2021年7月27日に東証マザーズ市場へ上場する「サーキュレーション」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
サーキュレーションの上場日は!?期待度は?
同社は経営に関するプロ人材と企業を結ぶ「プロシェアリング」を手がける会社です。
ビジネスコンサルティングに近い領域でのマッチングビジネスということで、非常に人気が出やすい案件の上場となるでしょう。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | サーキュレーション |
上場市場 | 東証マザーズ市場 |
銘柄コード | 7379 |
事業内容 | プロ人材の経験・知見を活用して経営課題の解決を支援する「プロシェアリングコンサルティング」、他 |
所在地 | 東京都渋谷区 |
設立 | 2014年 |
従業員 | 180名 |
会社HP | https://circu.co.jp/ |
監査法人 | トーマツ |
上場日 | 2021年7月27日(火) |
主幹事 | みずほ証券 |
BB期間 | 2021年7月7日(水)~ 2021年7月13日(火) |
価格決定日 | 2021年7月14日(水) |
購入申込期間 | 2021年7月15日(木)~ 2021年7月20日(火) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://circu.co.jp/pro-sharing/)
同社は2014年に設立された会社で、パーソルキャリア(旧インテリジェンス)にて新規事業立ち上げを行なった経験のある久保田雅俊氏によって設立されています。
同社は「プロシェアリング事業」の単一セグメントで運営されています。プロシェアリングとは同社の造語であり、ビジネスの主軸となるものです。一般的なビジネスコンサルティングとは異なり、各々必要としているビジネス周りの事象に対して、各々専門性を有したプロ人材を「シェアリング」するといったものとなっています。
その中でもサービスとして4つに分かれています。まず一つ目は「プロシェアリングコンサルティングサービス」です。主力サービスとなっているもので、主に経営課題を解決するためのプロ人材をシェアリングするためのマッチングサービスです。優秀な人材を従業員として確保しにくい今日、フリーランス等で動かれているプロ人材を「準委任契約」等の形で各顧客と契約を締結することで、短期間でのプロ人材の確保を行えることになります。
対応領域は広く、新規事業開発支援や品質改善、人事、マーケティング等幅広く、現在17,116名の登録済みプロ人材を顧客が活用できるようになっています。
その他、DX等プロエンジニア支援を行う「FLEXY」サービスや、新規事業開発に特化した「Open Idea」サービス、事業承継新を行う「人が繋ぐ事業承継」サービスの4サービスを手掛けています。
日本においては、経営に課題を有した中小企業が多く、一方で優秀な人材による指導がなされる体制構築が難しいという背景から、短期間での関わりによって経営改善に努めることができるプロシェアリングへのニーズは高いでしょう。
2016年7月期 | 2017年7月期 | 2018年7月期 | 2019年7月期 | 2020年7月期 | |
売上高(百万円) | 782 | 1,356 | 2,021 | 3,003 | 3,996 |
経常利益(百万円) | 29 | 107 | 65 | 27 | △140 |
当期純利益(百万円) | 20 | 69 | 43 | 17 | △109 |
純資産額 (百万円) | 45 | 114 | 159 | 177 | 67 |
BPS(円) | 44,908 | 114,217 | 156,395 | 25 | 9 |
EPS(円) | 20,345 | 69,309 | 43,022 | 2 | △15 |
自己資本比率(%) | 20 | 22 | 23 | 20 | 4 |
ROE(%) | 58.6 | 87.1 | 34.4 | 10.2 | – |
配当性向(%) | – | – | – | – | – |
業績は順調に伸ばしています。売上高は5期連続で増収となっており極めて順調に推移しています。一方利益は減益基調で、20年7月期は赤字に転落しています。ただし、事業拡大のための先行投資が嵩んでいると見られているため心配はないでしょう。
尚、2021年7月期3Q(2021年4月)の売上高は3,951百万円、経常利益は367百万円となっており、通期着地は前期を上回る模様です。
配当はこれまで無配で、上場後も内部留保の確保を優先するため当面無配が予想されています。
公募株数 | 総数2,124,000株 (内、公募1,020,000株、売出1,104,000株) |
OA分 | 318,600株 |
発行済み株数 | 8,153,000株 |
想定価格 | 1,610円(100株単位:16万円) |
仮条件 | 1,610円 ~1,810円 |
初値予想 | 2,500円 ~3,600円 |
想定PER | 約-倍 |
想定PBR | 約8倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 131億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は39億円で、時価総額が131億円と東証マザーズ上場銘柄としては中型案件です。事業柄高い評価を集める規模感です。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
久保田 雅俊 | 58.93% | 180日間 |
(株)ニューアイデンティティクリエイション | 31.95% | 180日間 |
山口 征人 | 1.84% | 180日間 |
福田 悠 | 1.80% | 180日間 |
村上 亮太 | 0.73% | 継続保有 |
鈴木 亮裕 | 0.50% | 継続保有 |
柳田 直人 | 0.41% | 継続保有 |
信澤 みなみ | 0.37% | 継続保有 |
笹島 敦史 | 0.37% | 継続保有 |
赤羽 宏之 | 0.37% | 継続保有 |
同社の株主構成ですが、久保田社長が筆頭株主で、同社株の59%を有しています。資産管理会社の保有分32%分を合わせると実質同社株の91%を有していることになります。その他は役員・従業員が中心で、ファンドの保有はありません。
今回の売出は久保田社長を含めた4者で、計1,104,000株の売出です。売出後も久保田社長がオーナーであることには代わりありません。
今回は公募で15億円の資金調達を行い、調達資金は本社スタッフの人材採用費やシステム開発費に充てる予定です。
大株主には180日のロックアップ制限がかかっており、エグジットリスクは極めて低いです。
今回は売出が公募をやや上回るエグジット案件ですが、流動性の確保や事業成長につなげる投資資金確保を目指している模様です。業績も順調に推移しており、期待が持てそうです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「サーキュレーション」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | みずほ証券 | 87.84% | 2,145,700株 |
幹事 | 大和証券 | 2.61% | 63,700株 |
野村證券 | 1.74% | 42,400株 | |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 1.74% | 42,400株 | |
SBI証券 | 1.74% | 42,400株 | |
岡三証券 | 0.87% | 21,200株 | |
いちよし証券 | 0.87% | 21,200株 | |
東海東京証券 | 0.87% | 21,200株 | |
岩井コスモ証券 | 0.87% | 21,200株 | |
楽天証券 | 0.87% | 21,200株 |
今回の主幹事はみずほ証券が主幹事を務めます。その他を大和証券含めた9社が幹事を務めます。
著者のまとめ
マッチングビジネスへの期待が高い中、プロ人材のマッチングといった伸び代の大きい会社の上場となるため極めて高い期待を持たれるでしょう。