2017年12月20日に東証1部市場へ上場する「オプトラン」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
オプトランの上場日は!?期待度は?
企業名 |
オプトラン |
上場市場 |
東証1部市場 |
銘柄コード |
6235 |
事業内容 |
光学部品など表面に各種機能膜をコーティングする光学薄膜装置の製造および販売 |
所在地 |
埼玉県川越市 |
設立 |
1999年 |
従業員 |
67名 |
会社HP |
|
監査法人 |
大有 |
上場日 |
2017年12月20日(水) |
主幹事 |
大和証券 |
BB期間 |
2017年12月5日(火)~2017年12月11日(月) |
価格決定日 |
2017年12月12日(火) |
購入申込期間 |
2017年12月13日(水)~2017年12月18日(月) |
同社は光学薄膜装置の製造および販売を手がける機械メーカーです。
近年増えているスマートフォンやタブレットなどのタッチパネルやデジタルカメラなどに用いられる光学薄膜を成膜するための装置に特化して同社はビジネスしています。光学薄膜はカメラやレンズなどの光学部品にコーティングすることでそれぞれの役割に沿った機能を果たすために必要不可欠な工程であり、同社これらの分野で高いシェアを有しています。
同社は機械メーカーであり、半導体製造装置メーカーでもあるため、上場後に注目される銘柄であるとも言えます。
どんなことをしている会社なの?
同社は光学部品のコーティングを行う光学薄膜の成膜装置を開発・販売を行う機械メーカーです。この技術はスマートフォンやカメラ、半導体製造には欠かせない技術であり、業界の中でも高い競争力を有している企業です。
元々は光通信用に用いられる光ケーブル向けが中心でしたが、年を重ねるごとにLEDやスマートフォンといった製品に拡大していき、今後はVRやARや自動運転技術にも拡大していくことができるという、非常に楽しみなビジネス環境にあります。
何気なく利用しているスマートフォンですが、これまでは物理ボタンで操作していたところからタッチパネルで利用できるようになった要因として、タッチパネルとなる光学パネルに光学薄膜のコーティングを施すことで、光の反射具合や電気反応等で操作ができるようになったことが挙げられます。
その他光学電子部品のそれぞれにあった薄膜の形成で必要な性能を発揮することができる技術となります。
またスマートフォンのカメラにおいても薄膜技術によって高繊細な画像を取ることができます。
スマートフォン以外にはLEDや自動車にも使用されています。特にコーナーセンサーなど自動運転には必要な部品についても同社の技術が使われています。
近年のVR・ARについても同様に、「物を写す」という製品には基本付きまとっている技術であることが図り取れます。
創業以来、光通信からプロジェクターや携帯電話またはデジカメ、スマートフォンやタブレットと推移しており、今後は半導体や生体認証、車載関連やVRと領域を広げていく予定です。
成膜技術は高い成膜ノウハウを必要としており、競合も多くありません。同社は技術者を始め専門知識を有した人材を多く抱えており、光学薄膜技術を有する企業の中でも高い優位性を有しています。
同社は自社で製品の製造から顧客に対するアフターフォローを行っているため、顧客にあった製品の開発や、逆提案などを通じて強い信頼関係を構築しています。
現在日本以外には中国・台湾・韓国・アメリカに拠点を有しており、世界中でビジネスを行っています。特に同社の売上を大きく占める企業として世界トップ企業のアップル社が該当します。世界的企業から絶大な信頼も上場時に強い後ろ盾となるでしょう。
今後はIoTの発展に伴う光学薄膜技術のニーズに対応するべく経営努力をしていく予定です。
同社は中国出身で現会長の孫大雄氏が1999年に東京に創業させたことに始まります。1987年当時中国で機械技師として働いていた孫氏が、新しい技術を学びたいと埼玉大学大学院に留学し、真空成膜技術の研究に取り組みました。後に同技術を生かして真空成膜装置メーカーに入社したが、会社がそのプロジェクトを中止したことを契機に独立して同社を創業しました。
日本のインフラやものづくり文化を活用し、日本において上場するまでに成長してきた経営手腕には評価するところが多いでしょう。
売上や成長性は?
