2018年10月23日に東証マザーズ市場へ上場する「VALUENEX[バリューネックス]」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
VALUENEXの上場日は!?期待度は?
企業名 | VALUENEX[バリューネックス] |
上場市場 | 東証マザーズ市場 |
銘柄コード | 4422 |
事業内容 | 特許・文書解析ツール「TechRadar」、「DocRadar」のASPライセンスサービスおよびこれを用いたコンサルティングサービスの提供 |
所在地 | 東京都文京区 |
設立 | 2006年 |
従業員 | 18名 |
会社HP | https://valuenex.com/ |
監査法人 | EY新日本 |
上場日 | 2018年10月30日(火 ) |
主幹事 | SBI証券 |
BB期間 | 2018年10月12日(金)~2018年10月18日(木) |
価格決定日 | 2018年10月19日(金) |
購入申込期間 | 2018年10月23日(火)~2018年10月26日(金) |
同社はアルゴリズムを活用したビッグデータ解析ツールの提供及びコンサルティングを行う企業です。
特許専用の解析ツールや文章の類似度評価解析ツール等の提供を行っております。新しい分野での上場となるためHEROZのような動きがあるかもしれません。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://valuenex.com/service/summary/)
同社は2006年に創業した会社で、現代表取締役の中村達生氏が開発したアルゴリズム活用のデータ解析システムを基にサービスを行っています。
中村社長は早稲田大学大学院理工学部を卒業し、三菱総研に入社。その後東京大学工学部助手として勤務後復職し、工学博士を取得した方で、世の中に溢れているデータを解析的に取り扱うことを考え同社を設立しています。
同社は日本とアメリカで事業を行っており、ビッグデータに対してアルゴリズムを活用したデータ解析ツールを自社開発の上、解析ツールのASP事業者としてビジネスを行っています。
同社の柱は、特許解析ツール及び企業・市場分析ツールの2本です。世界的に新しい技術が誕生する一方、特許侵害リスクも高まっている点から特許の類似度をチェックする同社ツールが求められています。
またSNS等が活発な現代において、企業のイメージを調べるニーズも高まっています。
同社のIPOについては信用度向上および解析ツールの開発資金の捻出が目的でしょう。
売上や成長性は?
2013年7月期 | 2014 年7月期 | 2015年7月期 | 2016 年7月期 | 2017年7月期 | |
売上高(百万円) | 133 | 160 | 287 | 350 | 343 |
経常利益(百万円) | △23 | 7 | 40 | 9 | △53 |
当期純利益(百万円) | △31 | 4 | 40 | 2 | △54 |
純資産額 (百万円) | 149 | 153 | 192 | 195 | 117 |
BPS(円) | 19,187 | 19,684 | 24,785 | 84 | 52 |
EPS(円) | △4,015 | 497 | 5,101 | 1 | △24 |
自己資本比率(%) | 84 | 70 | 69 | 68.3 | 43.6 |
ROE(%) | – | 3 | 23 | 1.1 | – |
配当性向(%) | – | – | – | – | – |
同社の業績は緩やかに伸びています。売上高は微増を伴いながらですが伸びています。一方利益については解析ツールが不完全であるためまちまちな動きです。配当政策については、内部留保優先のためしばらくは無配です。
公募株数 | 総数445,000株 (内、公募420,000株、売出25,000株) |
OA分 | 66,700株 |
発行済み株数 | 2,746,200株 |
想定価格 | 1,520円(1株単位・15万円) |
仮条件 | 1,700円~1,840円 |
初値予想 | 1,500円~1,700円 |
想定PER | ー倍 |
想定PBR | 約6倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 42億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は8億円で、時価総額は42億円と小ぶりな案件です。業種としては初値高騰が狙えます。HEROZの再来があるかもしれません。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
早稲田1号投資事業有限責任組合 | 42.61% | 90日間or1.5倍 |
中村 達生 | 31.27% | 90日間 |
ウエルインベストメント(株) | 4.82% | 90日間or1.5倍 |
平澤 創 | 4.62% | |
日本アジア投資(株) | 3.76% | |
工藤 郁哉 | 2.57% | 90日間 |
ChoiJiyoung | 2.33% | |
長谷川 智彦 | 2.31% | |
VALUENEX(株) | 2.08% | 180日間 |
石井 正純 | 0.97% |
大株主は、早稲田大学にゆかりのあるウエルインベストメント(株)が設立した投資ファンド「早稲田1号投資事業有限責任組合」で、同社株の43%を保有しています。中村社長は31%を保有する個人大株主ですが、その他ファンドや運用を主とした事業会社が株主に名を連ねています。ウエルインベストメント(株)も5%ほどを有する大株主です。
また2.08%分を同社が自社株として保有しています。
売出は中村社長のみで2.5万株です。売却によって持株比率はさがりますが、株主構成に変更はありません。中村社長と取締役CFOの工藤氏には90日ロックアップがかかっており、早稲田1号とウエルインベストメントには90日もしくは公募価格1.5倍のロックアップがかかっています。
売出に早稲田1号とウエルインベストメントは参加していないため、高騰後のエグジットには注意が必要です。
公募によって調達する5.8億円は、中村社長がほぼ常駐している米国子会社への増資、アルゴリズム研究体制構築のための人件費、提供しているASPの機能改善、外部クラウド利用料、採用費及び会計システムへの投資、本社拡張費用、同社の広告宣伝費に充てられる予定です。IPOを活用し、自社ビジネスを拡大させる綺麗な活用方法です。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「VALUENEX」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | SBI証券 | 86.93% | 444,800株 |
幹事 | みずほ証券 | 4.36% | 22,300株 |
大和証券 | 2.62% | 13,400株 | |
岩井コスモ証券 | 1.74% | 8,900株 | |
藍澤證券 | 1.31% | 6,700株 | |
エース証券 | 0.88% | 4,500株 | |
エイチ・エス証券 | 0.88% | 4,500株 | |
極東証券 | 0.43% | 2,200株 | |
東洋証券 | 0.43% | 2,200株 | |
むさし証券 | 0.43% | 2,200株 |
今回はネット証券大手のSBI証券が主幹事を務めています。近年主幹事を獲得するケースも増えており、大手証券会社に匹敵する幹事数となっています。株数が非常に少ないため獲得は容易でありません。
著者のまとめ
2018年の下期で期待される事業を行った会社が上場してきます。アルゴリズムを活用した解析ツールは今後もより求められることが容易に想定されるため、多くの投資家からの期待を込めた初値がつく可能性が高いです。
非常に面白そうな案件ですので是非取り組みたいところです。