2021年4月22日に東証マザーズ市場へ上場する「ビジョナル」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
ビジョナルの上場日は!?期待度は?
同社はダイレクトリクルーティングビジネスをはじめとした人材ビジネスを手がける会社です。
ビズリーチを運営する会社として、上場を予々期待されてきた会社で、2021年注目のIPO案件となります。
今回は同社の概要を通して事業の成長性等分析していきたいと思います。
企業名 | ビジョナル |
上場市場 | 東証マザーズ |
銘柄コード | 4194 |
事業内容 | プロフェッショナル人材に特化した会員制転職プラットフォーム『ビズリーチ』などの運営 |
所在地 | 東京都渋谷区 |
設立 | 2020年 |
従業員 | 1,204名 |
会社HP | https://www.visional.inc/ |
監査法人 | トーマツ |
上場日 | 2021年4月22日(木) |
主幹事 | 野村證券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券会社 |
BB期間 | 2021年4月6日(火)~ 2021年4月9日(金) |
価格決定日 | 2021年4月12日(月) |
購入申込期間 | 2021年4月13日(火)~ 2021年4月16日(金 ) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.bizreach.jp/)
同社は2020年に現法人格を設立しましたが、2007年に設立された「株式会社ビズリーチ」が同社のスタートとなります。
モルガン・スタンレーや楽天野球団と渡った経験のある南壮一郎氏によって設立された会社で、創業来人材紹介ビジネスを手掛けてきました。
転職プラットフォームと言えば「ビズリーチ」と同社サービスをご存知なビジネスマンが増えているなど、既得権益を得ている現状ですが、ダイレクトリクルーティングサービスというこれまでなかった転職サービスで拡大してきました。
これまでは、企業から広告料等を受領した人材紹介会社やヘッドハンターが、その先に対して転職希望者を紹介するという一方的な人材紹介のビジネスが横行していましたが、ビズリーチでは、企業側が直接求職者にアプローチができるという「ダイレクトソーシング」が一番の特徴として挙げられています。
求職者と企業及びヘッドハンターそれぞれから報酬を受ける形をとっており、導入社数は15,000社以上、123万人以上の登録者を抱えています。
また、ビズリーチ以外にも、人材活用プラットフォーム「HRMOS(ハーモス)」を手掛けており、利用社数は850社まで増加しています。採用から人材管理までを手がけることができるサービスで、ビズリーチとの相性を保ちつつ拡張可能としています。
その他様々な事業を手掛けていることから、更なる事業拡大を押し進める方針です。
2020年7月期 | |
売上高(百万円) | 25,879 |
経常利益(百万円) | 2,254 |
当期純利益(百万円) | 4,658 |
純資産額 (百万円) | 9,205 |
BPS(円) | 185 |
EPS(円) | 163 |
自己資本比率(%) | 51.8 |
ROE(%) | 67.9 |
配当性向(%) | – |
業績は良好に推移してきました。2020年2月に株式移転によって現法人格を設立したため、単純比較はできません。ただ、移転前の本体である株式会社ビズリーチの決算状況を鑑みると売上高は右肩上がりに推移してきました。
なお、2021年7月期第2四半期(2021年1月)の売上高は12,167百万円で、経常利益は1,665百万円と、利益面では前期を上回る可能性が高いでしょう。
配当はこれまでも無配で、上場後も事業投資を優先するため当面無配が予想されています。
公募株数 | 総数13,376,400株 (内、公募2,127,700株、売出11,248,700株) |
OA分 | 266,900株 |
発行済み株数 | 35,591,100株 |
想定価格 | 4,355円(100株単位:44万円) |
仮条件 | 4,500円 ~ 5,000円 |
初値予想 | 5,700円 ~ 7,000円 |
想定PER | 約33,276倍 |
想定PBR | 約78倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 1,549億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は594億円で、時価総額が1,549億円と東証マザーズ上場銘柄としては超大型案件です。会社の知名度が高く国内外の投資家より注目を集めているため初値は高くスタートしそうです。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
南 壮一郎 | 42.47% | 180日間 |
ジャフコ・スーパーV3共有投資事業有限責任組合 | 11.78% | |
島田 亨 | 5.79% | 180日間 |
YJ2号投資事業組合 | 4.33% | 360日間 |
竹内 真 | 4.33% | 180日間 |
Japan Entrepreneur Collaboration Limited | 3.93% | 180日間 |
永田 信 | 1.80% | 180日間 |
多田 洋祐 | 1.46% | 180日間 |
ジャパン・コインベスト投資事業有限責任組合 | 1.38% | |
村田 聡 | 1.27% | 180日間 |
同社の株主構成ですが、筆頭株主は創業者である南壮一郎氏で、同社株の42%を有しています。その他は取締役や従業員も保有していますが、VCや事業会社を始め多くの出資を受けています。
今回の売出はVCを中心に20者によって1,274,400株の売出です。これとは別に、南社長を中心に海外売出9,974,300株を実施予定です。株主2位のジャフコ系ファンドは全株を売出予定で、その他ファンドも保有株の全数売却を行う所もあります。尚南社長が筆頭株主より変更することはありません。
今回は国内公募で19.8億円、海外公募で63.9億円の資金調達を行い、調達資金は広告宣伝費や投資資金に充てる予定です。
尚、大株主には360日及び180日のロックアップがかかっております。売出によってVCの多くはエグジットしているため、上場後取得組による値動きが株価変動要因でしょう。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件で、VCを中心とした売却イベントです。ただし、南社長を含め経営陣による売出額も少ないため、経営によって拡大を目指していくというメッセージは感じます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「ビジョナル」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | 野村證券 | 62.55% | 978,200株 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 28.90% | 452,000株 | |
幹事 | SMBC日興証券 | 1.82% | 28,500株 |
みずほ証券 | 1.82% | 28,500株 | |
大和証券 | 1.82% | 28,500株 | |
楽天証券 | 1.37% | 21,400株 | |
SBI証券 | 1.37% | 21,400株 | |
マネックス証券 | 0.34% | 5,300株 |
今回の主幹事は野村證券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券が共同主幹事を務めます。その他SMBC日興証券を含めた6社が幹事を務めます。
著者のまとめ
上場を期待されてきたビズリーチがいよいよ上場です。マザーズ銘柄の中でも大型になるため初値高騰は高く期待は持てないものの、事業としては引き続き評価される分野であるため株価動向に期待が持てそうです。