2018年9月7日に東証REIT市場へ上場する「伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人の上場日は!?
企業名 |
伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人 |
上場市場 |
東証REIT市場 |
銘柄コード |
3493 |
事業内容 |
伊藤忠商事保有の不動産・物流、商社・商流プラットフォームで開発される物流不動産への投資 |
所在地 |
東京都千代田区 |
設立 |
2018年 |
従業員 |
ー名 |
会社HP |
なし |
監査法人 |
PwCあらた |
上場日 |
2018年9月7日(金) |
主幹事 |
SMBC日興証券 |
BB期間 |
2018年8月23日(木)~2018年8月29日(水) |
価格決定日 |
2018年8月30日(木) |
購入申込期間 |
2018年8月31日(金)~2018年9月5日(水) |
同社は国内トップの総合商社・伊藤忠商事が手掛ける物流施設「アイミッションズパーク」を中心に運用される物流REITです。
多種多様の商材を扱い、非資源部門が強い伊藤忠商事グループにおける物流ノウハウを駆使し、運営されるアイミッションズパークをはじめとした物流施設に集中投資を行い、安定した配当収入獲得を目指したREITです。
REIT市場においても底堅くニーズのある物流REITということで、安定した動きが期待できます。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2016/160801.html)
同社は2018年にメインスポンサーの伊藤忠商事が100%出資をして設立されたREIT法人です。
10万社以上の取引顧客網を有している伊藤忠商事の「商社・商流プラットフォーム」を駆使し、グループで開発を行っている物流不動産シリーズ「アイミッションズパーク」をメインの投資対象としてポートフォリオを構築していきます。
アイミッションズパークは2018年8月時点で平均築年数が1.9年と浅く、物流施設の稼働率はほぼ100%と安定した賃料収入が見込める点からも、長期投資に優れたファンドになるといえます。
メインスポンサーの伊藤忠商事による保守的な投資方針と、財務戦略からも投資家目線の運用に徹する姿勢が見られます。
上場時には首都圏7物件、538億円の物件取得を行い、平均鑑定NOI利回り5%で運用していきます。首都圏の中でも物流網のメインロードといわれている国道16号沿いの物件が中心であり、今後は他の主力物流道路をメインとしたポートフォリオを予定しています。
伊藤忠商事のリーシングを生かした今後の拡大が見込めそうです。
売上や成長性は?
売上等の情報はありません。また配当政策はREITのため基本配当を出す予定です。配当額は未定です。決算は1月と7月末です。
公募株数 |
総数356,143株 (内、公募356,143株、売出0株) |
OA分 |
15,857株 |
発行済み株数 |
357,143株 |
想定価格 |
100,000円(1株単位・10万円) |
仮条件 |
100,000円~103,000円 |
初値予想 |
96,000円~120,000円 |
想定PER |
なし |
想定PBR |
なし |
配当利回り |
未定 |
想定時価総額 |
357億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は357億円と大きく、大幅な初値高騰は難しいでしょう。公募割れのリスクもありますが、スポンサーの信用度の高さと物流REITということもあり、少し高く寄り付く可能性は高いです。
区分 |
物件名 |
所在地 |
鑑定NOI利回り |
取得額(百万円) |
物流施設 |
アイミッションズパーク厚木 |
神奈川県厚木市 |
5.00% |
5,300 |
アイミッションズパーク柏 |
千葉県柏市 |
5.20% |
6,140 |
|
アイミッションズパーク野田 |
千葉県野田市 |
4.90% |
12,600 |
|
アイミッションズパーク守谷 |
茨城県つくばみらい市 |
5.00% |
3,200 |
|
アイミッションズパーク三郷 |
埼玉県三郷市 |
4.90% |
6,100 |
|
アイミッションズパーク千葉北 |
千葉県千葉市 |
5.20% |
2,600 |
|
アイミッションズパーク印西(準共有持分65%) |
千葉県印西市 |
4.90% |
17,900 |
取得する予定の7物件の平均鑑定NOI利回りは5.0%を見込んでいます。まずは首都圏の国道16号沿いに自社開発しているアイミッションズパークを中心に取得していき、全国に拡大していく予定です。
出資者 |
口数 |
伊藤忠商事株式会社 |
1,000口 |
設立当初はメインスポンサーの伊藤忠商事が100%株主です。上場後も株主として二人三脚でビジネスしていきます。
今回は売出がありません。
公募によって調達する約356億円は、物件取得に充てられます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
SMBC日興証券 |
ー株 |
0.0% |
幹事 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
ー株 |
0.0% |
大和証券 |
ー株 |
0.0% |
|
みずほ証券 |
ー株 |
0.0% |
|
野村証券 |
ー株 |
0.0% |
今回の主幹事はSMBC日興証券が務めます。幹事には大手証券会社が名を連ねており、ネット抽選は難しいです。比較的当選しやすい案件です。
著者のまとめ
物流REITはそのテナントの出にくさから安定した配当収入が得られるということで人気ですので、今回の案件も比較的安定した動きをすることが想定されます。
メインスポンサーの伊藤忠商事が自社開発を行っている点と、同社の取引顧客を中心としたテナントからも、安定度が図り取れます。
ただしREIT市場が2018年前半は強い動きをしてきましたので、市場の変動には気を付けたいものです。投資対象としては申し分のないIPO案件です。