2020年3月26日に東証マザーズ市場へ上場する「アディッシュ」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
アディッシュの上場日は!?期待度は?
企業名 |
アディッシュ |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
7093 |
事業内容 |
ソーシャルアプリ向けサポート、ソーシャルリスク投稿モニタリングやネットいじめ対策などのカスタマーリレーション事業 |
所在地 |
東京都品川区 |
設立 |
2014年 |
従業員 |
424名 |
会社HP |
https://www.adish.co.jp/ |
監査法人 |
EY新日本 |
上場日 |
2020年3月26日(木) |
主幹事 |
SBI証券 |
BB期間 |
2020年3月9日(月)~2020年3月13日(金) |
価格決定日 |
2020年3月16日(月) |
購入申込期間 |
2020年3月18日(水)~2020年3月24日(火) |
同社はソーシャルメディアサポートおよびネットモニタリングといったカスタマーリレーション事業を行う会社です。
近年SNSやメッセージアプリといったインターネットを活用したサービスが展開される中、不正な内容や誹謗中傷するような書き込みが多発するなどネット上の秩序が乱れている側面もあります。同社はこれらのネットモニタリングを通じ、メディア運営会社やアプリ開発会社へのサポートを展開しています。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.adish.co.jp/service/sg/)
同社は2014年に名証セントレックスに上場するソーシャルメディア事業を行うガイアックスの100%子会社として設立しました。元々は、現代表取締役社長の江戸浩樹氏がガイアックスに在籍中の2007年より事業として行っていた「コミュニティサイト投稿監視サービス」を運営しており、同社設立のタイミングで新設分割によって承継した形です。
同社はソーシャルメディアやコミュニケーションサービスを通じて、人同士で発生する課題を解決し、健全で心地よい居場所を作るための「カスタマーリレーション事業」を提供する会社です。
主に、事業開始来行っているインターネット上の投稿監視サービスである「インターネットモニタリング」や、学校生活上問題となっているいじめに関する書き込み等をモニタリングする「スクールガーディアン」といった、ネットモニタリングを中心に事業運営を行っています。
その他では、ソーシャルメディアのカスタマーサービスのサポートや、アプリ開発等の支援を行っています。
SNS等がコミュニケーションの中心となる中、誹謗中傷や不適切な書き込みが爆発的に増加しているなど、無秩序になってしまう恐れの多いネット社会において、同社はモニタリングという形で寄与しています。
売上や成長性は?
|
2014年12月期 |
2015年12月期 |
2016年12月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
売上高(百万円) |
340 |
1,342 |
1,530 |
1,907 |
2,160 |
経常利益(百万円) |
9 |
△21 |
8 |
△32 |
45 |
当期純利益(百万円) |
6 |
△19 |
7 |
△21 |
36 |
純資産額 (百万円) |
59 |
40 |
47 |
4 |
188 |
BPS(円) |
593 |
401 |
467 |
3 |
131 |
EPS(円) |
65 |
△193 |
66 |
△20 |
25 |
自己資本比率(%) |
19.6 |
13.7 |
12.8 |
0.7 |
29.8 |
ROE(%) |
11.7 |
– |
15.4 |
– |
37.5 |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は着実に伸ばしています。売上高・経常利益共に順調に伸ばしている状況です。尚、2019年12月期3Q(2019年9月末)の売上高は1,805百万円、経常利益は75百万円と前期数字を上回る業績推移です。
配当はこれまで無配で、上場後も当面は内部留保確保のため無配が予定されています。
公募株数 |
総数305,000株 (内、公募237,000株、売出68,000株) |
OA分 |
30,000株 |
発行済み株数 |
1,676,500株 |
想定価格 |
1,090円(100株単位:11万円) |
仮条件 |
1,110円~1,230円 |
初値予想 |
1,500円~2,000円 |
想定PER |
約51倍 |
想定PBR |
約4倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
18億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は3.7億円で、時価総額が18億円と東証マザーズ上場銘柄としては小ぶり案件です。ネットモニタリングといった引き続き需要の高い事業であるため初値には期待したいところです。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
(株)ガイアックス |
41.79% |
180日間or1.5倍 |
江戸 浩樹 |
12.41% |
180日間 |
MSIVC2016V投資事業有限責任組合 |
8.46% |
|
コロプラネクスト7号ファンド投資事業組合 |
7.60% |
180日間 |
(株)モバイルファクトリー |
2.34% |
180日間 |
(株)ヴァル研究所 |
2.34% |
180日間 |
(株)セレス |
2.34% |
180日間 |
フリービットインベストメント(株) |
1.81% |
|
みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合 |
1.81% |
|
杉之原 明子 |
1.23% |
180日間 |
同社の大株主は、親会社である㈱ガイアックスで同社株の約42%を保有しています。2位は江戸社長個人で12%を保有しています。一部従業員および役員が株を保有しているものの、ファンドや事業会社を中心に株主が構成されています。
今回の売出はガイアックスと江戸社長を含めた役員・従業員の6者で、6.8万株の売出です。
公募によって2.3億円の資金調達を実施し、業務プロセス効率化や研究開発のための投資資金や、拠点の増床費用、人材採用費用に充てる予定です。大株主には180日、および180日もしくは公募価格1.5倍のロックアップ制限がかかっています。ファンドや事業会社の内、一部にロックアップが掛かっていませんので初値高騰後のエグジットには注意が必要です。
また、ガイアックスは数年かけ株式を全数手放す目論見があるため、株主構成の変化には注意が必要です。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件で、事業拡大のための投資資金が目的となります。久しぶりに初値が楽しみな上場案件となりそうです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「アディッシュ」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
SBI証券 |
87.70% |
293,800株 |
幹事 |
みずほ証券 |
3.64% |
12,200株 |
岩井コスモ証券 |
1.82% |
6,100株 |
|
SMBC日興証券 |
1.82% |
6,100株 |
|
東海東京証券 |
1.82% |
6,100株 |
|
エース証券 |
0.93% |
3,100株 |
|
マネックス証券 |
0.93% |
3,100株 |
|
藍澤證券 |
0.45% |
1,500株 |
|
エイチ・エス証券 |
0.45% |
1,500株 |
|
むさし証券 |
0.45% |
1,500株 |
今回の主幹事はSBI証券が主幹事を務めます。その他みずほ証券を含めた9社が幹事を務めます。
著者のまとめ
ネット上の書き込みによって苦しむ方が増えているなど、ネットが便利になるにつれて弊害が出てきていることも事実です。同社のビジネスは現代に沿ったサービスを提供するなど初値が期待できる案件でしょう。同日2社上場となりますので、資金の向かい方は不明慮ですが、初値に期待したいです。