2021年6月22日に東証REIT市場へ上場する「東海道リート投資法人」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
東海道リート投資法人の上場日は!?期待度は?
同社は東海エリアを中心とした不動産投資信託です。
2019年12月のSOSiLA物流リート投資法人以来のREIT上場となるため注目が集まっています。
今回は同法人の概要を通して事業の成長性等分析をしていきたいと思います。
企業名 | 東海道リート投資法人 |
上場市場 | 東証REIT市場 |
銘柄コード | 2989 |
事業内容 | 複合リート(住居・物流・オフィス) |
所在地 | 東京都千代田区 |
設立 | 2021年 |
従業員 | なし |
会社HP | https://www.tokaido-reit.co.jp/ |
監査法人 | 太陽 |
上場日 | 2021年6月22日(火) |
主幹事 | みずほ証券 |
BB期間 | 2021年6月7日(月)~2021年6月11日(金) |
価格決定日 | 2021年6月14日(月) |
購入申込期間 | 2021年6月15日(火)~2021年6月18日(金) |
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.tokaido-reit.co.jp/ja/features/portfolio.html)
同ファンドは2021年に静岡を地盤としている上場会社「ヨシコン株式会社」を中心に設立されました。ヨシコンは静岡にてデベロッパー事業を営んでおり、静岡・愛知・三重といった「東海道エリア」の不動産に着目したポートフォリオ構築を行う方針です。
東海道は、古来より江戸と大阪・京都を繋ぐ重要な道として、今日に至るまで日本の経済を支えてきました。中でも、ヨシコンが本社を構える静岡は、関東と関西を繋ぐ拠点として、多くの製造業が本社を構えるエリアとして有名です。
そこで同法人は静岡・愛知・三重といった産業地域エリアを「重点投資地域」と題し投資比率60%以上の投資を行いつつ、東海道エリアにおける物流・産業ビジネス・底地といった「産業インフラアセット」と住居等の「生活インフラアセット」を組み合わせることで、安定した収益を獲得できるようポートフォリオを構築していく方針です。
同法人は上場によって8物件を取得する方針で、静岡を軸とした不動産投資を行なっていく模様です。
売上等の情報はありません。また配当政策はREITのため基本配当を出す予定です。配当額は未定です。決算は1月と7月末です。
公募株数 | 総数162,860口 (内、公募162,860口、売出0口) |
OA分 | 8,140口 |
発行済み株数 | 176,800口 |
想定価格 | 96,000円(1口単位・10万円) |
仮条件 | 98,000円~100,000円 |
初値予想 | 95,000円~110,000円 |
想定PER | 未定 |
想定PBR | 未定 |
配当利回り | 未定 |
想定時価総額 | 169億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は164億円とREIT案件としては中規模案件です。静岡を中心として不動産ポートフォリオということもあり、極めて地味な案件ですが、一方で1年以上ぶりとなるREIT上場ということから期待の買いが入る可能性はあるでしょう。
大区分 | 区分 | 物件名 | 所在地 | 土地面積(㎡) | 建物面積(㎡) | 建築時期 | 稼働率 (%) |
取得額 (百万円) |
鑑定NOI利回り |
産業インフラアセット | 物流アセット | いなべロジスティックスセンター | 三重県いなべ市 | 102,038.46 | 104,224.73 (倉庫1,事務所等) 7,061.60 (倉庫2) |
1995年9月28日 (倉庫1,事務所) 2004年9月6日 (倉庫2) |
100.0 | 6,230 | 6.3% |
産業・ビジネスアセット | ミッドビルディング四日市 | 三重県四日市市 | 1,025.94 | 5,165.48 | 1991年2月14日 | 95.9 | 1,620 | 6.6% | |
葵タワー | 静岡県静岡市 | 4,923.89 | 42,532.27 | 2010年3月31日 | 100.0 | 2,300 | 5.7% | ||
生活インフラアセット | 住居系アセット | ロイヤルパークス千種 | 愛知県名古屋市 | 6,905.70 | 17,469.21 | 2007年11月29日 | 94.1 | 4,400 | 5.8% |
丸の内エンブルコート | 愛知県名古屋市 | 396.68 | 2,789.50 | 2016年3月4日 | 84.3 | 1,080 | 5.0% | ||
エンブルエール草薙駅前 | 静岡県静岡市 | 3,070.99 | 6,486.26 | 2021年2月22日 | 100.0 | 2,000 | 6.0% | ||
エンブルエール草薙 | 静岡県静岡市 | 1,641.26 | 2,908.12 | 2019年3月10日 | 100.0 | 750 | 6.7% | ||
底地アセット(生活圏配送・販売型) | 浜松プラザ(底地) | 静岡県浜松市 | 135,838.91 | 11,229.79 | 2000年11月9日 (赤ちゃん本舗棟・ゼビオ棟) 2000年11月7日 (管理棟) |
100.0 | 11,950 | 5.0% | |
合計/平均 | 255,841.83 | 199,866.96 | 99.40 | 20,180 | 5.6% |
上場によって8物件取得予定です。住居系や底地、物流など用途は多岐にわたっており、スポンサーに関連した一定の利回りを取れる物件を狙った投資方針であるように思われます。
投資主 | 保有割合 |
ヨシコン株式会社 | 55.00% |
中部電力ミライズ株式会社 | 10.00% |
木内建設株式会社 | 5.00% |
静岡ガス株式会社 | 5.00% |
株式会社静岡銀行 | 5.00% |
静岡不動産株式会社 | 5.00% |
鈴与株式会社 | 5.00% |
清和海運株式会社 | 5.00% |
日本国土開発株式会社 | 5.00% |
またヨシコンや中部電力ミライズ、静岡銀行など静岡に馴染みのある会社が株主として名を連ねています。
今回は売出がありません。
公募によって調達する約156億円は、新規取得予定の8物件の取得に充てられます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「東海道リート投資法人」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | みずほ証券 | 85.37% | 285,004口 |
幹事 | 大和証券 | 9.76% | 32,572口 |
静銀ティーエム証券 | 2.44% | 8,143口 | |
SMBC日興証券 | 1.46% | 4,885口 | |
マネックス証券 | 0.49% | 1,628口 | |
東海東京証券 | 0.49% | 1,628口 |
今回の主幹事はみずほ証券が務めます。その他大和証券を含め5社が幹事を務めます。
著者のまとめ
コロナ禍を通じ、2020年はREITの上場がありませんでしたが、約1年ぶりとなるREITのIPOとなります。静岡エリアを軸としたREITとやや地味な印象を受けるため公募価格を上回るか否かというレベルでの上場となると思われます。一方で、このエリアは南海トラフ地震の発生エリアと言われていることからも、将来的に安定した投資収益を獲得できるかがやや不明瞭であると言えます。