2019年12月16日に東証マザーズ市場へ上場する「JMDC(ジェイエムディーシー)」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
JMDCの上場日は!?期待度は?
企業名 |
JMDC(ジェイエムディーシー) |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4483 |
事業内容 |
医療データベースの構築と提供、PHR等の健康増進サービス、画像診断等の遠隔医療及び調剤薬局へのデジタルソリューションの提供等 |
所在地 |
東京都港区 |
設立 |
2013年 |
従業員 |
469名 |
会社HP |
https://www.jmdc.co.jp/ |
監査法人 |
PwCあらた |
上場日 |
2019年12月16日(月) |
主幹事 |
野村證券 |
BB期間 |
2019年12月2日(月)~2019年12月5日(木) |
価格決定日 |
2019年12月6日(金) |
購入申込期間 |
2019年12月9日(月)~2019年12月12日(木) |
同社はヘルスケア領域におけるデータベース構築および提供を行う会社です。
医療におけるビックデータの収集から提供を行い、医療のデジタル化に寄与している会社です。上場案件が集中する2020年12月上場銘柄の中でも注目されている1社です。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.jmdc.co.jp/service/bigdata/)
同社は2013年に設立した会社ですが、元々は2002年に創業した㈱日本医療データセンターが起源となっています。親会社の変更や合併等を経ていますが、現在は上場会社のノーリツ鋼機㈱の子会社となっています。
同社のビジネスは、医療分野におけるデータを、ICTの力で有益な情報として提供することです。医療費の増大や医療の地域格差、生活習慣病の増加など、医療における悩みが尽きない日本ですが、一方でこれまで蓄積した有益なデータを活用できていないのが現実問題としてあります。
そこで同社はヘルスケアビッグデータ事業として、健康保険組合より個人が特定されない形でレセプトデータや健診データを収集し、医療機関や製薬メーカー等に提供することで、これまで見えていなかった部分の医療分野における課題や傾向を提供することができています。
その他、ビッグデータの活用を踏まえて遠隔画像診断システムや調剤薬局向けシステムの支援を行っており、ヘルスケア事業のICT化に寄与する会社として重要なポジションを確立しています。
上場後も引き続き、期待されている医療データ関連市場における優位性を強化しつつ、遠隔画像診断事業を強化し、医療における地域格差の改善に努めていく方針です。
売上や成長性は?
|
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
売上高(百万円) |
1,849 |
2,005 |
2,215 |
3,022 |
10,064 |
経常利益(百万円) |
438 |
450 |
561 |
596 |
1,410 |
当期純利益(百万円) |
315 |
247 |
160 |
390 |
1,010 |
純資産額 (百万円) |
820 |
1,068 |
1,229 |
1,752 |
6,117 |
BPS(円) |
186,334 |
243,029 |
279,947 |
201 |
265 |
EPS(円) |
72,406 |
56,695 |
36,919 |
45 |
48 |
自己資本比率(%) |
25 |
31.4 |
34.7 |
33.3 |
32.3 |
ROE(%) |
48.2 |
26.4 |
14.1 |
25.1 |
25.7 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は堅調な伸びです。売上・利益共に5期連続増収増益です。特に2019年3月期は子会社の連結化などの影響もあり急激に業績を伸ばしています。なお、2020年3月期2Q(2019年9月末・IFRS)の売上高は5,626百万円、税引前四半期利益は855百万円と順調に伸ばしています。配当はこれまで無配としてきており、当面も内部留保を確保のため無配としています。
公募株数 |
総数5,100,000株 (内、公募2,000,000株、売出3,100,000株) |
OA分 |
765,000株 |
発行済み株数 |
25,975,042株 |
想定価格 |
2,780円(100株単位・28万円) |
仮条件 |
2,780円~2,950円 |
初値予想 |
2,650円~3,000円 |
想定PER |
約72倍 |
想定PBR |
約6倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
722億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は163億円で、時価総額が722億円です。東証マザーズー上場銘柄としては、大規模寄りのサイズで初値高騰は見込みにくいでしょう。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
ノーリツ鋼機㈱ |
77.26% |
90日間 |
松島 陽介 |
5.37% |
90日間 |
山元 雄太 |
4.38% |
90日間 |
杉田 玲夢 |
1.94% |
90日間 |
㈱PKSHA Technology |
1.75% |
継続保有 |
木村 真也 |
1.29% |
90日間 |
上沢 仁 |
0.82% |
90日間 |
長谷川 雅子 |
0.67% |
90日間 |
岡山 太郎 |
0.42% |
90日間 |
松本 孝 |
0.34% |
|
同社の大株主は、親会社のノーリツ鋼機㈱、で同社株の77%を保有し、連結子会社としています。その他役員や従業員が株式を保有していますが、上場会社でAI開発等行う㈱PKSHA Technologyが一部出資をしています。
今回の売出はノーリツ鋼機㈱のみが実施し、発行株数の12%に当たる310万株の売出を行います。
公募は51億円の資金調達で、既存事業におけるデータ事業に関するものや子会社向けの基幹システム改善及び人件費等に充当する予定です。大半の大株主には90日のロックアップ条項がついており、既存株主によるエグジットリスクは低いです。
今回は売出が公募よりもやや上回るエグジット案件となり、大株主であるノーリツ鋼機による売出を行うことを中心としたIPOとなります。しかし、上場後もノーリツ鋼機の連結子会社として同社は運営されるため、売りが一巡すれば資金が入ってくる可能性はあります。長期的な目線が必要でしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「JMDC」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
野村證券 |
82.61% |
4,845,000株 |
幹事 |
みずほ証券 |
5.22% |
306,000株 |
SMBC日興証券 |
5.22% |
306,000株 |
|
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
5.22% |
306,000株 |
|
SBI証券 |
1.30% |
76,500株 |
|
マネックス証券 |
0.43% |
25,500株 |
今回の主幹事は野村證券が主幹事を務めます。またみずほ証券を含めた大手5社が幹事を務めます。
著者のまとめ
マザーズ銘柄としては規模が大きいため、初値高騰が見込みにくい案件ですが、医療のICT化に寄与する銘柄として市場では人気化する可能性は高いです。12月16日には複数銘柄が上場してくるため、どの様な動きとなるかは不明瞭ですが、動きを見ていきたいです。
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