2019年12月25日に東証マザーズ市場へ上場する「WDBココ」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
WDBココの上場日は!?期待度は?
企業名 |
WDBココ |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
7079 |
事業内容 |
医薬品の安全性情報管理の受託サービスなど |
所在地 |
東京都中央区 |
設立 |
1984年 |
従業員 |
303名 |
会社HP |
https://www.wdbcoco.com/ |
監査法人 |
トーマツ |
上場日 |
2019年12月25日(水) |
主幹事 |
SMBC日興証券 |
BB期間 |
2019年12月9日(月)~2019年12月13日(金) |
価格決定日 |
2019年12月16日(月) |
購入申込期間 |
2019年12月17日(火)~2019年12月23日(月) |
同社はCRO(医薬品開発業務受託)を行う会社です。
親会社は医薬系の人材派遣会社である「WDBホールディングス」で、親子上場の形となります。今回は競争が激しい医薬業界の中で注目を受けるCRO会社の上場となります。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.wdbcoco.com/service/safety/index.html)
同社は1984年に設立された会社で、当初は医薬医療分野の翻訳サービスを手掛けていました。その後1994年にCRO業務に本格的に取り組んできました。2011年にバイオ・医薬系の人材派遣を行う上場企業・WDBホールディングスが同社株の100%を取得し完全子会社化としました。
同社はCRO事業と呼ばれるビジネスモデルで、医薬品メーカーから新薬開発の一部を業務受託する形を取っています。中でも「安全性情報管理」というカテゴリーに強みを持っています。
この安全性情報管理とは、医薬品開発段階で発生する副作用等の有害情報を集め、評価を行うもので、新薬開発においては明確に報告する義務があります。同社はこの点を定型的業務として製薬メーカーから受託し、定期的な書類の作成を行っています。
製薬メーカーとしては、ルーティンワークであるが重要な安全性情報管理を他に任せることでコストダウンを図ることができ、双方にWin-Winな関係を築いています。
主な取引先は、大手製薬メーカーで、中外製薬やグラクソスミスクライン、日本イーライリリーなど国内外の製薬メーカーから継続的な仕事を受託しています。
CRO業務に関するノウハウを有した常勤社員を派遣することで、派遣社員を派遣するよりも質とコスト面を担保しているなど、独自性のあるビジネスモデルを構築しています。
売上や成長性は?
|
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
売上高(百万円) |
779 |
982 |
1,140 |
1,467 |
1,782 |
経常利益(百万円) |
117 |
212 |
229 |
297 |
338 |
当期純利益(百万円) |
74 |
137 |
161 |
198 |
237 |
純資産額 (百万円) |
256 |
342 |
404 |
522 |
657 |
BPS(円) |
1,279,609 |
1,712,285 |
2,018,639 |
261 |
328 |
EPS(円) |
368,354 |
682,676 |
806,354 |
99 |
118 |
自己資本比率(%) |
67.2 |
64.8 |
70.4 |
64.8 |
64.3 |
ROE(%) |
30.7 |
45.6 |
43.2 |
42.8 |
40.2 |
配当性向(%) |
67.9 |
73.2 |
49.6 |
51.5 |
53.7 |
業績は右肩上がりに成長しています。売上・利益共に5期連続増収増益で引き続きの成長も期待できそうです。なお、2020年3月期2Q(2019年9月末)売上高は1,132百万円、経常利益は288百万円と、半期経過時点で前期比50%以上進捗しており、過去最高業績が期待できそうです。配当はこれまで出してきており、引き続き出していく方針です。
公募株数 |
総数572,000株 (内、公募285,000株、売出287,000株) |
OA分 |
85,800株 |
発行済み株数 |
2,285,000株 |
想定価格 |
1,390円(100株単位・14万円) |
仮条件 |
1,390円~1,530円 |
初値予想 |
1,530円~2,000円 |
想定PER |
約13倍 |
想定PBR |
約3倍 |
配当利回り |
0.0% |
想定時価総額 |
31億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は9億円で、時価総額が32億円と東証マザーズ上場銘柄としては小ぶり案件です。業績が右肩上がりで、流動株が少ない点から初値高騰が期待できそうです。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
WDBホールディングス㈱ |
94.34% |
180日間 |
谷口 晴彦 |
2.83% |
継続保有 |
平光 初音 |
0.85% |
継続保有 |
齋藤 和貴 |
0.31% |
継続保有 |
藤原 素行 |
0.28% |
継続保有 |
西田 尚徳 |
0.28% |
継続保有 |
松本 律子 |
0.17% |
継続保有 |
新井 教子 |
0.14% |
継続保有 |
齋藤 譲一 |
0.14% |
継続保有 |
掛井 美保 |
0.14% |
継続保有 |
同社の大株主は、親会社であるWDBホールディングスで、同社株の94%を保有する大株主です。2位は同社をけん引する谷口社長ですが、保有比率は約3%となっています。その他は従業員および役員で構成されていますが、実質WDBホールディングスの傘下企業であるといえます。
今回の売出はWDBホールディングスのみで、287,000株の売出を行います。
公募は3.5億円の資金調達で、システム開発費用や人材の採用費用および人件費に充当する予定です。大半の大株主には180日および継続保有のロックアップが掛かっており、上場直後の既存株主のエグジットリスクは大いに低いです。
今回は公募と売出がほぼ拮抗しており、WDBホールディングスの保有比率の逓減が主軸となったIPOと言えます。親子上場に関する目線が厳しくなりつつある中、それぞれ独立した事業帯であるため、パブリック企業となるという観点で評価はできます。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「WDBココ」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
|
|
割当率 |
株数 |
主幹事 |
SMBC日興証券 |
89.59% |
589,300株 |
幹事 |
みずほ証券 |
6.08% |
40,000株 |
いちよし証券 |
2.60% |
17,100株 |
|
SBI証券 |
0.87% |
5,700株 |
|
楽天証券 |
0.87% |
5,700株 |
今回の主幹事はSMBC日興証券が主幹事を務めます。またみずほ証券を含めた4社が幹事を務めます。
著者のまとめ
CRO業界は伸びているため、同社への注目は高いです。一方親子上場となる点は賛否両論出てきています。極端に初値高騰は見込みにくいところですが、業績も右肩上がりと期待できそうですので、投資をしておいても良いでしょう。