2017年12月25日に東証2部市場へ上場する「要興業」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
要興業の上場日は!?期待度は?
企業名 |
要興業 |
上場市場 |
東証2部市場 |
銘柄コード |
6566 |
事業内容 |
一般・産業廃棄物の収集運搬・中間処理・リサイクル事業 |
所在地 |
東京都豊島区 |
設立 |
1973年 |
従業員 |
432名 |
会社HP |
|
監査法人 |
新日本 |
上場日 |
2017年12月25日(月) |
主幹事 |
野村證券 |
BB期間 |
2017年12月7日(木)~2017年12月13日(水) |
価格決定日 |
2017年12月14日(木) |
購入申込期間 |
2017年12月15日(金)~2017年12月20日(水) |
同社は東京都区部を担当する廃棄物収集およびリサイクルを手がける企業です。
日本の首都である東京の区部において長く廃棄物収集事業を行ってきた同社は、現在行政から委託されるほど高い信用度を誇ります。
事業所から排出される事業系廃棄物と一般家庭から排出される家庭系ごみの収集事業と、自社で抱えているリサイクルセンター8ヶ所におけるリサイクル事業が同社のビジネスモデルです。
2020年にオリンピックを迎える東京は、今後景観の維持のためにごみについての対策を立てていく必要があり、行政と共にビジネスしている同社は大きなビジネスチャンスをつかむ可能性があります。
どんなことをしている会社なの?
同社は東京都区部を事業地域として廃棄物の収集運搬およびリサイクル事業を手がける企業です。
事業所から排出される事業性廃棄物の収集が主な事業であったが、近年は行政から受託を受け家庭用ごみの収集事業にも取り組んでいます。
同社は自社でごみ収集車等の運搬車両400台保有と充実させており、併せて300名の正社員を含めた約400名のドライバーを有して東京都23区内の事業性廃棄物の収集を子会社のヨドセイ経由で行われています。
同社の強みとして、排出事業者との約7000ヶ所以上の定期収集契約を結んでいるところにあります。また集めた廃棄物は同社が有する8ヶ所のリサイクルセンターや行政運営の清掃工場にて処理されますが、同社は独自で開発したシステムを用いて、効率よくごみ収集ができるよう努力しています。
同社の運搬車両には「特殊Gセンサ付デジタコグラフ」や「ドライブレコーダー」、「無線・GPS」を搭載しており、現場の状況に応じた収集対応が可能となっています。ドライバーについてもコンプライアンス面の指導を行うことで、不正が起きることを未然に防いでいます。
これまでは行政に頼り切っていたり、収集運搬をするものの適当な対応をしていたり、同社のビジネスについてはいい印象をもたれていませんでした。
しかしながら同社はこのような悪い印象を払拭する取り組みを積極的に行い、盤石な地位を東京地区で見出しています。
本社がある豊島区の他、大田区や板橋区、足立区にリサイクルセンター等を有しており、今後も拡大を続けていく予定です。自社で抱えているリサイクルセンターのため、リサイクルされた資源を古紙業者や製紙工場等に直接販売することが可能になります。この点は他社のように問屋形式をとるよりも高い利益率が期待できます。
その他東京23区からごみ収集を行政委託されており、引き続き安定した受託を受け続けていくことが想定されます。行政としては税収減など公共事業の縮小を考えていかなければならないため、「官から民」への移動として同社は安定した事業展開ができることが安易に想定できます。
同社は1973年に現社長の藤居秀三氏によって創業されました。藤居社長は元銀行出身でその後陸上自衛隊に転身した異色の経歴を持っています。当初は運送業・製紙原料商として誕生した「藤居商店」から、翌年に現社名へ変更し以来は現ビジネスを行ってきました。
同ビジネスは巨大な処理施設等が必要になるため、設備投資にも巨額なお金が掛かってしまいます。今回のIPOによって資金調達と社会的信用度の向上に努めていくようです。
売上や成長性は?
