2021年6月29日に東証マザーズ市場へ上場する「Waqoo(ワクー)」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
Waqooの上場日は!?期待度は?
同社は化粧品等オリジナルブランドの企画・販売を行う会社です。
デジタルマーケティングを活用し、自社ECサイトで販売するDtoCモデルのビジネスモデルで、これまで成長してきた会社です。時流に乗った会社の上場となります。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | Waqoo(ワクー) |
上場市場 | 東証マザーズ市場 |
銘柄コード | 4937 |
事業内容 | デジタルマーケティングを活用したオリジナルブランド(化粧品など)の企画・開発および自社のECサイトなどを通じた一般消費者への販売 |
所在地 | 東京都世田谷区 |
設立 | 2005年 |
従業員 | 68名 |
会社HP | https://waqoo.jp/ |
監査法人 | EY新日本 |
上場日 | 2021年6月29日(火) |
主幹事 | SBI証券 |
BB期間 | 2021年6月14日(月)~ 2021年6月18日(金) |
価格決定日 | 2021年6月21日(月) |
購入申込期間 | 2021年6月22日(火)~ 2021年6月25日(金) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://waqoo.jp/brand.html)
同社は2005年に創業した会社で、当初はペット用品の販売を行なっていましたが、2007年に現代表取締役である井上裕基氏を招聘後、EC事業の拡大に向けて事業変更していきました。
同社は美容・化粧品の企画・開発を手掛けており、自社商品を直営店舗等ではなく自社のECサイトで販売する「DtoC」ビジネスで運営されています。
自社ブランドである「HADA NATURE」では、スキンケア・メイク・ヘアケア商品を展開しており、自社で試作品のモニターテストから口コミ等の分析を行い、顧客嗜好を組んだ商品開発ができるという強みを有しています。
同社の強みとしては、デジタルマーケティング手法を駆使したブランド戦略をとっている点で、LINEやInstagram等のSNSを活用するなど顧客層への認知度を高めており、自社のECサイトに誘致する道筋を作っています。
同社は都度購入はもちろんのこと、定期購入サービスも実施しており、定期購入者を増やすことで安定的な収益確保に向けた「ストック型ビジネスモデル」の構築を目指しています。
その他、卸売としてドラッグストア等の小売店での販売を拡大しており、ブランドの認知度向上に努めています。
今後は海外はもちろんのことDtoC事業の拡大に努めていく模様で、IPOによって事業拡大へ更に拍車をかけていく模様です。
2016年9月期 | 2017年9月期 | 2018年9月期 | 2019年9月期 | 2020年9月期 | |
売上高(百万円) | 1,145 | 1,566 | 2,173 | 3,386 | 4,505 |
経常利益(百万円) | 120 | 80 | 16 | △794 | 109 |
当期純利益(百万円) | 94 | 35 | 22 | △795 | 99 |
純資産額 (百万円) | 257 | 292 | 311 | 63 | 161 |
BPS(円) | 1,161 | 1,319 | 1,408 | 23 | 60 |
EPS(円) | 446 | 158 | 100 | △325 | 36 |
自己資本比率(%) | 45 | 50 | 40 | 6.3 | 13.7 |
ROE(%) | 45.1 | 12.7 | 7.4 | – | 88.1 |
配当性向(%) | – | – | – | – | – |
業績は成長過程にあると言えます。売上高は右肩上がりに成長させています。一方で利益は直近で赤字の期があったものの足元は改善しています。
尚、2021年9月期2Q(2021年3月)の売上高は2,463百万円、経常利益は38百万円となっており、比較的堅調に推移しています。
配当はこれまで無配で、上場後も内部留保を確保を優先するため無配方針です。
公募株数 | 総数509,500株 (内、公募191,400株、売出318,100株) |
OA分 | 76,400株 |
発行済み株数 | 2,924,778株 |
想定価格 | 1,880円(100株単位:19万円) |
仮条件 | 1,780円 ~1,920円 |
初値予想 | 2,200円 ~3,300円 |
想定PER | 約56倍 |
想定PBR | 約11倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 55億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は11億円で、時価総額が55億円と東証マザーズ上場銘柄としては中型案件です。DtoCビジネスと比較的評価を受けやすいビジネスモデルではあるため、一定の初値は見込めそうです。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
(株)M&M | 36.31% | 90日間 |
井上 裕基 | 28.43% | 90日間 |
ニッセイ・キャピタル9号 投資事業有限責任組合 | 12.09% | 90日間or1.5倍 |
中上 慶一 | 4.70% | 90日間 |
高橋 俊和 | 4.70% | |
(株)ベクトル | 2.65% | 90日間or1.5倍 |
(株)オークファン | 1.86% | 90日間or1.5倍 |
SBI4&5投資事業有限責任組合 | 1.82% | 90日間or1.5倍 |
(株)セレス | 1.53% | 90日間or1.5倍 |
みずほ成長支援第3号投資事業 有限責任組合 | 1.53% | 90日間or1.5倍 |
同社の株主構成ですが、井上社長の資産管理会社「株式会社M&M」が筆頭株主で、同社株の36%を有しています。井上社長個人でも28%を有しており、同社株の71%を有しているオーナーです。その他は、役員・従業員のほか、事業会社やVCが大株主です。
今回の売出は、井上社長とVCを含め計4者で、計318,100株の売出を行います。
今回は公募で3億円の資金調達を行い、調達資金はブランドの認知度向上に向けた広告宣伝費に充てる予定です。
尚、大株主の大半には90日のロックアップがかかっていますが、VCには90日及び公募価格1.5倍のロックアップがかかっているため、初値高騰後のエグジットには注意が必要です。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件ですが、金額規模も大きくないため、信用度向上に向けた上場であると考えられます。一定の業績推移をしているため、公募割れリスクは低いでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「Waqoo」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | SBI証券 | 86.99% | 509,700株 |
幹事 | 大和証券 | 4.35% | 25,500株 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 2.17% | 12,700株 | |
みずほ証券 | 1.30% | 7,600株 | |
SMBC日興証券 | 1.30% | 7,600株 | |
むさし証券 | 0.87% | 5,100株 | |
極東証券 | 0.87% | 5,100株 | |
岩井コスモ証券 | 0.87% | 5,100株 | |
楽天証券 | 0.43% | 2,500株 | |
松井証券 | 0.43% | 2,500株 | |
マネックス証券 | 0.43% | 2,500株 |
今回の主幹事はSBI証券が主幹事を務めます。その他を大和証券含めた10社が幹事を務めます。
著者のまとめ
同日に他2社の上場を控えているため、資金が分散するかと思いますが、業績推移も堅調であり、一定の評価は集めそうです。DtoCビジネスは知名度が重要であるため、IPOという選択肢としては正しいでしょう。