2021年8月20日に東証マザーズ市場へ上場する「フューチャーリンクネットワーク」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
フューチャーリンクネットワークの上場日は!?期待度は?
同社は地域向けメディアのプラットフォームを提供する会社です。
公共性の高い事業ながら、プラットフォーマーとして事業拡大してきた会社で、初値高騰にも期待できそうな会社といえましょう。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | フューチャーリンクネットワーク |
上場市場 | 東証マザーズ市場 |
銘柄コード | 9241 |
事業内容 | 地域情報プラットフォーム「まいぷれ」の構築・運営、ふるさと納税支援業務及び官民協働ポータル・地域共通ポイント運営等の官民協業事業受託、マーケティング支援業務 |
所在地 | 千葉県船橋市 |
設立 | 2000年 |
従業員 | 91名 |
会社HP | https://www.futurelink.co.jp/ |
監査法人 | 千葉第一 |
上場日 | 2021年8月20日(金) |
主幹事 | 岡三証券 |
BB期間 | 2021年8月2日(月)~ 2021年8月6日(金) |
価格決定日 | 2021年8月10日(火) |
購入申込期間 | 2021年8月12日(木)~ 2021年8月17日(火) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.futurelink.co.jp/business/)
同社は2000年にリクルート出身の石井丈晴氏によって設立されました。リクルートへ新卒で入社後人事部を経験し、地域活性化をテーマとした事業を手がけるべく独立した経歴をもちます。
同社は主に3つのセグメントで運営されています。1つ目は「地域情報流通事業」です。こちらは、地域の中小事業者を対象に、各地域の専門スタッフによって情報発信を行う事業を手掛けています。具体的には、地域情報プラットフォーム「まいぷれ」を運営しており、自社のみならず各地域の運営パートナー会社と協業し、地域のコミュニティ情報を発信できるような体制を構築しています。現在148社の運営パートナー企業と46都道府県、736市区町村の地域で事業展開しています。
2つ目は「公共ソリューション事業」で、主に地方自治体や国を対象とした、官民協働ポータルの運営を行なっています。近年では地域共通ポイントの運営受託やふるさと納税業務支援を手掛けており、自治体で不足するノウハウを提供する体制を作っています。
3つ目は「マーケティング支援事業」で、地域の中小事業者向けにWebマーケティング支援やイベント企画等を手掛けています。
地方創生への動きが高まっている中、インターネットを活用したマーケティングに弱みを持つ地方の自治体や企業が多く、ノウハウを有した同社が今後成長していく素地が整っている状況です。
2017年2月期 | 2017年8月期 | 2018年8月期 | 2019年8月期 | 2020年8月期 | |
売上高(百万円) | 550 | 269 | 635 | 1,075 | 1,135 |
経常利益(百万円) | 35 | △53 | △54 | 1 | 42 |
当期純利益(百万円) | 21 | △66 | △62 | 17 | 39 |
純資産額 (百万円) | 80 | 14 | △47 | △30 | 9 |
BPS(円) | 11,404 | 2,038 | △1,350 | △43 | 13 |
EPS(円) | 3,125 | △9,367 | △1,758 | 24 | 56 |
自己資本比率(%) | 21 | 5 | △24.7 | △9.5 | 2 |
ROE(%) | 45.8 | – | – | – | – |
配当性向(%) | – | – | – | – | – |
業績は順調に伸びている状況です。2017年8月期より決算期が変更しているため単純比較はできませんが、売上高は順調に成長しています。利益についても極めて高い状況ではないものの黒字となっています。
尚、2021年8月期3Q(2021年5月)の売上高は1,050百万円、経常利益は112百万円となっており、利益は既に前期を大きく上回っています。
配当はこれまで無配で、上場後も当面は内部留保の確保のため無配が予想されています。
公募株数 | 総数242,500株 (内、公募80,000株、売出162,500株) |
OA分 | 36,300株 |
発行済み株数 | 783,000株 |
想定価格 | 2,230円(100株単位:22万円) |
仮条件 | 2,230円 ~2,470円 |
初値予想 | 2,800円 ~5,000円 |
想定PER | 約44倍 |
想定PBR | 約10倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 17億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は6億円で、時価総額が17億円と東証マザーズ上場銘柄としては小型案件です。公共性が高く規模も小さいと初値高騰の可能性が極めて高い案件でしょう。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
㈱石井本店 | 39.26% | 180日間 |
石井 丈晴 | 13.02% | 180日間 |
岡田 亮介 | 9.59% | 180日間 |
板倉 正弘 | 8.94% | 180日間 |
片町 吉男 | 8.22% | 180日間 |
大日本印刷㈱ | 8.18% | |
室川 敏治 | 4.58% | |
中島 繁 | 0.65% | |
田中 悦郎 | 0.65% | |
鵜飼 一美 | 0.65% |
同社の株主構成ですが、石井社長の資産管理会社が筆頭株主で、同社株の39%を有しています。個人保有分を合わせると過半数51%以上を有しています。その他は役員・従業員が株主となっており、一部大日本印刷も株式を保有しています。
今回の売出は石井社長や大日本印刷を含めた5者で、計162,500株の売出です。大日本印刷は当該売出で全株売却します。
今回は公募で1.6億円の資金調達を行い、調達資金は人材採用費や人件費に充てる予定です。
大株主のうち上位5位までには180日のロックアップ制限がかかっています。株主にファンドの存在はなく、エグジットリスクは極めて低いでしょう。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、人材採用費に充てる目的のため、事業成長のためのIPOといえましょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「フューチャーリンクネットワーク」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | 岡三証券 | 88.81% | 247,600株 |
幹事 | SBI証券 | 2.58% | 7,200株 |
SMBC日興証券 | 2.15% | 6,000株 | |
ちばぎん証券 | 0.86% | 2,400株 | |
楽天証券 | 0.86% | 2,400株 | |
エイチ・エス証券 | 0.86% | 2,400株 | |
むさし証券 | 0.86% | 2,400株 | |
東海東京証券 | 0.86% | 2,400株 | |
極東証券 | 0.43% | 1,200株 | |
東洋証券 | 0.43% | 1,200株 | |
松井証券 | 0.43% | 1,200株 | |
マネックス証券 | 0.43% | 1,200株 | |
水戸証券 | 0.43% | 1,200株 |
今回の主幹事は岡三証券が主幹事を務めます。その他をSBI証券含めた12社が幹事を務めます。
著者のまとめ
地域創生銘柄として、多くの投資ファンドから注目を集める可能性が高いでしょう。事業としても着実な成長を見せているなど期待感は高く、小規模案件という初値高騰の要因も十分に備えたIPO銘柄となりそうです。
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