2018年3月15日に東証マザーズ市場へ上場する「神戸天然物化学」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
神戸天然物化学の上場日は!?期待度は?
企業名 |
神戸天然物化学 |
上場市場 |
東証マザーズ市場 |
銘柄コード |
6568 |
事業内容 |
有機化合物の受託研究、受託製造・分離精製および技術開発 |
所在地 |
兵庫県神戸市西区 |
設立 |
1985年 |
従業員 |
244名 |
会社HP |
http://www.kncweb.co.jp/ |
監査法人 |
あずさ |
上場日 |
2018年3月15日(木) |
主幹事 |
SMBC日興証券 |
BB期間 |
2018年2月28日(水)~2018年3月6日(火) |
価格決定日 |
2018年3月7日(水) |
購入申込期間 |
2018年3月8日(木)~2018年3月13日(火) |
同社は製薬メーカーや製造業向けの有機化学品の研究・開発サービスを展開している企業です。
新薬の開発や機能品の開発には「新しい化合物」が重要となる一方で、これらの研究開発にはコストと手間が掛かって来ます。
同社はこれらのメーカーと共同で化合物の研究を行ったり、受託を受けることで顧客の研究開発および製造の効率化を図っています。
どんなことをしている会社なの?
同社は製薬メーカー等の研究開発を受託する会社として1985年に創業し、高い有機化合物の生成技術を有し、医薬品や電子部品の「製品」を作る前の「中間体」と「原体」の研究・開発をメイン事業としています。
売上の95.3%が国内の大手製薬メーカーや化学メーカーであり、委託と共同開発の両面から貢献しています。
近年のバイオ医薬品開発や、高機能性製品、半導体部品などの高度化する製品を構成するための「有機化合物」をメーカーのために開発し、提供することで売上をとっています。
同社の顧客側からは、同社が高い技術力を有しているため、「委託」することで研究開発の効率化を図ることができるというメリットが生じます。
今後の更なる技術革新の土台を支える事業を行っているのが同社であると言えます。
売上や成長性は?
2013年3月期 |
2014年3月期 |
2015年3月期 |
2016年3月期(連結) |
2017年3月期 |
|
売上高(千円) |
3,805,729 |
4,004,544 |
3,811,806 |
4,612,048 |
4,768,008 |
経常利益(千円) |
238,648 |
282,490 |
217,777 |
288,037 |
740,797 |
当期純利益(千円) |
180,604 |
287,976 |
182,019 |
391,130 |
484,329 |
純資産額 (千円) |
3,189,081 |
3,476,470 |
3,663,956 |
3,748,281 |
4,183,827 |
BPS(円) |
3,189,081.88 |
3,476,470.97 |
3,663,956.38 |
624.71 |
697.30 |
EPS(円) |
180604.74 |
287,976.78 |
182,019.02 |
65.19 |
80.72 |
自己資本比率(%) |
51.5 |
47.8 |
43 |
42.72 |
47.3 |
ROE(%) |
5.8 |
8.6 |
5.1 |
10.9 |
12.2 |
配当性向(%) |
11.1 |
6.9 |
11 |
55.8 |
18.6 |
同社の業績推移ですが、売上高と利益共にここ2年ほどで増加傾向にあります。安定した取引先を有しているため業績が大きくブレることが少ないと言えます。昨年度は1株につき15円の配当を出しています。安定配当を出していくという方針をすでに出しています。
公募株数 |
総数2,268,000株 |
OA分 |
340,200株 |
発行済み株数 |
7,380,000株 |
想定価格 |
2,340円(100株単位・24万円) |
仮条件 |
− |
初値予想 |
2,500円~4,500円 |
想定PER |
約36倍 |
想定PBR |
約2.5倍 |
配当利回り |
0.5%程度 |
想定時価総額 |
172億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は61億円ほどと、マザーズにしては大きめの上場となりますので初値高騰は難しいでしょう。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
広瀬 克利 |
30.70% |
180日間 |
KNC興産㈱ |
25.20% |
180日間 |
宮内 仁志 |
17.70% |
180日間 |
岩本 定義 |
4.00% |
180日間 |
広瀬 正幸 |
4.00% |
180日間 |
松長 紀義 |
4.00% |
180日間 |
純正化学㈱ |
4.00% |
180日間 |
吉田 忠嗣 |
3.00% |
180日間 |
吉田 正博 |
2.60% |
180日間 |
乾 由月 |
2.00% |
180日間 |
同社株は創業社長である広瀬社長が約31%、資産管理会社で約25%を保有しているオーナー企業です。今回の売出分は広瀬社長を含めた大株主9名、計88万株の売出となります。
また今回の新規発行によって調達する約30億円は、新工場の建設及び設備更新、また過去の工場建設に掛かった借入金の返済等に充てられる予定です。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「神戸天然物化学」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
証券会社名 |
割当率 |
株数 |
主幹事 |
SMBC日興証券 |
–% |
–株 |
幹事 |
野村證券 |
–% |
–株 |
SBI証券 |
–% |
–株 |
|
エース証券 |
–% |
–株 |
今回はSMBC日興証券が主幹事を務めております。今回の上場は規模の割には取り扱い証券会社が少なく、当選確率は中くらいのイメージです。
業種的には地味ではあるものの、付加価値の高いビジネスを行っている点が評価できます。一方で時価総額の大きさから寄付きからの大きな高騰は上場してみないと分からないところもあります。
著者のまとめ
日本の得意な分野である「研究開発」に特化した企業が上場してきます。大手製薬メーカーや化学メーカーとの太いパイプを有しており、かつオーナー企業という隠れた好材料を有した会社であると言えます。
同社の近いビジネスモデルを有している企業として、2017年に上場した「大阪油化工業」が挙げられます。同社は前評判はあまり高くなかったものの、上場後大きく株価を上げたこともあり、神戸天然物化学も同様のことが言える可能性が高いです。
市場が大きく動いているものの将来性の高い企業は引き続き投資マネーが入ってくることが見込まれますので是非とも同社のIPOには積極的に申し込みたいところです。
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