2021年3月16日に東証マザーズ市場へ上場する「ヒューマンクリエイションホールディングス」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ヒューマンクリエイションホールディングスの上場日は!?期待度は?
同社はITエンジニア派遣を行う人材派遣会社です。
DXやAIなどシステム開発への需要が非常に高まっている一方、エンジニアの確保に苦慮するシステムインテグレータ企業が多い今日、エンジニア人材を派遣するという時代に沿った会社の上場となります。
企業名 | ヒューマンクリエイションホールディングス |
上場市場 | 東証マザーズ |
銘柄コード | 7361 |
事業内容 | システムの開発・保守をおこなう技術派遣に特化した人材派遣事業 |
所在地 | 東京都千代田区 |
設立 | 2016年 |
従業員 | 765名 |
会社HP | https://hch-ja.co.jp/ |
監査法人 | 太陽 |
上場日 | 2021年3月16日(火) |
主幹事 | SMBC日興証券 |
BB期間 | 2021年3月1日(月)~ 2021年3月5日(金) |
価格決定日 | 2021年3月8日(月) |
購入申込期間 | 2021年3月9日(火)~ 2021年3月12日(金) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://hch-ja.co.jp/#page2)
同社は子会社4社を傘下に抱える持株会社です。2016年に設立した同社ですが、スタートは1974年に設立した「株式会社バンキング・システムズ」が起源となります。その後買収や合併によって今日に至ります。
同社はITエンジニアをシステムインテグレータ企業に派遣を行う「SES」と呼ばれる派遣事業を行っています。各企業がエンジニア確保に苦慮する中、SESビジネスを行う企業への注目が集まっており、同社も例外なく需要を受けている状況です。
事業セグメントは「システムソリューションサービス事業」の単一セグメントで、クライアントであるシステムインテグレータ会社へ常駐型で派遣を行うことが主事業となっています。
その他M&A等にて傘下入りした子会社によって、システムコンサルティングや受託、その他保守運用を行うことで、システム開発における川上から川下までを一貫して請け負える状況となっています。
2020年9月末時点で自社エンジニア数は709名で、それぞれのクライアントに向けて派遣を行っています。全国に拠点を有しており、プロジェクトによっては各拠点より優秀なエンジニアの派遣を行える体制となっています。
上場後はM&Aを通じて事業拡大を狙っていく模様です。
2017年9月期 | 2018年9月期 | 2019年9月期 | 2020年9月期 | |
売上高(百万円) | 150 | 250 | 4,155 | 4,565 |
経常利益(百万円) | 57 | 39 | 334 | 303 |
当期純利益(百万円) | 56 | 14 | 204 | 210 |
純資産額 (百万円) | 200 | 172 | 392 | 637 |
BPS(円) | 3,292 | 286 | 217 | 345 |
EPS(円) | 926 | 23 | 113 | 116 |
自己資本比率(%) | 32.2 | 21.40 | 27.3 | 34.3 |
ROE(%) | 32.6 | 7.6 | 65.9 | 40.9 |
配当性向(%) | 72.1 | 298.3 | – | – |
業績はやや拡大傾向に動いています。2017年9月期に設立し、その後吸収合併を含めて期が浅いため一概には言えませんが、概ね拡大傾向にはあります。売上高は緩やかに上昇しており、利益も上値が遅い状況である一方、安定推移を遂げています。
尚、2021年9月期1Q(2020年12月)の売上高は1,210百万円、経常利益は121百万円となっており、まだスタートしたばかりですが、概ね順調に推移していると言えましょう。
配当は過去に出したタイミングがありましたが、しばらくは無配としていました。上場後は内部留保を確保しつつも連続配当性向30%を目標にあ配当を出していく方針です。尚、配当利回りは0.1%程度が予想されています。
公募株数 | 総数1,619,400株 (内、公募50,000株 、売出1,569,400株) |
OA分 | 200,100株 |
発行済み株数 | 1,898,750株 |
想定価格 | 2,020円(100株単位:20万円) |
仮条件 | 2,020円 ~ 2,120円 |
初値予想 | 2,700円 ~ 4,000円 |
想定PER | 約18倍 |
想定PBR | 約5倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 38億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は36.7億円で、時価総額が38億円と東証マザーズ上場銘柄としては中型案件です。同業他社に比べるとやや割安水準のため、ある程度初値高騰は見込めそうです。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
(株)BSH | 94.21% | 90日間 |
HCHグループ従業員持株会 | 2.78% | 180日間 |
富永 邦昭 | 2.33% | 180日間 |
下田 昌孝 | 0.65% | 180日間 |
渡部 峻介 | 0.03% | 180日間 |
同社の株主構成ですが、筆頭株主は94%を保有している株式会社BSHという会社です。この会社は投資ファンドであるリサ・パートナーズのVC持株会社であり、IPOを目指す上での構成になっていると言えます。
その他は取締役の3名と従業員持株会によって所有されており、上場前の株主構成は非常にシンプルです。尚、同社経営陣の大半は他社からのヘッドハントによって招聘しており、創業より組織体系が大きく変化していると言えます。
今回の売出はBSH社のみで、1,569,400株の売出です。発行株数の90%となり、リサ・パートナーズのエグジットとなります。
今回は公募で0.9億円の資金調達を行い、調達資金はエンジニア採用費用等に充てる予定です。
尚、大株主には90日及び180日のロックアップがかかっており、売出後の株主が経営陣となるためエグジットリスクはほぼありません。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件で、リサ・パートナーズによるIPOエグジットとなります。基本的には低評価となるケースが多いものの、公募価格の割安さと上場後の既存株主によるエグジットリスクの少なさを踏まえると、初値高騰は期待できます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ヒューマンクリエイションホールディングス」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | SMBC日興証券 | 96.46% | 1,755,100株 |
幹事 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 0.88% | 16,100株 |
ひろぎん証券 | 0.88% | 16,100株 | |
SBI証券 | 0.88% | 16,100株 | |
マネックス証券 | 0.88% | 16,100株 |
今回の主幹事はSMBC日興証券が主幹事を務めます。その他三菱UFJモルガン・スタンレー証券を含めた4社が幹事を務めます。
著者のまとめ
3月IPOの初陣となるため期待感がありますが、上場後はしっかりと業績を上げることとエンジニアの確保が求められているため、しっかりと業績を見極めていく必要があるでしょう。同日にウイングアーク1stが上場してきますが、割安度からも同社への期待は高いでしょう。
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