2017年12月18日に東証マザーズ市場へ上場する「ナレッジスイート」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ナレッジスイートの上場日は!?期待度は?どんな会社か簡単にPR
企業名 |
ナレッジスイート |
上場市場 |
東証マザーズ市場 |
銘柄コード |
3999 |
事業内容 |
クラウドコンピューティング形式で提供されるグループウェアを含むSFAやCRM等の営業支援システム開発・販売 |
所在地 |
東京都港区 |
設立 |
2006年 |
従業員 |
49名 |
会社HP |
|
監査法人 |
トーマツ |
上場日 |
2017年12月18日(月) |
主幹事 |
いちよし証券 |
BB期間 |
2017年11月30日(木)~2017年12月6日(水) |
価格決定日 |
2017年12月7日(木) |
購入申込期間 |
2017年12月11日(月)~2017年12月14日(木) |
同社は中小企業向けの営業支援システムの開発・販売を行う企業です。
大手企業であれば自社で多額の投資を行い、営業支援システムの整備することが可能ですが、中小企業の場合、自社に見合った機能を有したシステムの開発には莫大な費用が掛かったり、費用対効果が見込めないなど大企業との効率格差が開いているのが現実です。
そこで同社はこれらの中小企業の悩みの種である点を支援するシステムを提供することで解決しています。日本の99%が中小企業ということもあり、非常に裾野が広い分野でのビジネス展開を行っています。
どんなことをしている会社なの?(会社のサービスを詳しく)
同社は中小企業向けの営業支援システムの開発・販売を行うシステムベンダーです。
経営理念にもある「Change The Business~中小企業のビジネスを変え、日本経済の活性化に貢献する~」ということからも、日本企業の99%を占める中小企業向けのシステムの提供を行っています。
同社の企業ビジョンに「脳の記憶補助装置を開発する会社」を挙げていますが、クラウドサービスを通じて社員の知識やノウハウの「可視化」を行い、企業の「資産」に繋げることで中小企業の発展に寄与することを考えています。そのために同社の営業支援システムが大きな影響を与えることができます。
同社の売上の7割を占める「クラウドサービス」ではグループウェアや名刺管理システム等を統合した営業マーケティングシステムの開発・販売を行っています。同社内で開発を行った上で中小企業向けに営業活動を行い、システム導入につなげていきます。自社内で全て完結することができるため、企業それぞれに合わせたサービスを質高く行うことができます。
商品としては営業活動における商談管理のためのSFA(Sales Force Automation)と顧客管理のためのCRM(Customer Relationship Management)、グループウェアの全てを統合したものとして「ナレッジスイート(Knowledge Suite)」を提供しています。
クラウド型のシステムで、商談内容やスケジュール、顧客情報などを全てPCやスマホで確認することができ、営業の可視化が図ることができます。今まで紙や頭で管理するしかなかった中小企業でも気軽に導入することで営業効率の向上を図れることができます。
また、GPS機能および地図機能と連携し、営業先の顧客との関係性や所在地等を確認することが可能なシステムの「GEOCRM」も提供しています。
多数の同社の特許技術を組み込まれており、スマホやタブレット、PCがあればどこでも確認することができます。営業効率を求める中小企業の営業マンには大いに役立つ機能を備えています。
これらのシステムは、導入コスト0円で継続利用における利用料の支払で済むため、中小企業でも気軽に導入することができます。またクラウドサービスのため常に最新の機能をアップデートすることが可能なため、最新の営業支援システムを使い続けることができます。
一度この機能を導入すると、企業としては他に変える作業が難しいため、利用顧客数の増加は同社の中長期成長を見込めるストックビジネスであることが分かります。
また同社はこれらのクラウドサービスを活用しながらも、顧客に対して課題としているニーズに対するコンサルティングを行う「ソリューションサービス」も行っております。特にWebサービスの必要性を感じているものの知識に乏しい中小企業の顧客に対して最適化を行うなど、ビジネスチャンスを拡大しています。
同社は上記のように顧客に対してクラウドサービスを展開しています。また同社のシステムだけでなく他社のソフトウェアと連携するなどし利便性の拡大にも努めています。
同社は2006年に現社長の稲葉雄一氏によって設立された「旧ブライドダイアログ社」が発端です。創業以来法人向けクラウドサービスを提供しています。
売上や成長性は?(財務、成長性、配当、優待、競合など)
同社は拡大傾向にあります。
