2019年12月2日に名証セントレックス市場へ上場する「名南M&A」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
名南M&Aの上場日は!?期待度は?
企業名 |
名南M&A |
上場市場 |
名証セントレックス |
銘柄コード |
7076 |
事業内容 |
M&Aの仲介・コンサルティング |
所在地 |
愛知県名古屋市 |
設立 |
2014年 |
従業員 |
27名 |
会社HP |
https://www.meinan-ma.com/ |
監査法人 |
あずさ |
上場日 |
2019年12月2日(月) |
主幹事 |
東海東京証券 |
BB期間 |
2019年11月14日(木)~2019年11月20日(水) |
価格決定日 |
2019年11月21日(木) |
購入申込期間 |
2019年11月22日(金)~2019年11月27日(水) |
同社は東海エリアを中心にM&A仲介業務や経営コンサルティング業務を行う会社です。
後継者不在等の理由で中小企業のM&Aが増える中、地域に根付いたM&A活動を行う会社の上場となります。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.meinan-ma.com/service/)
同社は2014年に設立された若い会社ですが、創業の歴史は2001年に名南経営コンサルティングの企業情報部がスタートとなります。1966年に設立した佐藤澄男税理士事務所を皮切りに、東海地方において税務や法務、労務などの専門家を集めた集団となった名南経営コンサルティングのM&A部門としてスタートとし、2014年に会社分割によって単体企業となりました。
同社はM&A仲介業者として、会社の譲渡を希望する経営者およびオーナーと、会社の買収を検討している企業の間を取り持ち、株式譲渡や事業譲渡等のM&Aの仲介を行っています。
ビジネスモデルとしては、同業のM&A仲介業者と同様に、譲渡企業側と買収企業側との間で取引が成立した後に双方から報酬を徴収する「仲介業務」と、片方から報酬を徴収し、契約までの一連業務のサポートを行い、報酬を徴収する「アドバイザー業務」によって報酬を得るモデルです。
親母体である名南経営コンサルティングは、東海地方で50年以上の実績を持つコンサルティング会社であり、東海地方を中心に約6,000社のクライアントを抱えています。同社は中でも事業承継案件に特化しM&A業務を行い、クライアントの事業承継ニーズに対応しています。
上場時点でM&Aアドバイザーが23人となっており、上場を機にアドバイザー人員の増強を図る予定です。
売上や成長性は?
2015年9月期 |
2016年9月期 |
2017年9月期 |
2018年9月期 |
|
売上高(百万円) |
251 |
368 |
455 |
469 |
経常利益(百万円) |
56 |
43 |
49 |
34 |
当期純利益(百万円) |
34 |
28 |
33 |
23 |
純資産額 (百万円) |
80 |
105 |
144 |
167 |
BPS(円) |
100,043 |
131,140 |
109 |
127 |
EPS(円) |
42,330 |
35,097 |
26 |
17 |
自己資本比率(%) |
65.2 |
72.4 |
80.9 |
78.9 |
ROE(%) |
42.3 |
30.4 |
26.3 |
14.8 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
業績はまずまずの成長です。売上高は直近4期間で増収となっていますが、利益面は人員増強等でコストが先行しているため横ばいです。なお、2019年9月期の3Q(2019年6月)時点で、売上高は728百万円、経常利益は260百万円と過去最高業績が視野に入っています。配当はこれまで無配で、当面も内部留保を確保するため無配を予定しています。
公募株数 |
総数440,000株 (内、公募180,000株、売出260,000株) |
OA分 |
66,000株 |
発行済み株数 |
1,314,850株 |
想定価格 |
1,610円(100株単位・16万円) |
仮条件 |
1,720円~2,000円 |
初値予想 |
2,500円~3,500円 |
想定PER |
約105倍 |
想定PBR |
約5.6倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
21億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は7.6億円で、時価総額が42億円です。マザーズIPO銘柄としては小ぶり案件です。人材採用難の中人材サービスを提供する会社の株価が好調であるため、同社の初値も期待できそうです。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
(株)名南経営コンサルティング |
94.98% |
180日間 |
名南M&A社員持株会 |
0.41% |
|
(株)十六銀行 |
0.38% |
180日間 |
(株)大垣共立銀行 |
0.38% |
180日間 |
岐阜信用金庫 |
0.38% |
180日間 |
(株)百五銀行 |
0.38% |
180日間 |
(株)三重銀行 |
0.38% |
180日間 |
(株)第三銀行 |
0.38% |
180日間 |
(株)名古屋銀行 |
0.38% |
180日間 |
(株)愛知銀行 |
0.38% |
180日間 |
同社の大株主は、創業母体である名南経営コンサルティングで、同社株の95%を保有しています。2位は従業員持ち株会となっている他、十六銀行や大垣共立銀行、愛知銀行や名古屋銀行など東海地方の金融機関が株主に名を連ねています。
今回の売出は名南経営コンサルティングのみで26万株の売出です。
公募は2.6億円の資金調達で、M&Aアドバイザーの採用費用や研修費用、その他人件費や大規模セミナー開催のための費用等に充当する予定です。
今回は売出が公募よりも大きい上場となり、エグジット案件となります。ただし、同社株95%を保有する親会社の株式を市場に売り出す形となるため、閉鎖的な経営に留まらずに拡大していく方針が見えます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「名南M&A」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
割当率 |
株数 |
|
主幹事 |
東海東京証券 |
91.30% |
462,000株 |
幹事 |
みずほ証券 |
2.61% |
13,200株 |
SBI証券 |
2.61% |
13,200株 |
|
岡三証券 |
2.61% |
13,200株 |
|
エース証券 |
0.87% |
4,400株 |
今回の主幹事は地場中堅の東海東京証券が主幹事を務めます。その他みずほ証券を含めた4社が幹事を務めます。
著者のまとめ
活況な動きを見せている中小企業M&Aの中でも、東海エリアを地盤とした同社の上場です。東海エリアでは長く知名度のある名南経営コンサルティング系のM&A仲介会社ということで、エリア内では一定の知名度を有している一方、全国的には無名の仲介会社です。
上場会社には日本M&AセンターやM&Aキャピタルパートナーズ、ストライクと「3大M&A仲介会社」がいるため、同社の規模は見劣りしてしまいます。また上場も地場の名証セントレックス市場とマイナーな市場への上場ですので、注目度はあまり高くありません。
ただし業界柄人気が高いため同社もいい流れで初値を付けていくことが予想されます。