2019年3月13 日に東証1部市場へ上場する「ウイングアーク1st」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ウイングアーク1stの上場日は!?期待度は?
企業名 | ウイングアーク1st |
上場市場 | 東証1部市場 |
銘柄コード | 4432 |
事業内容 | 企業の情報活用を促進するソフトウェアおよびクラウドサービスの提供 |
所在地 | 東京都港区 |
設立 | 2016年 |
従業員 | 602名 |
会社HP | http://www.wingarc.com/ |
監査法人 | EY新日本 |
上場日 | 2019年3月13日(水) |
主幹事 | 野村證券・三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
BB期間 | 2019年2月26日(火)~2019年3月1日(金) |
価格決定日 | 2019年3月4日(月) |
購入申込期間 | 2019年3月5日(火)~2019年3月8日(金) |
同社は企業向けのソフトウェアおよびクラウドサービスを提供する企業です。
公的な書類や請求書の発行システムを提供している同社が上場してきますが、ファンドエグジット案件かつ東証1部ストレート上場と厳しい船出が予想されます。
どんなことをしている会社なの?
(参照:http://www.wingarc.com/)
同社は2016年に設立した会社ですが、元々は1972年に現事業と異なる事業を行う目的で設立したヤマギワ工作所が源流です。
その後ソフトウェア事業を他社より引きうけ、2010年に株式上場をしていたものの、2013年にMBOによって上場廃止となりました。その後大手ファンド・カーライルグループによって企業体質の向上を行い再上場となりました。
同社は公的証明書や請求書に使う帳票ソフトウェアに強みを持っており、主力製品である「SVF」を引っ提げ国内シェア約70%を誇ります。
また様々なデータを組み合わせ分析する「データパワーメントソリューション事業」では、「Dr.Sum」を始めとするパッケージソフトの開発を行っています。
大手企業や官公庁との付き合いが強く、クラウドサービスへの転換期を迎えていることから同社の強みが生かされる市場環境となっています。
売上や成長性は?
2017年2月期 | 2018年2月期 | |
売上高(百万円) | 11,655 | 15,566 |
経常利益(百万円) | 1,712 | 4,047 |
当期純利益(百万円) | 1,576 | 2,925 |
純資産額 (百万円) | 17,181 | 17,189 |
BPS(円) | 551 | 551 |
EPS(円) | 51 | 94 |
自己資本比率(%) | 31 | 31.3 |
ROE(%) | 9.2 | 17 |
配当性向(%) | - | 393.0 |
業績については、2016年に現法人の立ち上げがあったため2期分の決算しかありません。ただしいずれも増収増益基調にあります。配当については連結配当性向30%を目標とした安定配当を予定しています。現状の配当利回りは0.1%程度ですが、一定の配当が期待できそうです。
公募株数 | 総数20,955,000株 (内、公募0株、売出20,955,000株) |
OA分 | 1,941,200株 |
発行済み株数 | 31,198,000株 |
想定価格 | 1,970円(100株単位・20万円) |
仮条件 | 1,690円~1,970円 |
初値予想 | 1,700円~2,000円 |
想定PER | 約21倍 |
想定PBR | 約4倍 |
配当利回り | 約0.1% |
想定時価総額 | 614億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は451億円で、時価総額が614億円と大型です。100%売出であり、ファンドエグジット、再上場案件、東証1部ストレート上場と人気が起きにくいIPO銘柄のタイプである点が気になります。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
CJP WA Holdings, L.P. | 77.84% | 180日間 |
モノリス有限責任事業組合 | 3.95% | 180日間 |
伊藤忠商事(株) | 2.64% | 180日間 |
(株)インテージホールディングス | 1.41% | 180日間 |
合同会社PKSHA Technology Capital | 1.02% | 180日間 |
鈴与(株) | 1.01% | 180日間 |
内野 弘幸 | 0.79% | 180日間 |
田中 潤 | 0.56% | 180日間 |
藤本 泰輔 | 0.40% | 180日間 |
島澤 甲 | 0.40% | 180日間 |
同社の大株主は世界的に有名なファンド・カーライルが運営するファンドで、78%を有しています。その他2013年のMBO時に母体となったモノリスが株主第2位です。
その他取引先やファンドが出資をしています。
売出はカーライルファンドのみで、約1,294万株の売出です。大株主の大半には上場後180日のロックアップがかかっていますので、上場時のエグジットリスクは少ないです。
公募は行わないため、完全なファンドエグジットIPOとなります。成長性があまり期待できない会社であるため、大きな期待買いは見込みにくいです。
併せて海外投資家向けの売出も行う予定です。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ウイングアーク1st」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
共同主幹事 | 野村證券 | -% | -株 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | -% | -株 | |
幹事 | 大和証券 | -% | -株 |
みずほ証券 | -% | -株 | |
SMBC日興証券 | -% | -株 | |
SBI証券 | -% | -株 | |
マネックス証券 | -% | -株 |
今回は野村證券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券が共同主幹事を務めます。その他大手証券会社が幹事として名を連ねます。株数が多く、申し込めば獲得できる確率は高い案件です。
著者のまとめ
東証1部ストレート上場となる同社株ですが、市場の評価は高くありません。同社の強みであるSVFソフトは一定のシェアを既に獲得しており、引き続き伸びることは考えにくいです。
またファンドエグジットであり、再上場案件とIPOとしては公募割れを起こす可能性が高い案件のため、同社株も同様のリスクがあるといえます。
ただし、ファンドによって社内体制の構築が進み、売上高および利益が順調に伸びていることは事実としてあるため、安定的な株式として注目するのは一つでしょう。