2018年6月29日に東証1部or2部市場へ上場する「スプリックス」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
スプリックスの上場日は!?期待度は?
企業名 |
スプリックス |
上場市場 |
東証1部or2部市場 |
銘柄コード |
7030 |
事業内容 |
個別指導学習塾の運営を中心とした、教育サービス事業 |
所在地 |
新潟県長岡市 |
設立 |
1997年 |
従業員 |
387名 |
会社HP |
https://sprix.jp/ |
監査法人 |
あずさ |
上場日 |
2018年6月29日(金) |
主幹事 |
野村證券 |
BB期間 |
2018年6月12日(火)~2018年6月18日(月) |
価格決定日 |
2018年6月19日(火) |
購入申込期間 |
2018年6月21日(木)~2018年6月26日(火) |
同社は学習塾「森塾」ブランドを中心に運営する学習塾運営企業です。
少子化の流れの日本ですが、学習塾に通う生徒が増えているという背景から積極的に店舗拡大を図っている企業です。新潟県長岡市が本店ですが、積極的なエリア拡大を見せている勢いのある教育関連企業です。
学習塾のほかeラーニング型の教育教材の開発も行っており、市場ではこちらで注目されそうです。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://sprix.jp/business/indi.html)
同社は1997年に創業し、個別指導学習塾「森塾」を新潟県長岡市に開設しました。「1科目で+20点の学校成績の向上」という「成績保証制度」を業界で初めて持ち込み、その他指導オペレーションの効率化によって、1講師あたり200名の生徒を抱えても地域の指導塾の価格帯と同程度に抑えられています。
現在直営88教室、FC34教室を抱えており、各教室の生徒数は平均300名と業界でもトップの生徒数を抱えています。その他のブランドとしてタブレットを活用した学習塾「自立学習RED」を直営・FC合わせて48教室を展開しています。
その他自社開発の教材である「フォレスタ」は冊子、eラーニングと幅広くカバーをしており、塾講師求人サイトの運営もしています。本社機能は東京都豊島区に有しています。
売上や成長性は?
|
2013年9月期 |
2014年9月期 |
2015年9月期 |
2016年9月期 |
2017年9月期 |
売上高(百万円) |
4,376 |
4,902 |
5,832 |
7,191 |
8,505 |
経常利益(百万円) |
146 |
163 |
337 |
477 |
1,165 |
当期純利益(百万円) |
△22 |
74 |
184 |
253 |
855 |
純資産額 (百万円) |
1,332 |
1,406 |
1,591 |
1,787 |
2,595 |
BPS(円) |
12,573 |
13,276 |
15,017 |
112 |
163 |
EPS(円) |
△209 |
703 |
1,741 |
16 |
54 |
自己資本比率(%) |
59 |
53.9 |
54 |
51.3 |
51.3 |
ROE(%) |
– |
5.4 |
12 |
15.1 |
39 |
配当性向(%) |
- |
- |
20.1 |
20.0 |
30.0 |
同社の業績推移は教室数の増加もあり、売上高・利益共に5期連続増収増益となっています。特に直近期の業績の伸びは目を見張るものがあります。配当政策は内部留保を確保しつつ、配当性向30%を目指して配当を出して行く方針です。
公募株数 |
総数5,532,200株 (内、公募412,500株、売出5,119,700株) |
OA分 |
829,800株 |
発行済み株数 |
16,301,250株 |
想定価格 |
2,180円(100株単位・22万円) |
仮条件 |
2,180円~2,400円 |
初値予想 |
2,500円~3,500円 |
想定PER |
約42倍 |
想定PBR |
約10倍 |
配当利回り |
0.7% |
想定時価総額 |
355億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は138億円と大きく、時価総額355億円と大きいため初値高騰は難しいでしょう。ただし、VC等が入っていないためIT学習事業を行っている同業他社の株価状況を踏まえれば値上がりする材料はもっています。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
(有)フラットストーン |
47.0% |
90日間 |
平石 明 |
38.5% |
90日間 |
常石 博之 |
10.2% |
90日間 |
(株)三菱UFJ銀行 |
1.0% |
90日間 |
先崎 将智 |
0.13% |
|
平井 利英 |
0.04% |
|
相上 敏 |
0.04% |
|
三善 達也 |
0.04% |
|
山内 和弘 |
0.04% |
|
服部 剛志 |
0.04% |
|
同社は平石明社長の資産管理会社が47%の筆頭株主で、平石社長で39%と約8割を有しています。その他常石副社長を含めた役員・従業員が大株主に名を連ねています。
売出は平石社長のみで約512万株です。
公募によって調達する8.4億円は森塾の新規出店費用や、教材の開発等の資金に充てられる予定です
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「スプリックス」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
株数 |
割当率 |
主幹事 |
野村證券 |
4,813,500株 |
87.0% |
幹事 |
大和証券 |
221,300株 |
4.0% |
SMBC日興証券 |
138,300株 |
2.5% |
|
みずほ証券 |
110,600株 |
2.0% |
|
極東証券 |
82,900株 |
1.5% |
|
SBI証券 |
55,200株 |
1.0% |
|
岩井コスモ証券 |
55,200株 |
1.0% |
|
エース証券 |
55,200株 |
1.0% |
今回は業界大手の野村證券が主幹事です。株数は比較的多いため獲得にはあまり苦労しないでしょう。eラーニング事業の拡大は市場で注目されているため、公募株の応募も多くなる可能性がありますが、学習塾運営という点の注目がどれほどになるかはいまいちわからないところです。
著者のまとめ
2018年6月はIPOが続いていますが、同社もその波に乗ろうとしているように感じます。学習塾業界でも高い効率性と生徒数の多さから一目置かれている存在でしたが、2014年にリリースした教育アプリ「ゴールスタート」が個人情報絡みで配信停止になって点が少々気になります。
企業体質ではないとの話となっていますが、上場後にこれらのコンプラ絡みでの問題露出は株価に与える影響が大きいため注意したいところです。ただしそれ以外に懸念する業績ではないため、体質改善が図られていると期待して投資をしていきたいと思います。