2018年10月18日に東証ジャスダックスタンダード市場へ上場する「プリントネット」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
プリントネットの上場日は!?期待度は?
企業名 | プリントネット |
上場市場 | 東証ジャスダックスタンダード市場 |
銘柄コード | 7805 |
事業内容 | インターネットを用いた印刷物の受注販売 |
所在地 | 鹿児島県鹿児島市 |
設立 | 1987年 |
従業員 | 230名 |
会社HP | https://odahara.jp/ |
監査法人 | トーマツ |
上場日 | 2018年10月18日(木 ) |
主幹事 | みずほ証券 |
BB期間 | 2018年10月1日(月)~2018年10月5日(金) |
価格決定日 | 2018年10月9日(火) |
購入申込期間 | 2018年10月10日(水)~2018年10月15日(月) |
同社は印刷物や印刷資材のネット販売を行う企業です。
同業には既に上場したラクスルがいるなど前例があるネット印刷業界で、本社を鹿児島に置く地方銘柄です。印刷業界の将来性には疑念はありますが、ネット印刷業界は年々伸びており、地味ながらも堅実な成長を見せそうな企業の上場です。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://odahara.jp/)
同社は1987年に鹿児島で創業しました。元々は1968年に鹿児島県姶良市(旧姶良町)で現社長の小田原洋一氏の先代が個人事業として創業した印刷製本・販売業が起源です。
創業当初は官公庁向けの印刷製本を中心に事業を行っていましたが、2005年にインターネットを活用した事業を開始し、以降はネットでの印刷注文を請け負う事業に転換していきました。
主にBtoB向けの印刷通信販売に強みを持っており、発送代行サービスも手掛けています。パートナー先として同業者であるラクスルと業務提携を結ぶなど、ネット印刷業界では知られた存在です。
売上や成長性は?
2013年10月期 | 2014 年10月期 | 2015年10月期 | 2016 年10月期 | 2017年10 月期 | |
売上高(百万円) | 3,325 | 3,863 | 4,787 | 5,858 | 6,848 |
経常利益(百万円) | 77 | 127 | 258 | 523 | 657 |
当期純利益(百万円) | 41 | 11 | 200 | 387 | 409 |
純資産額 (百万円) | 164 | 174 | 375 | 908 | 1,487 |
BPS(円) | 409,881 | 436,202 | 9,372 | 214 | 333 |
EPS(円) | 101,854 | 26,321 | 5,010 | 97 | 92 |
自己資本比率(%) | 7 | 7 | 11 | 21.5 | 32.2 |
ROE(%) | 28 | 6 | 73 | 60.3 | 34.1 |
配当性向(%) | – | – | – | – | – |
同社の業績は右肩上がりで成長しています。売上高は5期連続で伸びており、特に5期で売上高が2倍以上になっています。利益についても右肩上がりに伸びています。配当政策について内部留保を優先するため当面無配を予定しています。
公募株数 | 総数1,606,100株 (内、公募750,000株、売出856,100株) |
OA分 | 240,000株 |
発行済み株数 | 5,220,400株 |
想定価格 | 1,360円(1株単位・14万円) |
仮条件 | 1,360円~1,400円 |
初値予想 | 1,800円~2,000円 |
想定PER | 約17倍 |
想定PBR | 約3倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 71億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は25億円で、時価総額は71億円となっており、時価総額に対する調達資金の割合が多い点が気になります。競争が激しいネット業界において戦略的な投資を行う目的での資金調達である点を考えると前向きにとらえることもできますが、投資家の意見は二分する可能性が高いです。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
PNコーポレーション(株) | 44.07% | 180日間 |
小田原 洋一 | 33.02% | 180日間 |
森田 樹里 | 4.41% | |
大日本商事(株) | 1.76% | |
ラクスル(株) | 0.88% | |
日本アグフア・ゲバルト(株) | 0.88% | |
富士フィルムグローバルグラフィックシステムズ(株) | 0.88% | |
(株)アイカ | 0.88% | |
(株)桂紙業 | 0.88% | |
(株)紙藤原 | 0.88% |
大株主は、小田原社長の資産管理会社である「PNコーポレーション(株)」で、同社株の44%を保有しています。小田原社長個人で33%保有しているため、実質3分の2以上を保有するオーナー会社です。その他小田原家一族と同社役員及び従業員が株式を保有しています。
一番注目する点は顧客となる企業が多く同社株を有している点です。上場会社から上場子会社をはじめ、20社以上の企業が少数株主として出資しています。提携先のラクスルも同社株を有しています。
売出は小田原社長を含めた個人10名で約85.6万株です。小田原社長および資産管理会社に180日ロックアップがかかっていますが、他の株主には制限がかかっていないため、大きく上昇した場合にはエグジットリスクを考える必要があります。
公募によって調達する9.3億円は、翌期に関東エリアで建設を予定している工場の設備投資資金に充てられます。売出比率は53%となっているため、オーナー一族のエグジット及び資金調達を伴ったIPOです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「プリントネット」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | みずほ証券 | 91.31% | 1,685,700株 |
幹事 | 岡三証券 | 4.35% | 80,300株 |
いちよし証券 | 1.74% | 32,100株 | |
東洋証券 | 0.87% | 16,000株 | |
SBI証券 | 0.87% | 16,000株 | |
マネックス証券 | 0.87% | 16,000株 |
今回はみずほ証券が主幹事を務めています。株数は少なくはないため当選する確率はあります。
著者のまとめ
同業者で株主でもあるラクスルは、上場初値が割れてしまった経験則があり、同社も同様のリスクを考えられます。ただし同社はしっかりと利益を出しているため初値については強気にみてもいいのではないでしょうか。
ネット印刷業はシェアリングエコノミーの流れで伸びる可能性が高く、今後の成長を踏まえると全力で投資をしても面白い案件です。
地方銘柄ということもあり、参戦する投資家が多くなる可能性もありますので同行から目が離せません。