2018年6月27日に東証マザーズ市場へ上場する「IPS」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
IPSの上場日は!?期待度は?
企業名 |
IPS |
上場市場 |
東証マザーズ市場 |
銘柄コード |
4390 |
事業内容 |
フィリピンでのケーブルテレビ事業者向けの国際通信サービスの卸し提供及び法人向けインターネット接続サービス(ISP)の提供、日本国内での主としてコールセンターを対象とした音声通信事業、在留外国人を対象とした人材紹介・人材派遣及び求人広告等の提供及びフィリピンでの眼科を中心としたクリニックの運営 |
所在地 |
東京都中央区 |
設立 |
1991年 |
従業員 |
50名 |
会社HP |
http://ipsism.co.jp/ |
監査法人 |
優成 |
上場日 |
2018年6月27日(水) |
主幹事 |
SBI証券 |
BB期間 |
2018年6月11日(月)~2018年6月15日(金) |
価格決定日 |
2018年6月18日(月) |
購入申込期間 |
2018年6月19日(火)~2018年6月22日(金) |
同社はフィリピンを中心とした通信事業と人材紹介等を行うグループ企業です。
創業時は国際電話の代理店事業を行っていましたが、時代の流れに応じてメインマーケットであったフィリピンを中心とした複数事業を展開する海外事業メインの事業展開を行っている企業です。
どんなことをしている会社なの?
(参照:http://ipsism.co.jp/international-telecom/)
同社は1991年にリクルート出身の宮下幸治氏が外国人の日本企業への就労斡旋を行うことを目的に創業した会社です。
その後フィリピン人向けの国際電話サービスの提供を行っていましたが、時代の流れに合わせて体系を変えています。現在はフィリピン・マニラでCATVへの海底ケーブルを用いた国際インターネット回線網の提供や、国内のMVNO事業者向けの国内外音声通話サービスの提供、在留フィリピン人向けの人材斡旋や医療クリニック事業を行っています。
上場会社の中でも珍しいフィリピン人向けに特化した事業があるなど、特色のある企業です。
売上や成長性は?
|
2014年3月期 |
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
売上高(百万円) |
2,188 |
2,587 |
3,590 |
4,160 |
5,328 |
経常利益(百万円) |
△135 |
51 |
217 |
521 |
819 |
当期純利益(百万円) |
△101 |
8 |
85 |
290 |
481 |
純資産額 (百万円) |
511 |
524 |
612 |
914 |
1,435 |
BPS(円) |
51,157 |
52,492 |
241 |
379 |
628 |
EPS(円) |
△10,061 |
824 |
42 |
145 |
241 |
自己資本比率(%) |
21 |
17.5 |
13 |
17.4 |
– |
ROE(%) |
– |
1.6 |
19 |
46.7 |
– |
配当性向(%) |
- |
- |
- |
- |
- |
同社の業績推移ですが、売上・利益共にここ数年で右肩上がりに成長しています。配当政策は内部留保中心のため無配を予定しています。
公募株数 |
総数320,000株 (内、公募320,000株、売出0株) |
OA分 |
48,000株 |
発行済み株数 |
2,318,000株 |
想定価格 |
3,730円(100株単位・37万円) |
仮条件 |
3,730円~3,900円 |
初値予想 |
4,500円~6,000円 |
想定PER |
約30倍 |
想定PBR |
約4倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
86億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は14億円と中規模です。時価総額86億円とマザーズとしては中規模サイズとなります。期待されやすい通信事業者という点から注目は集めることが想定されます。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
宮下 幸治 |
52.2% |
90日間or1.5倍 |
日本テクノロジーベンチャーパートナーズアイ五号投資事業有限責任組合 |
4.9% |
90日間or1.5倍 |
(株)ハウスメイトパートナーズ代表取締役 江連 三芳 |
4.5% |
90日間or1.5倍 |
鍬田 敏夫 |
4.1% |
90日間or1.5倍 |
Herbert Uy. Dy |
3.7% |
90日間or1.5倍 |
日本テクノロジーベンチャーパートナーズi-S2号投資事業有限責任組合 |
3.2% |
90日間or1.5倍 |
上森 雅子 |
2.9% |
90日間or1.5倍 |
上田 達也 |
2.3% |
|
前田 知之 |
1.5% |
90日間or1.5倍 |
投資事業組合オリックス9号 業務執行組合員 オリックス・キャピタル(株) |
1.4% |
|
同社は宮下社長が50%以上を有するオーナー会社です。他数社のVCも入っている点からも期待された事業をしてきていると想定されます。
今回は売出がゼロで公募のみです。
公募によって調達する10.8億円はフィリピンにおける光ファイバーの敷設資金や個人向けのWi-Fi発信事業への投資に充てられる予定です。上場後は宮下社長の持ち株比率が50%を下回りますが、引き続き大株主です。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「IPS」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
株数 |
割当率 |
主幹事 |
みずほ証券 |
272,000株 |
85.0% |
幹事 |
SBI証券 |
16,000株 |
5.0% |
SMBC日興証券 |
16,000株 |
5.0% |
|
マネックス証券 |
6,400株 |
2.0% |
|
岡三証券 |
6,400株 |
2.0% |
|
むさし証券 |
3,200株 |
1.0% |
今回はみずほ証券が主幹事となります。株数が非常に少ないため当選は難しいでしょう。
著者のまとめ
同社を含めて6月27日に4社が同時に上場してきます。事業としては目新しさはないものの、フィリピンに特化した事業があるなど特色が見られる企業のため、期待を持って投資をしてくる機関投資家もいることが想定されます。
VCが入っているためエグジットの際には株価の変動が想定されますが、売出ゼロという完全な成長のための上場を選んだ経営者の意気込みには期待してもいいのではないかと考えています。
またリクルート出身の社長の企業が、これまでに戦略に飛んだ事業運営を行ってきている企業が多いことからもダークホース的な存在で値上がりが期待できそうです。