同社の業績は横ばいです。
事業としては景気に対して大きくぶれにくいところがありますので、売上利益共に横ばいを続けています。しかしながら東京都心を担当している点からも業績に大きなブレが生じるリスクは少ないでしょう。今後は事業エリアの拡大を図る予定で、その点で業容拡大が見込めるといえるでしょう。
事業セグメント別で見てみると、約7割の売上高を占めるのが収集運搬処理事業になります。今後は自社のリサイクルセンターを活用したリサイクル事業の拡大と、行政受託事業を他地域に拡大することで業容の拡大に努めていくことが想定されます。
同社の配当政策は年1回の配当を予定しています。今期は3円配当を出す予定になっているため、想定価格の700円で仮に計算すると、配当利回りは0.4%となる予定です。内部留保を図りながら配当をだしていく方針です。
公募株数 |
総数4,476,300株 (内、公募2,000,000株、売出2,476,300株) |
OA分 |
671,400株 |
発行済み株数 |
15,200,000株 |
想定価格 |
700円(100株単位・7万円) |
仮条件 |
700円 ~ 750円 |
初値予想 |
800円~1,000円 |
想定PER |
約14倍 |
想定PBR |
約0.8倍 |
配当利回り |
0.4% |
想定時価総額 |
106億円 |
今回のIPOによって市場より吸収される金額が36億円と中規模サイズの上場となります。従って大きな初値高騰は期待しにくい点は否めません。一方今回は東証2部の1,000円未満での上場となるため、過去の統計からみると大きく上昇する可能性もひめています。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
藤居 秀三 |
23.38% |
90日間 |
要興業社員持株会 |
21.58% |
90日間 |
(株)要興業 |
7.04% |
|
日本生命保険相互会社 |
6.69% |
90日間 |
大星ビル管理(株) |
5.99% |
90日間 |
大星ビルメンテナンス(株) |
5.99% |
90日間 |
藤居 千惠子 |
3.57% |
|
藤居 幸弥 |
2.61% |
|
荒井 昇 |
2.11% |
90日間 |
中島 和子 |
2.11% |
|
大株主を見ると筆頭株主は社長の藤居氏で23%の同社株を有しています。その他は保険会社や関係会社、従業員持株会など株主は分散されています。
また今回は大株主のうち社長を初めとする関係会社や金融機関に対して90日のロックアップが掛かっています。総発行株式数の34%が市場に出回る形になりますが、3ヶ月の間は需給が締まった取引が予想されます。
売出は藤居社長を含めた10者が応じており247.6万株の売出しとなっています。売出が公募よりも5%ほど多い形で上場する同社ですが、藤居社長は今年で73歳になられることもあり、同族経営からパブリック企業にしていく意味合いも今回のIPOにはあるのではないかと想定されます。
公募分で調達する13億円はリサイクルセンター等の拡張費用や投融資資金、借入金の返済に当てられる予定です。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「要興業」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
証券会社名 |
割当率 |
株数 |
主幹事 |
野村證券 |
86.00% |
3,849,800株 |
幹事 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
4.00% |
179,000株 |
みずほ証券 |
4.00% |
179,000株 |
|
SMBC日興証券 |
4.00% |
179,000株 |
|
SBI証券 |
2.00% |
89,500株 |
今回は大株主の中にも名を連ねていた大手証券会社・野村證券が主幹事を務めており、86%の割当と獲得しています。
今回は銀行系証券が幹事会社として名を連ねておりますが、SBI証券だけ唯一ネット証券として取扱いができます。1,000円未満の公募価格が想定されるので申し込む価値はあるでしょう。
著者のまとめ
2017年12月に産廃処理業者が2社も上場するとは考えておりませんでした。先に上場するミダックは東海地区をメインとしていますが、同社は東京23区というピカピカのエリアをほぼ独占状態でビジネスができているという点があり、非常に高いアドバンテージでしょう。
東証2部で12月上場の銘柄は上場後上がりやすいという統計があるようで、1,000円未満の公募価格という点も初値高騰を狙えそうです。
12月25日というクリスマスの日に大きなクリスマスプレゼントを市場に提供できるか期待したいものです。
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