2019年12月25日に東証マザーズ市場へ上場する「AI inside」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
AI insideの上場日は!?期待度は?
企業名 |
AI inside |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4488 |
事業内容 |
AI技術を用いたOCRサービス「DXSuite」の提供等 |
所在地 |
東京都渋谷区 |
設立 |
2015年 |
従業員 |
57名 |
会社HP |
https://inside.ai/ |
監査法人 |
トーマツ |
上場日 |
2019年12月25日(水) |
主幹事 |
野村證券 |
BB期間 |
2019年12月9日(月)~2019年12月13日(金) |
価格決定日 |
2019年12月16日(月) |
購入申込期間 |
2019年12月17日(火)~2019年12月20日(金) |
同社は手書き文字認識(OCR)AI製品の開発販売を行う会社です。
2015年創業から約4年での上場となり、市場からの評価が高い案件となります。目まぐるしく進化するAI開発会社の一社として注目できる案件でしょう。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://inside.ai/)
同社は2015年に設立された若い会社で、創業者は現代表取締役社長で渡久地択氏です。渡久地社長は若くして企業を繰り返してきたシリアルアントレプレナーの一人です。
2012年頃より研究開発に取り組み、AIの可能性を見出し、同社を設立しました。
同社のメイン事業はディープラーニング技術を駆使した手書き文字認識(OCR)AIの開発および製品化で、「DX Suite」として提供されています。
DX Suiteにはいくつか機能があり、定型帳票のデジタル化や帳票の整理、その他高精度の帳票読み取り技術を駆使したOCR機能を提供しています。
同社サービスの特徴は粗い文字でもしっかりと読み取れ、帳票ごとにまとめることができる点で、金融機関等を中心とした大企業向けに売上構成を作っています。
基本的な帳票読み取り技術である「Intellogent OCR」は2019年9月末時点で361社の契約を取っており、引き続き成長余地のある事業であると言えます。
またAIという特性上、経験を重ねるごとに精度が高まっていくため、より顧客ニーズにあった製品の提供が今後可能になると言えます。
売上や成長性は?
|
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
売上高(百万円) |
9 |
42 |
279 |
445 |
経常利益(百万円) |
△52 |
△141 |
△311 |
△183 |
当期純利益(百万円) |
△52 |
△141 |
△341 |
△184 |
純資産額 (百万円) |
21 |
104 |
314 |
605 |
BPS(円) |
9,705 |
44,668 |
110 |
193 |
EPS(円) |
△24,916 |
△62,294 |
△126 |
△61 |
自己資本比率(%) |
75.9 |
79.9 |
80 |
62.6 |
ROE(%) |
– |
– |
– |
– |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
業績は成長過渡期にあるといえます。2015年創業のため、売上高は徐々に積みあがっていますが、2019年3月期で急激に持ち上がりました。一方、経常利益はAI開発費用が嵩み創業来赤字です。しかしながら2020年3月期2Q(2019年9月末)売上高は614百万円、経常利益は177百万円と、半期経過時点で前期業績を超え、黒字化となりました。配当はこれまで無配で、内部留保確保のため無配を予定しています。
公募株数 |
総数500,000株 (内、公募300,000株、売出200,000株) |
OA分 |
75,000株 |
発行済み株数 |
3,540,000株 |
想定価格 |
2,660円(100株単位・27万円) |
仮条件 |
3,000円~3,600円 |
初値予想 |
5,000円~8,000円 |
想定PER |
約-倍 |
想定PBR |
約7倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
94億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は15億円で、時価総額が94億円と東証マザーズ上場銘柄としては小・中案件です。業績が上向いており、またAI事業と人気化は間違いないと言えましょう。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
渡久地 択 |
56.77% |
90日間 |
アクサ生命保険(株) |
7.10% |
90日間 |
UTEC4号投資事業有限責任組合 |
6.27% |
継続保有 |
(株)レオパレス21 |
5.68% |
90日間 |
中沖 勝明 |
4.20% |
90日間 |
日本郵政キャピタル(株) |
4.17% |
継続保有 |
大日本印刷(株) |
2.84% |
90日間 |
名井 将元 |
2.78% |
90日間 |
レカム(株) |
1.65% |
90日間 |
第一生命保険(株) |
1.42% |
90日間 |
同社の大株主は、創業者の渡久地社長で同社株の57%を保有する大株主です。2位は外資系保険会社のアクサ生命保険、その他事業会社や投資ファンドが名を連ねています。一部従業員および役員で構成されていますが、渡久地社長を除けば投資目的の株主が多いと言えます。
今回の売出は渡久地社長とレオパレス21の2者で、20万株の売出を行います。
公募は7.3億円の資金調達で、サーバー増設およびメンテナンス、その他AI開発人材の採用費用および人件費に充当する予定です。大半の大株主には90日および継続保有のロックアップが掛かっており、上場直後の既存株主のエグジットリスクは大いに低いです。
今回は公募が売出を上回る資金調達案件となり、市場からも大きな人気を浴びるでしょう。売出を行う1社が自社物件問題で喘ぐレオパレス21であり、エグジットの上自社の運転資金に使っていくのか注目されます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「AI inside」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
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割当率 |
株数 |
主幹事 |
野村證券 |
89.57% |
515,000株 |
幹事 |
大和証券 |
2.17% |
12,500株 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
2.17% |
12,500株 |
|
SMBC日興証券 |
2.17% |
12,500株 |
|
SBI証券 |
2.17% |
12,500株 |
|
岩井コスモ証券 |
0.43% |
2,500株 |
|
マネックス証券 |
0.43% |
2,500株 |
|
いちよし証券 |
0.43% |
2,500株 |
|
楽天証券 |
0.43% |
2,500株 |
今回の主幹事は野村證券が主幹事を務めます。また大和証券を含めた8社が幹事を務めます。
著者のまとめ
2019年12月IPO銘柄の終盤に差し掛かったところでの上場となりますが、一番の初値を記録しそうです。AIというテーマと、業績が右肩上がりに上がっている点も高く評価できます。行ける限り全力で投資していきたいものです。