2019年2月26日に東証マザーズ市場へ上場する「リックソフト」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
リックソフトの上場日は!?期待度は?
企業名 | リックソフト |
上場市場 | 東証マザーズ市場 |
銘柄コード | 4429 |
事業内容 | Atlassian Pty Ltd.が開発するプロジェクト管理用ツール等のソフトウェア製品のライセンス販売および導入支援 |
所在地 | 東京都千代田区 |
設立 | 2005年 |
従業員 | 69名 |
会社HP | https://www.ricksoft.jp/ |
監査法人 | あずさ |
上場日 | 2019年2月26日(火) |
主幹事 | 大和証券 |
BB期間 | 2019年2月8日(金)~2019年2月15日(金) |
価格決定日 | 2019年2月18日(月) |
購入申込期間 | 2019年2月19日(火)~2019年2月22日(金) |
同社はシステムインテグレーションおよびクラウドサービスを提供する企業です。
オーストラリアのソフトウェア会社「アトラシアン」のシステムを法人向けに提供し、企画から保守運用までを一貫して行っています。
各社がERP系の更新を行っている中、急成長している会社の上場です。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.ricksoft.jp/)
同社は2005年に元NECのエンジニアで個人事業主であった大貫社長が創業した会社です。
2009年から、ソフトウエア開発者向けのソフトウェアに強みを持つ、オーストラリアの「アトラシアン社」とパートナー契約を締結し、アトラシアンの「プラチナムソリューションパートナー」の認定を受けるなど、国内1位およびアジアパシフィック1位のベンダーとして運営されています。
アトラシアン社のソフトウェアは、プロジェクト管理ツールやバグおよび課題管理システムに定評があり、同社は国内外でソフトウェアの企画および開発、提供や運営管理を一貫して行っています。
今後はクラウド向けサービスの拡大を目論んでいます。日々企業における基幹システムの老朽化に伴う再構築ニーズが高まっており、同社のビジネスの実現性が見込まれます。
売上や成長性は?
2014年6月期 | 2015年6月期 | 2016年6月期 | 2017年2月期 | 2018年2月期 | |
売上高(百万円) | 35 | 503 | 920 | 764 | 1,728 |
経常利益(百万円) | 1 | 18 | 69 | 85 | 130 |
当期純利益(百万円) | 1 | 10 | 58 | 60 | 93 |
純資産額 (百万円) | 19 | 80 | 297 | 358 | 450 |
BPS(円) | 12,884 | 47,736 | 6,911 | 180 | 227 |
EPS(円) | 624 | 6,488 | 3,129 | 30 | 47 |
自己資本比率(%) | 14.4 | 30.4 | 58.7 | 67.4 | 55.9 |
ROE(%) | 5 | 20.5 | 30.7 | 18.5 | 23.1 |
配当性向(%) | ₋ | ₋ | ₋ | ₋ | ₋ |
2017年に決算期末を6月から2月に変更しており、単純比較は難しいですが、おおむね順調に成長させてきています。配当については内部留保優先のため無配が予想されています。
公募株数 | 総数256,000株 (内、公募76,900株、売出179,100株) |
OA分 | 38,400株 |
発行済み株数 | 2,063,900株 |
想定価格 | 3,840円(100株単位・38万円) |
仮条件 | 3,840円~4,000円 |
初値予想 | 5,500円~7,000円 |
想定PER | 約85倍 |
想定PBR | 約11倍 |
配当利回り | なし。 |
想定時価総額 | 79億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は11億円で、上場時の時価総額が80億円程とマザーズとしては中規模となりますが、市場からは大いに期待されているようです。ERP更新のニーズに大いに答えることができるという点からも初値以降も好調な値動きが予想されます
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
HS(株) | 45.93% | 90日間or1.5倍 |
大貫 浩 | 17.46% | 90日間or1.5倍 |
NVCC7号投資事業有限責任組合 | 11.81% | 90日間or1.5倍 |
神山 直規 | 8.27% | |
ニッセイ・キャピタル6号投資事業有限責任組合 | 7.35% | 90日間or1.5倍 |
山本 隆一 | 4.59% | 90日間or1.5倍 |
服部 典生 | 4.59% | 90日間or1.5倍 |
同社の大株主はHS株式会社で、46%を保有しています。また大貫社長が17%、他3名の個人とVC2社が株主となっています。
売出は大貫社長のみで、17.9万株の売出です。大株主の大半には上場後90日及び公募価格1.5倍のロックアップがかかっています。大株主のHS株式会社が売出しないため、上場後に売却してくる恐れがありますが、株主数がもとより少ない会社であるため、マザーズ上場要件でもある「株主数200名以上」を意識した公募になることが予想されます。
公募によって調達する2.9億円はアトラシアン製システムの開発を担当することができる優秀なエンジニアの確保と自社のシステム開発および基幹システムにかかる設備投資、本社の増床等に充てられる予定です。その他海外子会社への投融資を行うなど事業拡大のための資金としての用途のため、健全なIPOといえましょう。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「リックソフト」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | 大和証券 | 93.14% | 274,200株 |
幹事 | SMBC日興証券 | 2.58% | 7,600株 |
SBI証券 | 1.73% | 5,100株 | |
岡三証券 | 0.85% | 2,500株 | |
いちよし証券 | 0.85% | 2,500株 | |
水戸証券 | 0.85% | 2,500株 | |
エース証券 | 0.87% | 3,300株 |
今回は大和証券が主幹事を務めます。その他はSMBC日興証券やネット及び中堅証券が名を連ねます。株主数の制限があるため、獲得が困難を極める可能性がありますし、獲得できても最低株数になってしまう恐れがあります。
著者のまとめ
2019年2番目の事業会社IPOとなりますが、上場前より高い人気を誇ります。恐らく株価は公募価格の2倍以上に行く可能性は秘めています。
スマートフォン等のスマートデバイスを活用している現在においては、法人の基幹システムが時代に追いついていないこともあり、刷新が早急に叫ばれています。
同社は基幹システムに強みを持ったアトラシアン製の製品サービスに大きく特化したビジネスモデルで業容拡大させてきました。
IPOによってその成長に拍車を掛けたい目論見ですので、引き続き成長を考えると株価は更に上を目指すかもしれません。