売上については5期連続の増収を記録しています。創業以来のクラウドサービスの利用者増加が売上拡大に寄与しています。一方利益については赤字と黒字の行き来をしています。機能拡大のための投資や販促費用にコストが掛かっているための結果ですが、業容拡大中の同社にとっては必要な投資であることは理解できます。
同社はOEMとして大株主にもなっているKDDI向けに同社サービスを提供しており、売上依存度が高くなっています。他に電通とも提携していますが、契約変更によっては業績に大きな変動がでる可能性があります。
同社は創業以来配当の支払をしておりません。利益についても安定している状況ではないので引き続き内部留保を優先した経営になることが想定されます。配当狙いではなく株価の値上がりに期待です。
公募株数 |
総数295,000株 (内、公募240,000株、売出55,000株) |
OA分 |
44,200株 |
発行済み株数 |
2,377,400株 |
想定価格 |
2,000円(100株単位・20万円) |
仮条件 |
1,800円 ~ 2,000円 |
初値予想 |
3,500円~5,000円 |
想定PER |
なし |
想定PBR |
約7倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
48億円 |
今回のIPOによって市場より吸収される金額が7億円ほどと小さく、初値高騰に期待できます。公募株が多い資金調達メインのIPOということもあり、大きな成長を期待できる銘柄であるといえます。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
稲葉 雄一 |
30.44% |
90日間or1.5倍 |
KDDI(株) |
15.18% |
90日間or1.5倍 |
スターティア(株) |
9.80% |
90日間or1.5倍 |
ジェイズ・コミュニケーション(株) |
7.20% |
90日間or1.5倍 |
ジャフコ・スーパーV3共有投資事業有限責任組合 |
7.20% |
90日間or1.5倍 |
飯岡 晃樹 |
5.07% |
90日間or1.5倍 |
岡原 達也 |
4.90% |
90日間or1.5倍 |
柳沢 貴志 |
4.90% |
90日間or1.5倍 |
稲葉 貴美子 |
4.34% |
90日間or1.5倍 |
DBJキャピタル投資事業有限責任組合 |
2.86% |
90日間or1.5倍 |
大株主を見ると筆頭株主が稲葉社長30%で、提携先の企業として大手携帯キャリアKDDIが15%ほどの株式を有する大株主第2位に位置しています。その他提携企業と役員、従業員等で構成されています。中にはVCのジャフコやDBJキャピタルが食い込んでいるため、上場を期待した投資がなされていたことが分かります。
今回大株主に対して90日もしくは公開価格1.5倍以上のロックアップ制限がかかっております。この手の上場は初値高騰が期待できます。
売出は大株主であるスターティアとジェイズコミュニケーション、DBJキャピタルの3社が応じており、5.5万株の売出しとなっています。上場後も株主構成は大きく変わりませんが、特に大株主のジャフコ・スーパーV3等のVCが同社株を有しているため、上場後の高騰によって売却される可能性がありますので気をつけたいです。
公募で調達する約5億円はクラウドサービスの追加機能の開発および人件費に利用する予定です。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ナレッジスイート」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
証券会社名 |
割当率 |
株数 |
主幹事 |
いちよし証券 |
75.1% |
221,500株 |
幹事 |
SMBC日興証券 |
8.0% |
23,600株 |
みずほ証券 |
7.0% |
20,600株 |
|
SBI証券 |
4.0% |
11,800株 |
|
マネックス証券 |
3.0% |
8,800株 |
|
エース証券 |
1.0% |
2,900株 |
|
東洋証券 |
1.0% |
2,900株 |
|
極東証券 |
1.0% |
2,900株 |
今回は中小型株上場に定評があるいちよし証券が主幹事を務めており、75%の配分を受ける予定です。
その他SBI証券やマネックス証券のネット証券も名を連ねているため申込むことができる証券会社は多いですが、当選可能性は非常に低いでしょう。
著者のまとめ
12月18日の同時4社上場銘柄のうち、同社が一番前評判が高いです。クラウドビジネスについて引き続きの成長を考えている機関投資家が多いのが要因でしょう。
中堅企業の後継者不足や再編が起きている中、大企業と中小企業との格差は益々広がっているのが現実です。しかしながら高い強みを有しているが営業効率が上がらず困っている企業も多いのが実態で、同社のシステムを組み込むことでどれだけの企業が業績拡大を図ることができるか期待できると言えましょう。
初値以上に上場後の業績拡大にも注目していきたいです。
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