2021年6月23日に東証マザーズ市場へ上場する「アイ・パートナーズフィナンシャル」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
アイ・パートナーズフィナンシャルの上場日は!?期待度は?
同社はIFAビジネスを手がける金融商品仲介業者です。
独立した立場で資産運用の提案を行うIFAに転職する金融機関出身者が増えており、中でも先駆けてあった同社の上場となります。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | アイ・パートナーズフィナンシャル |
上場市場 | 東証マザーズ市場 |
銘柄コード | 7345 |
事業内容 | 金融商品仲介業を基軸としたIFAによる金融サービスの提供事業 |
所在地 | 神奈川県横浜市 |
設立 | 2006年 |
従業員 | 66名 |
会社HP | https://www.aipf.co.jp/ |
監査法人 | 東陽 |
上場日 | 2021年6月23日(水) |
主幹事 | SBI証券 |
BB期間 | 2021年6月7日(月)~ 2021年6月11日(金) |
価格決定日 | 2021年6月14日(月) |
購入申込期間 | 2021年6月15日(火)~ 2021年6月18日(金) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.aipf.co.jp/question.html)
同社は2006年に税理士法人アイ・パートナーズのコンサルティング部門として設立された会社です。その後経営陣によって資本関係が見直され、独立体として事業拡大を行なってきました。
同社は金融商品仲介業を主事業として、子会社にて保険代理店業務を手がけています。これまでは、証券会社や銀行の営業マンによって金融商品の取引がなされてくることが基本でしたが、近年同社のような独立体の金融商品仲介会社が増えてきました。
金融商品仲介業とは、内閣総理大臣の登録を受けた「金融商品のプロ」として認められた業者のことで、主に複数の証券会社の委託を受けて証券会社で取り扱う金融商品を「独立・中立」の立場から取り次ぐことができることが特徴です。その中で、従事するアドバイザーのことをIFA(Independent Financial Advisor)と呼ばれており、自社商品に囚われない中立な立場で、お客様に最適な金融商品の提案を行うことができる職種として近年金融機関からの転職者が増えています。
これまでの金融商品取引の世界では、各金融機関の営業マンが自身のノルマや自社商品に限った提案活動を行い、結果お客様にとって最適な資産運用が出来ていない場面も間々見られたものですが、IFAの登場によってお客様としても最適なアドバイスをもらえる一方、IFA自身も会社に縛られた営業活動を行う必要がなく、双方にとってメリットのあるビジネスが行えるようになっているのが特徴です。
IFAとは基本的に業務委託契約を行なっており、2021年1月末現在184名のIFAが同社と契約しており、年々増加しています。そのため、口座数は約12,000口座まで増えており、預かり資産は2,000億円を伺うまで成長しています。
上場によって、会社の信用度を高め、IFAの獲得を進めやすくする意図があり、引き続き成長が見込めそうです。
2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
売上高(百万円) | 723 | 1,266 | 2,141 | 2,380 | 2,467 |
経常利益(百万円) | △3 | 38 | 128 | 57 | 7 |
当期純利益(百万円) | △4 | 24 | 86 | 39 | △1 |
純資産額 (百万円) | 82 | 114 | 226 | 252 | 345 |
BPS(円) | 38,234 | 49,291 | 85,154 | 474 | 499 |
EPS(円) | △2,008 | 10,204 | 37,140 | 73 | △1 |
自己資本比率(%) | 54 | 38 | 47 | 44.2 | 52.5 |
ROE(%) | △5.1 | 24.1 | 50.7 | 16.5 | △0.3 |
配当性向(%) | – | 19.6 | 5.4 | 36.1 | – |
業績は成長過程にあります。2019年3月期より連結決算となっているため、一概に比較はできませんが、売上高は5期連続増収となっています。一方利益面ではやや伸び悩んでいます。ただし、IFA獲得に向けた成長投資を行なっていることから大きな心配は不要です。
尚、2021年3月期3Q(2020年12月)の売上高は2,814百万円、経常利益は173百万円と推移しており、既に前期を上回るなど更なる成長が期待できそうです。
配当は直前数期では配当を出しており、上場後も内部留保確保しつつも配当を出していくことが予想されています。ただし、現状どの程度配当を出すのか不明です。
公募株数 | 総数100,000株 (内、公募100,000株、売出0株) |
OA分 | 15,000株 |
発行済み株数 | 791,000株 |
想定価格 | 2,940円(100株単位:29万円) |
仮条件 | 2,940円 ~3,120円 |
初値予想 | 5,000円 ~7,500円 |
想定PER | 約-倍 |
想定PBR | 約4倍 |
配当利回り | 約0.2% |
想定時価総額 | 23億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は3.4億円で、時価総額が23億円と東証マザーズ上場銘柄としては小型案件です。IFA事業者の上場は初めてに近いこともあり、初値高騰には期待できるでしょう。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
石原 章太郎 | 11.47% | 90日間 |
中道 謙 | 10.29% | 90日間 |
田中 譲治 | 6.04% | 90日間 |
原田 茂行 | 3.60% | 90日間 |
塩本 かおり | 3.58% | 90日間 |
守屋 顕一 | 3.58% | 90日間 |
島田 和紀 | 3.58% | 90日間 |
濵﨑 洋 | 3.37% | 90日間 |
諸富 滋 | 2.85% | 90日間 |
清田 秀彦 | 2.83% | 90日間or1.5倍 |
同社の株主構成ですが、役員・従業員が中心に株式を保有しています。一部元役員も保有していますが、税理士法人より独立したタイミングで、役員や従業員を中心に株式を引き取った経緯があります。
尚、今回は売出を行いません。
今回は公募で2.5億円の資金調達を行い、調達資金はIFA店舗の出店や人件費、採用費、システム開発費に充てる予定です。
尚、大株主の大半には90日のロックアップがかかっており、エグジットリスクは極めて少ない案件です。
今回は公募のみの資金調達案件で、事業拡大に向けた資金獲得を軸としているため、投資家より期待を受ける可能性が高いでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「アイ・パートナーズフィナンシャル」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | SBI証券 | 86.96% | 100,000株 |
幹事 | 楽天証券 | 4.35% | 5,000株 |
エース証券 | 0.87% | 1,000株 | |
あかつき証券 | 0.87% | 1,000株 | |
みずほ証券 | 0.87% | 1,000株 | |
マネックス証券 | 0.87% | 1,000株 | |
藍澤證券 | 0.87% | 1,000株 | |
岩井コスモ証券 | 0.87% | 1,000株 | |
エイチ・エス証券 | 0.87% | 1,000株 | |
東洋証券 | 0.87% | 1,000株 | |
水戸証券 | 0.87% | 1,000株 | |
むさし証券 | 0.87% | 1,000株 |
今回の主幹事はSBI証券が主幹事を務めます。その他楽天証券を含めた11社が幹事を務めます。
著者のまとめ
転職市場での話題となっているIFAのIPO案件となり、市場からも期待を集めることでしょう。直近の上場案件の中でも小型ということもあり、初値高騰には期待できる他、上場後の成長性を期待できるということもあり、話題性が高いIPOとなるでしょう。
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