2020年9月28日に東証マザーズ市場へ上場する「rakumo〔ラクモ〕」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
rakumoの上場日は!?期待度は?
企業名 |
rakumo(ラクモ) |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4060 |
事業内容 |
企業向けクラウド型グループウェア製品「rakumo」の開発・販売等 |
所在地 |
東京都千代田区 |
設立 |
2004年 |
従業員 |
90名 |
会社HP |
https://corporate.rakumo.com/ |
監査法人 |
トーマツ |
上場日 |
2020年9月28日(月) |
主幹事 |
みずほ証券 |
BB期間 |
2020年9月8日(火)~ 2020年9月14日(月) |
価格決定日 |
2020年9月15日(火) |
購入申込期間 |
2020年9月16日(水)~ 2020年9月23日(水) |
同社は企業向けのクラウドグループウェア製品「rakumo」を提供するSaaS企業です。
主にビジネスに使われているSaaSである、G SuiteやSalesforceに連携するためのアドオンソフトウェアに強みを持っており、テレワークの流れから注目を集めている事業となります。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://rakumo.com/product/gsuite/)
同社は2004年に元NTT出身の御手洗大祐氏によって設立されました。御手洗社長はNTT時代にECシステムの開発を米国ベンチャーと共同で行うなど経験が豊富で、その後独立して今日に至ります。
インターネットベンチャーとしては老舗に当たる同社ですが、2013年にネットイヤーグループの連結子会社となったものの2017年に資本関係を解消し、今回上場に至っているなど特色がある会社です。
同社のメイン事業は企業向けSaaSサービスです。Googleが運営する「G Suite」やSalesforce向けのグループウェア「rakumo」を提供しており、上場時点でクライアント数は1,939社に導入されています。
主に企業におけるアドレス帳管理や出退勤管理、電子稟議サービスといった運営に関わるシステムをクラウド上で利用することができるためのグループウェアを開発しています。同社の強みは1IDあたり数百円と導入コストが安く、また様々なアプリケーションとの連結がしやすいという特徴があり、ベンチャー企業を中心に着実に顧客数を伸ばしてきました。
法人向けクラウドサービスは一度導入してしまうと、他のサービスにスイッチングするコストが高くなることが多く、解約されにくいという特徴があるため、今後のクライアント数の増加に伴い業績が右肩上がり伸びていくことが想定されます。
|
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
2019年12月期 |
売上高(百万円) |
239 |
285 |
262 |
534 |
665 |
経常利益(百万円) |
△2 |
△0 |
△20 |
△14 |
20 |
当期純利益(百万円) |
△3 |
△2 |
△51 |
△9 |
△38 |
純資産額 (百万円) |
△103 |
△105 |
43 |
33 |
55 |
BPS(円) |
△2,852 |
△2,909 |
△10,345 |
△105 |
△95 |
EPS(円) |
△70 |
△57 |
△1,810 |
△5 |
△22 |
自己資本比率(%) |
△70.8 |
△62.4 |
10.4 |
7.3 |
10.6 |
ROE(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績はまずまずといったところです。2017年12月期より決算期変更があったため単純比較はできませんが、売上高は増加傾向にあります。また利益に関しては2019年12月期に黒字化となってきており、今後の動向が楽しみな状況です。
尚、2020年12月期2Q(2020年6月末)の売上高は385百万円、経常利益は42百万円とすでに前期を上回る可能性が高い状況です。新型コロナウイルスの影響を受けている企業が多いですが、テレワークの拡大によって同社のビジネスには追い風となっています。
配当はこれまで無配で、上場後も当面は無配を続ける方針です。
公募株数 |
総数1,326,000株 (内、公募266,400株、売出1,059,600株) |
OA分 |
198,900株 |
発行済み株数 |
5,292,900株 |
想定価格 |
1,100円(100株単位:11万円) |
仮条件 |
1,100円~1,250円 |
初値予想 |
2,500円~4,000円 |
想定PER |
なし |
想定PBR |
約19倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
58億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は17億円で、時価総額が58億円と東証マザーズ上場銘柄としては小規模案件です。まだ業績面では小さい状況ですが、拡大余地があるため初値には期待したいところです。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
MICイノベーション4号投資事業有限責任組合 |
21.58% |
90日間or1.5倍 |
御手洗 大祐 |
19.36% |
180日間 |
アイ・マーキュリーキャピタル(株) |
10.17% |
90日間or1.5倍 |
田近 泰治 |
9.97% |
180日間 |
BIG1号投資事業有限責任組合 |
9.71% |
90日間or1.5倍 |
Spiral Capital Japan Fund 1号投資事業有限責任組合 |
9.15% |
90日間or1.5倍 |
(株)創世 |
6.90% |
180日間 |
HENNGE(株) |
3.23% |
180日間 |
高間 徹 |
2.04% |
90日間or1.5倍 |
(株)日本政策金融公庫 |
1.02% |
|
同社の株主構成ですが、VCのモバイル・インターネット・キャピタルが運営するVCファンドが22%を有する大株主で、同社社長の御手洗社長は19%と2位です。
主な株主にVCや事業会社が多く占めていますが、元々ネットイヤーグループより独立した経緯があるため、株主の変遷を経て今の形となっています。
今回の売出は御手洗社長とVCを含めた6者で、1,059,600株の売出を予定しています。
公募によって2.6億円の資金調達を実施し、人材採用費や広告宣伝費や販促費、新サービス開発費用に充てる予定です。
大株主にはロックアップがかかっていますが、VCが多く上場後エグジットリスクに晒される可能性があります。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件で、VCのエグジットイベントがメインの上場となります。事業としては今後の成長が期待できるため、初値高騰に期待できます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「rakumo」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
みずほ証券 |
86.99% |
1,326,500株 |
幹事 |
東海東京証券 |
4.35% |
66,300株 |
野村證券 |
2.17% |
33,100株 |
|
SBI証券 |
1.30% |
19,800株 |
|
いちよし証券 |
0.87% |
13,200株 |
|
岩井コスモ証券 |
0.87% |
13,200株 |
|
丸三証券 |
0.87% |
13,200株 |
|
岡三証券 |
0.87% |
13,200株 |
|
東洋証券 |
0.43% |
6,600株 |
|
水戸証券 |
0.43% |
6,600株 |
|
楽天証券 |
0.43% |
6,600株 |
|
松井証券 |
0.43% |
6,600株 |
今回の主幹事はみずほ証券が主幹事を務めます。その他東海東京証券を含む11社が幹事を務めます。
著者のまとめ
同じクラウドサービスをビジネスモデルとした会社が複数上場していますが、いずれも初値高騰後株価は高値で推移しています。法人向けの事業を行う同社のビジネスは比較的硬いといえるため、初値高騰に期待です。