2021年6月22日に東証マザーズ市場へ上場する「ペルセウスプロテオミクス」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ペルセウスプロテオミクスの上場日は!?期待度は?
同社はがん治療専門の創薬ベンチャー会社です。
東大発のバイオベンチャーで、がん治療に特化した治療薬の開発を手がけるなど将来性に期待が持てる会社の上場となります。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | ペルセウスプロテオミクス |
上場市場 | 東証マザーズ |
銘柄コード | 4882 |
事業内容 | 医薬品等の研究開発、製造、販売 |
所在地 | 東京都目黒区 |
設立 | 2001年 |
従業員 | 22名 |
会社HP | https://www.ppmx.com/ |
監査法人 | あずさ |
上場日 | 2021年6月22日(火) |
主幹事 | SBI証券 |
BB期間 | 2021年6月4日(金)~ 2021年6月10日(木) |
価格決定日 | 2021年6月11日(金) |
購入申込期間 | 2021年6月14日(月)~ 2021年6月17日(木) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.ppmx.com/corporate/)
同社は2001年に東京大学先端科学技術研究センター・システム生物医学ラボラトリー(LSBM)で開発されたタンパク質発現・抗体の作製技術を生かした創薬開発を行うために設立された東大発ベンチャー会社です。
同社の技術は「ハイブリドーマ法」と「ファージディスプレイ法」の双方を組み合わせた創薬技術であり、高機能抗体をもった治療薬によって、治療が困難とされていたがん治療を容易にするべく研究開発を行ってきました。
これまではマウスを使って抗体を取り出す「ハイブリドーマ法」を用いる創薬メーカーが多くありましたが、同社は動物を用いない「ファージディスプレイ法」の技術研究を長く取り組んでおり、既存技術を組み合わせた創薬開発に取り組んでいます。
ファージディスプレイ法は、人間の抗体から「がん細胞」に結合する抗体をスクリーニングし、薬剤に用いることができる抗体を選別することを可能としています。
このような独自技術を背景に、富士フイルムや中外製薬との共同開発にてがん治療薬の開発に取り組んでいます。現状第I相試験が数本走っている状況ですが、上市までには数年要する模様で、今回の上場は研究開発のための資金調達の場となる模様です。
2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
売上高(百万円) | 570 | 283 | 304 | 276 | 86 |
経常利益(百万円) | 172 | △197 | △164 | △146 | △834 |
当期純利益(百万円) | 155 | △188 | △178 | △163 | △842 |
純資産額 (百万円) | 457 | 269 | 1,491 | 1,328 | 486 |
BPS(円) | 5,355 | 3,151 | 7,276 | 216 | 79 |
EPS(円) | 1,813 | △2,204 | △2,072 | △27 | △137 |
自己資本比率(%) | 84 | 84 | 98 | 97.6 | 88.7 |
ROE(%) | 40.7 | – | – | – | – |
配当性向(%) | – | – | – | – | – |
業績はバイオベンチャーらしい状況です。まだ上市している医薬品がないため、足元収益を獲得できる状況ではありません。一方で、共同開発等による一時金は獲得できており、企業運営には問題はない模様です。
尚、2021年3月期3Q(2020年12月)の売上高は50百万円、経常損益は288百万円の赤字と推移しており、当面の間は収益となる見込みは薄いです。
配当は創業来無配で、上場後も上市する医薬品が誕生するまでは配当を出せる見込みはありません。
公募株数 | 総数3,300,000株 (内、公募3,300,000株、売出0株) |
OA分 | 495,000株 |
発行済み株数 | 11,686,400株 |
想定価格 | 870円(100株単位:9万円) |
仮条件 | 830円 ~870円 |
初値予想 | 780円 ~1,200円 |
想定PER | 約-倍 |
想定PBR | 約3倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 101億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は33億円で、時価総額が101億円と東証マザーズ上場銘柄としては中型案件です。収益化していない状況での評価は難しいものの、将来性をかけた投資については一定数集めそうです。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
富士フイルム(株) | 32.39% | 90日間or1.5倍 |
NVCC8号投資事業有限責任組合 | 13.81% | 90日間or1.5倍 |
DBJキャピタル投資事業有限責任組合 | 4.82% | 継続保有 |
SBI4&5投資事業有限責任組合 | 4.82% | 継続保有 |
エムスリー(株) | 4.82% | 継続保有 |
イノベーション・エンジン産業創出投資事業有限責任組合 | 4.23% | 90日間or1.5倍 |
みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合 | 4.17% | 90日間or1.5倍 |
横川 拓哉 | 4.11% | 180日間 |
Newton Biocapital I Pricaf privée SA | 3.57% | 継続保有 |
三菱UFJキャピタル(株) | 3.09% | 90日間or1.5倍 |
同社の株主構成ですが、共同開発会社である富士フイルムやVC等ファンドで多くを占められています。
今回は売出を行わず、既存株主は原則そのままで継続保有する見込みです。
今回は公募で26.2億円の資金調達を行い、調達資金は治験及び研究開発費や研究者の人件費、設備投資資金に充てる予定です。
尚、大株主には90日もしくは公募価格1.5倍のロックアップもしくは継続保有制限がかかっており、当面のエグジットリスクは低いでしょう。
今回は公募のみの資金調達案件であり、収益化ができていないバイオベンチャーということもあり評価は分かれるでしょう。ただし売出を行わないことから、将来性を期待した既存株主が多くいると評価できるため、公募割れリスクはやや遠のくでしょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ペルセウスプロテオミクス」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | SBI証券 | 86.96% | 3,300,000株 |
幹事 | みずほ証券 | 4.35% | 165,000株 |
SMBC日興証券 | 2.61% | 99,000株 | |
いちよし証券 | 0.87% | 33,000株 | |
岡三証券 | 0.87% | 33,000株 | |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 0.87% | 33,000株 | |
藍澤證券 | 0.43% | 16,500株 | |
岩井コスモ証券 | 0.43% | 16,500株 | |
エイチ・エス証券 | 0.43% | 16,500株 | |
極東証券 | 0.43% | 16,500株 | |
東洋証券 | 0.43% | 16,500株 | |
松井証券 | 0.43% | 16,500株 | |
水戸証券 | 0.43% | 16,500株 | |
むさし証券 | 0.43% | 16,500株 |
今回の主幹事はSBI証券が主幹事を務めます。その他みずほ証券を含めた13社が幹事を務めます。
著者のまとめ
バイオベンチャーということで、収益化ができていない現状初値高騰は難しいでしょう。ただし、2020年にも一度上場審査が通っていましたが、その後上場延期となり今回に至っているため、社内体制を再構築した上での上場と点で公募割れリスクは遠のいています。いずれにせよ将来性を期待した買いが集まるかが鍵でしょう。
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