2017年12月18日に東証ジャスダックスタンダード市場へ上場する「歯愛メディカル」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
歯愛メディカルの上場日は!?期待度は?
企業名 |
歯愛メディカル |
上場市場 |
東証ジャスダックスタンダード市場 |
銘柄コード |
3540 |
事業内容 |
医療関係者向けの通信販売事業等 |
所在地 |
石川県白山市 |
設立 |
2000年 |
従業員 |
179名 |
会社HP |
|
監査法人 |
あずさ |
上場日 |
2017年12月18日(月) |
主幹事 |
SMBC日興証券 |
BB期間 |
2017年12月1日(金)~2017年12月7日(木) |
価格決定日 |
2017年12月8日(金) |
購入申込期間 |
2017年12月11日(月)~2017年12月14日(木) |
同社は歯科医や歯科技工所を中心とした通信販売事業を行う会社です。
ネット通販が世の中の仕組みを変えつつある現代社会ですが、医療機関などの専門性が高い部分においてはこのようなネットなどの通信販売については信用度の観点からも懸念が生じてしまう可能性があります。
しかしながら同社は医療機関を対象とした通信販売に特化することで、専門性や信頼度の点で優位に立っております。石川県に本社を構える企業であり、地方創生銘柄としても注目のIPOです。
どんなことをしている会社なの?
同社は医療機関に特化した通信販売が柱の企業です。特に歯科医院や歯科技工所向けで高いシェアを獲得しております。全国7万ヶ所ほどあると言われている歯医者ですので、ビジネスの裾野が広いところであることがいえます。
経営理念に「先生とその患者さんに喜ばれたい。更に社員、取引先に喜んでもらえるような会社になりたい。」という考えを持っており、商品の卸売り以外にも自社で製品の開発・販売も行っています。
特に歯科医院向け通販カタログ「Ciメディカル」は自他社製品を含めて3万点以上を掲載しており、全国にある歯科医院のうち約6万軒で利用されています。同社の約8割の売上を占めるメイン事業です。
歯科器具以外ではナース服などを掲載した通信カタログ「nurse+care」も提供しています。デザイン性に優れたナース服や同社オリジナルのウェア等を掲載しています。
その他、歯科技工所向けの通販カタログ「DENTAL LABO」や、動物病院向けの「Vet」、介護福祉施設向けの「Fresh Care」等のそれぞれに特化した通販サービスを展開しています。また最近では歯科医院に通っている患者向けに商品を直接届ける通販サービスも開始しています。
その他CAD歯科技工物製作事業や、歯科医院向けに太陽光発電による電力供給事業、HPの作成請負など幅広く展開しています。
同社は連結子会社3社を抱えており、それぞれで同社のビジネスセグメントに合わせたビジネスを行っています。近年は海外向けに質の高い日本の歯科器具等の輸出ビジネスを行っています。
通信カタログによる販売がメインである同社ですが、顧客にとって喜ばれる商品を提供するために自社で製品開発を行っています。その製品の中にはグッドデザイン賞を受賞している製品もあります。例えば上記の幼児用歯ブラシ「Ci Assist Mini」はヘッドをお好きな角度に曲げることができる画期的な製品を開発しています。
また歯間にしっかり届くための歯ブラシとして「Neo Tuft」を開発し、こちらもグッドデザイン賞を受賞しています。
歯ブラシ以外にも舌用ブラシの「ゼクリンMORE」を開発しています。
専門特化に行うことで高いシェアを獲得している同社は歯科開業医の現社長の清水清人氏によって2000年に石川県白山市で創業しました。
売上や成長性は?
同社の業績は右肩上がりにあります。
売上と利益については概ね右肩上がりに推移しています。利益は多少変動は出ているものの、着実の顧客数を伸ばしている点が業績にしっかりと反映しているといえます。
同社は企業成長と株主還元を両立するべく、配当性向を利益の10%を目標とする意向を出しています。今期12月末決算においては1株につき64円の配当を出すことが株主総会で決定しています。平成29年11月9日に株式5分割が行われているため、1株あたり12.8円となっています。想定価格が3,210円となっているため、配当利回りは0.4%と想定されます。
公募株数 |
総数1,000,000株 (内、公募0株、売出1,000,000株) |
OA分 |
100,000株 |
発行済み株数 |
10,000,000株 |
想定価格 |
3,210円(100株単位・32万円) |
仮条件 |
3,210円 ~ 3,300円 |
初値予想 |
3,100円~3,750円 |
想定PER |
約25倍 |
想定PBR |
約4.5倍 |
配当利回り |
0.4%程度 |
想定時価総額 |
321億円 |
今回のIPOによって市場より吸収される金額が35億円ほどと比較的中規模となり、初値の高騰にはあまり期待できません。また公募0の100%売出案件はそこまで好まれていないため、初値割れのリスクはあります。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
清水清人 |
60.00% |
180日間 |
エア・ウォーター(株) |
40.00% |
180日間 |
大株主を見ると筆頭株主の清水社長の6割と上場会社のエア・ウォーターの4割と上場前の株主が2名という異例の上場です。株式公開時には一定数の株主が必要なため、公開時の株式の配分は1人当たり最低単位が見込まれます。このことを踏まえると、公開時にまとまって大きく売られすぎることは考えにくいです。
また今回大株主に対して180日間のロックアップ制限がかかっております。公開株数が総発行株式数の1割しか出回らないため、下手したら大きく値上がりする可能性も秘めています。
売出は清水社長の100万株の売出しとなっています。上場後も株主構成は変わりません。実は同社は2016年6月に機関投資家向け市場のTOKYO PRO Marketに上場しており、その後同年10月にエア・ウォーターと資本提携を結びました。その際にエア・ウォーター社より2名の従業員を出向者として受け入れています。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「歯愛メディカル」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
証券会社名 |
割当率 |
株数 |
主幹事 |
SMBC日興証券 |
88.0% |
880,000株 |
幹事 |
大和証券 |
5.0% |
50,000株 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
5.0% |
50,000株 |
|
フィリップ証券 |
1.0% |
10,000株 |
|
SBI証券 |
1.0% |
10,000株 |
今回はSMBC日興証券が主幹事を務めており、88%の配分を受ける予定です。大和証券や三菱UFJモルガン・スタンレー証券等の大手証券会社も名を連ねています。
その他SBI証券の他、シンガポール資本のフィリップ証券も珍しく幹事会社として名を連ねています。当選は困難を極めるでしょう。
著者のまとめ
12月18日の同時4社上場銘柄のうち、一番評価が低いという事実はお伝えします。売出100%と成長性の期待に欠けるとのことですが、実際のところは上場してみないと分かりません。
しかしながらニッチな分野でのシェアを有している点や公開株数が圧倒的に少ないことからセカンダリー市場で大きく値を上げてくる可能性は大いにあります。地方創生銘柄としても注目されていますので上場後に大きく期待したいです。
石川県28社目の上場となる同社の値動きに期待しましょう。
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