同社の業績は高い成長フェーズに入ってきているといえます。
売上はここ数年横ばいから少し拡大傾向をとっていたものの、今期の第3四半期時点で大きく上回る売上をたたき出しており、大きな拡大フェーズに入ったことを予感させます。一方の利益についても今期第3四半期時点で前年を大きく上回る利益水準を出しており、満を持してのIPOであるといえます。
同社の配当政策ですが、連結配当性向は30%を目安に安定配当を目指していく方針を出しています。拡大傾向の同社ですので、内部留保とのバランスを図りながらの配当出しとなることが想定されます。今期の予想配当金として33円を想定されるため、想定価格1,460円で考えると2.26%という配当利回りになります。配当狙いの銘柄としてもおすすめです。
公募株数 |
総数7,200,000株 (内、公募4,200,000株、売出3,000,000株) |
OA分 |
1,080,000株 |
発行済み株数 |
44,358,000株 |
想定価格 |
1,460円(100株単位・15万円) |
仮条件 |
1,420円 ~ 1,460円 |
初値予想 |
1460円~3,200円 |
想定PER |
約44倍 |
想定PBR |
約3.9倍 |
配当利回り |
2.2%前後 |
想定時価総額 |
647億円 |
今回のIPOによって市場より吸収される金額が120億円と多く、初値の高騰が期待できません。しかしながら業種として注目されている分野である点と、上限で価格決定されれば機関投資家からの評価が高いということのお墨付きなので、高い初値も期待できます。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
(株)オプトラン |
18.26% |
|
浙江水晶光電科技股份有限公司 |
15.19% |
90日間or1.5倍 |
(株)アルバック |
13.49% |
90日間or1.5倍 |
孫 大雄 |
7.40% |
90日間or1.5倍 |
JSR(株) |
6.28% |
90日間or1.5倍 |
大和PIパートナーズ(株) |
6.28% |
90日間or1.5倍 |
Cernobbio Investment Ltd |
2.80% |
90日間or1.5倍 |
肖 連豊 |
2.80% |
90日間or1.5倍 |
理研電線(株) |
2.67% |
90日間or1.5倍 |
林 為平 |
2.67% |
90日間or1.5倍 |
大株主を見ると筆頭株主は金庫株の約18%、2位の浙江水晶光電科技股份有限公司は同社の子会社にあたります。同社の創業者の孫氏は4位に位置し、半導体装置メーカーのアルバックや化学メーカーのJSRなど上場会社も名を連ねています。
また今回は大株主に対して90日間及び公開価格の1.5倍のロックアップ制限がかかっております。総発行株式数の約18%のみ市場に出回るため、需給面ではタイトな値動きを見せてくれるでしょう。
売出は孫会長や林社長、アルバックやJSR、その他従業員などを含めた12名が応じており、300万株の売出しとなっています。上場後は値上がりにつれて大和パートナーズなどどのファンドの売りも想定されるため、この点は頭に入れておいたほうがいいでしょう。
公募分で調達する76億円は短期借入金の返済に当てられる予定です。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「オプトラン」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
証券会社名 |
割当率 |
株数 |
主幹事 |
大和証券 |
91.00% |
6,552,000株 |
幹事 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
2.00% |
144,000株 |
みずほ証券 |
2.00% |
144,000株 |
|
野村證券 |
2.00% |
144,000株 |
|
むさし証券 |
1.00% |
72,000株 |
|
岡三証券 |
1.00% |
72,000株 |
|
SBI証券 |
1.00% |
72,000株 |
今回は大和証券が主幹事を務めており、91%の割当となっています。
大手以外にもSBI証券や岡三証券など中堅証券会社も名を連ねているため、申込みを検討している方はIPO申込みしてみたらいいでしょう。本数は多いため比較的当選確率は高いです。
著者のまとめ
中国出身の孫会長を始め、日本でビジネス基盤を築き、世界で活躍する企業を生み出したことは尊敬するに値します。
光学薄膜技術は非常に専門性が高く、その領域で強みを持つ同社の上場後が大いに期待できます。東証1部に直接上場する予定ですが、株数の面ではあまり好感されていないのは事実です。
しかしながらビジネスモデルを考えるとこれからの業容拡大が容易に予想できます。会社の内容をしっかりと理解した方には非常に面白いIPOではないでしょうか。
同日には老舗企業の森六ホールディングスが上場する予定であり、双方とも比べられることが想定されますが、地合いを考えればいい株価がつくことが想定されますので、注目しながら動向を見守りましょう。
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