2017年10月5日に東証ジャスダック市場へ上場する「大阪油化工業」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
大阪油化工業の上場日は!?期待度は?どんな会社なの?
企業名 |
大阪油化工業 |
上場市場 |
東証ジャスダック市場 |
銘柄コード |
4124 |
事業内容 |
各種素材の精密蒸留精製 |
所在地 |
大阪府枚方市 |
設立 |
1962年 |
従業員 |
38人 |
会社HP |
|
監査法人 |
あずさ |
上場日 |
2017年10月5日(木) |
主幹事 |
野村證券 |
BB期間 |
2017年9月19日(火)~2017年9月25日(月) |
価格決定日 |
2017年9月26日(火) |
購入申込期間 |
2017年9月27日(水)~2017年10月2日(月) |
1962年に創業と新規上場としては老舗の企業である同社は、1949年にろうそくの原料となる「粗パラフィン」の精製および販売を目的として創業後、現在のビジネスモデルである「精密蒸留精製」事業を行う目的で業態変更しました。
近年は電子部品や半導体の需要が増してきておりますが、自然界より原料を取ってきたとしてもそのままでは部品を作れません。それぞれの部品に合わせた「精製」を行わなければ質の高い部品として利用ができないのです。
精製を行うためには大規模な設備投資を必要とするとするため、同社のように「受託精製」を行う企業にアウトソーシングする企業が多いのが現状です。
同社は早くから「受託精製」に取り組んでいたため、高度なノウハウと大手企業からの安定した受託を受けております。
昨今話題のEV自動車や有機ELディスプレイ分野でも同社は関連企業の受託を受けており、今後の業容拡大が見込めます。
どんなことをしている会社なの?
同社は創業以来石油関連の化学品精製を事業の根幹として経営をしてきました。身近にあるプラスチック製品などは基本的に石油を精製して作られているものが多く、同社は創業以来多くの製品誕生に関わってきたといっても過言ではありません。
その中でも「受託事業」においては大手企業からの受託精製を多く受けており、ものづくりニッポンを影ながら支えている企業でもあります。特に近年では電子部品に利用するための半導体に使われる「シリコンウエハー」の元となる「シリコンインゴット」を始め、機能性製品の原料精製を受託しております。
また大手企業や中小企業などを中心に、蒸留技術の指導などの「研究開発支援」事業を行っております。
自社製造の精製機器販売も行っており、メーカーの原料精製に対するスタンスに合わせたビジネスモデルを確立しております。
また顧客のみならず、「従業員の満足度」を図るための「サービスチーム力診断」事業も展開しており、多くの企業から収集したデータを駆使して「企業内の満足度」を他社比較できるようになっております。
近年「働き方改革」と政府が提唱しておりますが、従業員のモチベーションを調べるためのノウハウを有している同社への依頼が増えております。
今後は顧客ニーズが多様化している今日に対応する人材の育成や柔軟な受託に向けた設備投資が必要であり、老舗企業の同社は資金調達や知名度向上にも繋がる新規上場の道を選択しました。
同社は現会長の堀田修平氏および現社長の堀田哲平氏を含めた「堀田家」による経営を行ってきましたが、上場を機に更なる事業拡大を図る予定です。
売上や成長性は?
業績面においてはまずまずな推移を続けております。
売上高は横ばいを続けておりますが、利益面はここ数年高い成長を遂げております。
製造業である同社ですが、自己資本比率が前期決算時には75%を超えており、経営の健全性を誇っております。また配当政策ですが、前期決算において1株あたりの期末配当が350円支払われておりました。今回は株式分割が行われているため上場後は1株35円の期末配当が見込まれております。
ただし期末一括配当の意向を示しているため、配当は事業推移次第であります。
公募株数 |
総数530,000株 (内、公募270,000株、売出260,000株) |
OA分 |
79,500株 |
発行済み株数 |
939,170株 |
想定価格 |
1,830円(100株単位・18万円) |
仮条件 |
1,830円~1,860円 |
初値予想 |
1,800円~2,100円 |
想定PER |
約10倍 |
想定PBR |
約1.3倍 |
配当利回り |
1.8%程度 |
想定時価総額 |
17.1億円 |
今回のIPOによって市場より吸収される金額が11億円ほどであり、発行株数の半数以上が市場に出てくる計算となります。人気化となりにくい業種ですが、直近好調のジャスダック市場上場ということもあり注目されやすいと言えましょう。
業績に対しても割安感がありますので思った以上の値上がりも期待できる可能性が高いです。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
堀田 哲平 |
68.92% |
90日間 |
堀田 修平 |
23.43% |
90日間 |
野村 直樹 |
1.59% |
90日間 |
島田 嘉人 |
1.52% |
90日間 |
石川 清 |
0.34% |
|
堺 清 |
0.34% |
|
野村 正一 |
0.34% |
|
若狹 章泰 |
0.28% |
|
藤井 洋一 |
0.28% |
|
林 安彦 |
0.28% |
今回は売出に応じた株主は筆頭株主である社長の堀田哲平氏と会長の堀田修平氏の2名であり、一族経営からの脱出が見て取れます。しかしながらオーナーが筆頭株主であることは意思決定の判断スピードが速くなる傾向があるため、企業成長が見込めます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「大阪油化工業」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
株式会社名 | 割当率 | 株数 | |
主幹事 |
野村證券 |
91.0% |
482,300株 |
幹事 |
大和証券 |
5.0% |
26,500株 |
SMBC日興証券 |
3.0% |
15,900株 |
|
SBI証券 |
1.0% |
5,300株 |
今回は10月4日現在割当が完了しているため、購入は市場での買いつけとなります。主幹事の野村證券が約9割の割当があったため、全体的には当選率は少ない案件であったと考えられます。取り扱い会社が4社のため、株式割り当てがあまり分散していない点は評価できるでしょう。
今後の情報はマネーボックスで確認することができます。新規上場銘柄の情報はここからチェックすることができ大阪油化工業の上場後10月5日以降はここ(4124 大阪油化工業)から日々の値動きを確認することができます。
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これから株投資をスタートする方や、投資をする方の情報収集にも役立ちますね!
著者のまとめ
10月5日は3社同時上場のため株式資金が集中することは考えにくいですが、同社のビジネスモデルを期待した買いが見込めるでしょう。
市場では漢字の企業を嫌う傾向がありますが、同様の老舗企業での上場が近年起きておりますがしっかりとした値上がりを見せております。
特に同社の強みである「精密蒸留精製」事業は、EV自動車や有機ELパネル精製には必要不可欠であり、直近の市場注目銘柄群に入ってくることは必至でしょう。
ものづくりニッポンを支える同社の値上がりに期待したいです。
本文中の画像参照先:http://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/connect/ipo/201708312101.pdf