2021年3月26日に東証マザーズ市場へ上場する「ブロードマインド」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ブロードマインドの上場日は!?期待度は?
同社は保険・証券・住宅ローンを含めた金融サービスを提供する会社です。
IFAをはじめ、独立した金融アドバイスを行うフィナンシャルアドバイザーを求める方が増えており、時代の流れから新たな金融銘柄として注目を集めることが予想されます。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | ブロードマインド |
上場市場 | 東証マザーズ |
銘柄コード | 7343 |
事業内容 | 個人および法人向けに保険代理店業、住宅ローン代理業、金融商品仲介業、宅地建物取引業にかかわるソリューションをワンストップで提供するフィナンシャルパートナー事業 |
所在地 | 東京都渋谷区 |
設立 | 2002年 |
従業員 | 231名 |
会社HP | https://www.b-minded.com/ |
監査法人 | 太陽 |
上場日 | 2021年3月26日(金) |
主幹事 | みずほ証券 |
BB期間 | 2021年3月10日(水)~ 2021年3月16日(火) |
価格決定日 | 2021年3月17日(水) |
購入申込期間 | 2021年3月18日(木)~ 2021年3月23日(火) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.b-minded.com/service/personal/)
同社は2002年にソニー生命出身の伊藤清氏によって設立された会社で、当初は生命保険・損害保険の乗合代理店として事業をスタートした歴史があります。
その後、2009年から金融商品仲介業者としてIFA事業をスタートし、住宅ローン事業や不動産仲介業など事業領域を拡大していきました。2019年度時点で約61,423世帯の顧客数まで顧客層を拡大しており、年間新規獲得顧客数は6,308世帯と着実な実績を上げています。
同社は顧客のライフプランに合わせた金融サービスを提供する金融コンサルティングサービスを行っており、若年層からリタイアメント層までを横断的にサポートすることを軸にビジネスを行っています。
これまでの金融ビジネスは保険・証券・不動産それぞれに相談する必要があり、連動性のない金融商品を保有する方が多かった現実があり、同社に相談することで、トータルプランニングの中で最適な商品選択を行うことができる体制を整えています。
中でも、クレジットカード会社や信販会社を中心に大手企業との提携を行っており、顧客に対してテレマーケティングやセミナーによって新規顧客の獲得につなぐことができるという特徴があります。
その他、生損保代理店を行っている会社の中でも、保険代理行・銀行代理業(住宅ローン)・金融商品仲介業のライセンスを有している会社は同社を含め5社となっており、他社に比べても高い優位性を保っています。
上場後は優秀なファイナンシャルプランナーを採用し、事業拡大に努めていく模様です。
2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
売上高(百万円) | 2,277 | 2,434 | 2,523 | 3,141 | 3,245 |
経常利益(百万円) | 222 | 258 | 281 | 558 | 291 |
当期純利益(百万円) | 140 | 231 | 168 | 401 | 178 |
純資産額 (百万円) | 1,029 | 1,237 | 1,382 | 1,842 | 1,992 |
BPS(円) | 22,527 | 27,073 | 30,240 | 403 | 436 |
EPS(円) | 3,069 | 5,046 | 3,667 | 88 | 39 |
自己資本比率(%) | 61.1 | 66.50 | 60.5 | 65.7 | 66.8 |
ROE(%) | 14.5 | 20.4 | 12.8 | 24.4 | 9.3 |
配当性向(%) | 16.3 | 9.9 | 13.6 | 6.7 | 13.5 |
業績はまずまずといったところです。2019年3月期より連結決算となっているため、単純比較はできませんが、売上高は5期連続の増収で、利益は前期は人件費増加と海外不動産事業におけるコスト増によって減益となりました。
尚、2021年3月期3Q(2020年12月)の売上高は2,575百万円、経常利益は377百万円と、前期決算を上回る勢いで業績を上げています。
配当はこれまでも配当を出してきており、上場後も内部留保や投資を優先しつつも配当をだしていく方針です。前期の配当利回りは0.7%であったものの、今後の目線は未定です。
公募株数 | 総数900,000株 (内、公募600,000株、売出300,000株) |
OA分 | 135,000株 |
発行済み株数 | 5,170,000株 |
想定価格 | 710円(100株単位:7万円) |
仮条件 | 710円 ~ 810円 |
初値予想 | 1,000円 ~ 1,800円 |
想定PER | 約21倍 |
想定PBR | 約2倍 |
配当利回り | 0.7% |
想定時価総額 | 37億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は7億円で、時価総額が37億円と東証マザーズ上場銘柄としては小型案件です。事業としては注目を集めている業界であるため、初値は一定水準までは高騰する可能性が高いでしょう。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
伊藤 清 | 36.94% | 180日間 |
笹川 治信 | 15.56% | 180日間 |
吉橋 正 | 14.27% | 180日間 |
小林 義典(信託口) | 9.26% | |
メットライフ生命保険(株) | 7.87% | 90日間 |
大西 新吾 | 5.81% | 180日間 |
小林 義典 | 1.85% | |
あいおいニッセイ同和損害保険(株) | 1.85% | 90日間 |
佐藤 誠 | 1.30% | |
佐藤 秀昭 | 0.93% |
同社の株主構成ですが、筆頭株主は代表取締役の伊藤清氏で37%を保有する大株主です。その他は外部協力者や役員及び従業員、取引先が株式を保有しています。
今回の売出はメットライフ生命保険を含め2者で、300,000株の売出です。
今回は公募で3.8億円の資金調達を行い、調達資金は広告宣伝費や人材採用費、Webサービスの向上に充てる予定です。
尚、大株主には180日もしくは90日のロックアップがかかっております。今回の売出に経営陣は参加しておらず、上場後も保有継続をすることを考えるとエグジットリスクは低いと言えます。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、成長ドライバーである優秀人材の採用費や広告宣伝費と事業拡大に必要な資金調達であるため、前向きなIPOであると言えます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ブロードマインド」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | みずほ証券 | 91.30% | 945,000株 |
幹事 | SBI証券 | 2.61% | 27,000株 |
楽天証券 | 2.61% | 27,000株 | |
マネックス証券 | 1.74% | 18,000株 | |
松井証券 | 0.87% | 9,000株 | |
あかつき証券 | 0.87% | 9,000株 |
今回の主幹事はみずほ証券が主幹事を務めます。その他SBI証券を含めた5社が幹事を務めます。
著者のまとめ
同日にはイー・ロジットが上場してきますが、同社とほぼ同等の評価であると思われる一方、事業柄注目を集めることが想定されますので、一定の初値高騰は見込めるでしょう。同社は優秀なフィナンシャルアドバイザーの獲得が必要となってくるため、今後の動向には注目したいところです。