソリューションサービス」の2本で運営されています。システムの基本設計から開発、保守運用まで手がけており、電力や航空等の基幹システムの構築を手がけた実績があります。近年では利用者が増えている米・Salesforce向け開発も手がけています。
2つ目は「ERP事業」です。主に独・SAP社のERPシステムを顧客向けに開発保守を手がけています。一部SAPシステムのヘルプデスク業務を担っており、SAPシステムにおいて国内でも屈指のパートナーとなっています。
3つ目は「デジタルマーケティング事業」です。近年増加しているデジタルマーケティング需要に合わせて、Google広告の取引等を支援しています。
海外有力のベンダーとのアライアンスを結んでおり、そのノウハウを生かした事業拡大を狙っていく模様です。
2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
売上高(百万円) | 410 | 538 | 4,436 | 4,748 |
経常利益(百万円) | 77 | 68 | 174 | 367 |
当期純利益(百万円) | 46 | 38 | 104 | 284 |
純資産額 (百万円) | 1,979 | 1,995 | 2,103 | 2,362 |
BPS(円) | 3,664 | 3,695 | 968 | 1,085 |
EPS(円) | 86 | 70 | 48 | 131 |
自己資本比率(%) | 93 | 95 | 55 | 59.1 |
ROE(%) | 2.2 | 1.9 | 5 | 12.8 |
配当性向(%) | 46.5 | 71.2 | 37.1 | 56.8 |
業績は順調に推移しています。持株会社に移行してから年数が少なく、また2019年3月期より連結決算となっていることから単純比較はできないものの、足元の売上高・利益共に増収増益基調です。
尚、2021年3月期3Q(2020年12月)の売上高は3,497百万円、経常利益は310百万円と推移しており、前期決算を上回る勢いです。
配当はこれまで出してきており、前期の配当性向は56.8%でした。上場後も必要な内部留保を確保しつつも配当を出していく方針です。配当利回りは約1%程度と予想されています。
公募株数 | 総数630,000株 (内、公募360,000株、売出270,000株) |
OA分 | 94,500株 |
発行済み株数 | 2,520,000株 |
想定価格 | 1,730円(100株単位:17万円) |
仮条件 | 1,660円 ~1,800円 |
初値予想 | 1,900円 ~2,500円 |
想定PER | 約15倍 |
想定PBR | 約1倍 |
配当利回り | 1.0% |
想定時価総額 | 44億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は12.5億円で、時価総額が43.5億円と東証ジャスダックスタンダード上場銘柄としては中型案件です。DX関連銘柄として初値は高く出てくることが予想されています。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
宮本 公 | 19.19% | 180日間 |
日本ユニシス(株) | 14.23% | 180日間 |
(株)東陽建物 | 7.76% | 180日間 |
HCSホールディングス従業員持株会 | 5.62% | 180日間 |
牟田口 陽介 | 4.73% | 180日間 |
AGキャピタル(株) | 4.59% | 90日間or1.5倍 |
沖電気工業(株) | 4.59% | |
(株)きんでん | 4.59% | 180日間 |
田上 泰利 | 2.29% | |
加藤 俊彦 | 2.23% | 180日間 |
同社の株主構成ですが、同社取締役会長である宮本公氏が筆頭株主で、同社株の19%を有しています。その他、取引先や役員・従業員、一部ファンドが株主として名を連ねています。
今回の売出は、宮本会長と沖電気工業株式会社の2者で、計270,000株の売出を行います。
今回は公募で5.7億円の資金調達を行い、調達資金はDX拡充等の運転資金や借入金の返済に充てる予定です。
尚、大株主には180日のロックアップもしくは90日及び公募価格1.5倍のロックアップがかかっており、当面は大株主によるエグジットリスクは低いでしょう。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、事業拡大に向けた資金獲得を軸としています。需要が引き続き見込める業界であるため初値はある程度期待できるでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「HCSホールディングス」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | SBI証券 | 86.94% | 629,900株 |
幹事 | みずほ証券 | 4.35% | 31,500株 |
丸三証券 | 1.74% | 12,600株 | |
水戸証券 | 1.74% | 12,600株 | |
岩井コスモ証券 | 0.87% | 6,300株 | |
エイチ・エス証券 | 0.87% | 6,300株 | |
東海東京証券 | 0.87% | 6,300株 | |
東洋証券 | 0.87% | 6,300株 | |
むさし証券 | 0.87% | 6,300株 | |
藍澤證券 | 0.44% | 3,200株 | |
極東証券 | 0.44% | 3,200株 |
今回の主幹事はSBI証券が主幹事を務めます。その他みずほ証券を含めた10社が幹事を務めます。
著者のまとめ
同日に他3社上場してくるため、投資資金は分散することが予想されますが、引き続きIPO市場は活況であるため、初値には期待できるでしょう。