2019年12月20日に東証マザーズ市場へ上場する「スペースマーケット」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
スペースマーケットの上場日は!?期待度は?
企業名 |
スペースマーケット |
上場市場 |
東証マザーズ |
銘柄コード |
4487 |
事業内容 |
遊休不動産などのスペースの貸し借りのプラットフォームである『スペースマーケット』の運営など |
所在地 |
東京都新宿区 |
設立 |
2014年 |
従業員 |
52名 |
会社HP |
https://spacemarket.co.jp/ |
監査法人 |
EY新日本 |
上場日 |
2019年12月20日(金) |
主幹事 |
大和証券 |
BB期間 |
2019年12月5日(木)~2019年12月11日(水) |
価格決定日 |
2019年12月12日(木) |
購入申込期間 |
2019年12月13日(金)~2019年12月18日(水) |
同社は遊休不動産の収益化のための場所レンタルサービスを行う会社です。
シェアリングエコノミーが何かと話題の今日において、場所のレンタルを行うことができるプラットフォームを提供しており、期待されている会社の上場となります。
どんなことをしている会社なの?(会社のサービスを詳しく)
(参照:https://spacemarket.co.jp/service)
同社は2014年に創業者で現代表取締役社長である重松大輔氏らによって設立された会社です。創業わずか5年での上場となります。
同社のビジネスは「スペースの貸し借り」のプラットフォームの上でマッチングさせるビジネスです。遊休不動産など、場所・スペースを「提供したい」人と、場所・スペースを「利用したい」人とつなげ、その際に手数料を受領するビジネスモデルです。
会議室やセミナー会場、レストランやスポーツ施設、そして城や寺など、11,900件の物件を自社が運営するプラットフォーム上に掲載し、利用者を募っています。
スペースを提供するホストから利用料の30%、スペースを利用するゲストから5%を徴収し、利用料の35%を受け取ることができます。
年々知名度が向上し、掲載物件数も増えてきており、また決まった時間だけ必要なところでの利用を行いたいと考えているシェアリングエコノミーの時代にピッタリな事業モデルとなっています。
スペースにおいては業界トップクラスの地位を構築しており、上場によってより信用度を高める方針です。
売上や成長性は?
|
2014年12月期 |
2015年12月期 |
2016年12月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
売上高(百万円) |
4 |
76 |
225 |
393 |
578 |
経常利益(百万円) |
△31 |
△71 |
△160 |
△148 |
△272 |
当期純利益(百万円) |
△31 |
△71 |
△160 |
△149 |
△274 |
純資産額 (百万円) |
87 |
16 |
236 |
83 |
552 |
BPS(円) |
△833 |
△3,674 |
△8,009 |
△43 |
△63 |
EPS(円) |
△1,437 |
△2,841 |
△5,840 |
△16 |
△29 |
自己資本比率(%) |
93 |
29.7 |
59.6 |
29.4 |
50.9 |
ROE(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
配当性向(%) |
– |
– |
– |
– |
– |
業績は拡大も赤字状況が続いているところです。売上高は創業来右肩上がりに売上高を伸ばしています。一方利益は創業来赤字続きで、前期の売上高は578百万円である一方、経常利益はマイナス272百万円と最大の赤字を計上しました。尚2019年12月期3Q(2019年9月末)売上高は551百万円と過去最高売上を記録が見えていますが、経常利益は5百万円のプラスと利益が多少上がっているものの、油断は許されません。配当はこれまで赤字だったため無配で、当面無配を予定しています。
公募株数 |
総数1,794,700株 (内、公募520,000株、売出1,274,700株) |
OA分 |
269,200株 |
発行済み株数 |
11,213,800株 |
想定価格 |
520円(100株単位・5万円) |
仮条件 |
520円~590円 |
初値予想 |
750円~1,000円 |
想定PER |
約-倍 |
想定PBR |
約7倍 |
配当利回り |
なし |
想定時価総額 |
58億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は11億円で、時価総額が58億円と東証マザーズ上場銘柄としては小・中規模案件です。シェアリングエコノミー関連銘柄として買いを集めそうです。
株主名 |
保有割合 |
ロックアップ |
重松 大輔 |
34.84% |
180日間 |
㈱ダブルパインズ |
12.79% |
180日間 |
オプトベンチャーズ1号投資事業有限責任組合 |
10.64% |
90日間or1.5倍 |
CA Startups Internet Fund2号投資事業有限責任組合 |
6.57% |
90日間or1.5倍 |
鈴木 真一郎 |
6.42% |
180日間 |
壺内 靖二郎 |
6.27% |
180日間 |
㈱マイナビ |
2.86% |
180日間 |
オリックス㈱ |
2.18% |
90日間or1.5倍 |
みずほ成長支援投資事業有限責任組合 |
1.75% |
90日間or1.5倍 |
東京建物㈱ |
1.46% |
|
同社の大株主は、創業者の重松社長で同社株の35%を保有する大株主です。2位は重松社長の資産管理会社で個人と合わせると47%ほどを保有していることになります。その他は同社の役員および従業員が保有していますが、オプト系VCやサイバーエージェント系VCの他、マイナビやオリックスなど多くのファンドや事業会社が資金を投入しています。
今回の売出は重松社長を含め7者で、1,274,700株の売出を行います。
公募は2.6億円の資金調達で、ソフトウェア開発費用や借入金返済資金に充当する予定です。大半の大株主には180日もしくは90日および公募価格の1.5倍ロックアップ条項がついています。
今回は売出が公募を上回るエグジット案件となります。大株主である重松社長が上場後も大株主として牽引しますが、オプトベンチャーズやサイバーエージェントベンチャーズなど、VCによるエグジットリスクには注意が必要です。しかし、公募価格が590円と個人投資家が手掛けやすい金額帯なので注目していきたいところです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「スペースマーケット」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
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割当率 |
株数 |
主幹事 |
大和証券 |
84.37% |
1,741,300株 |
幹事 |
みずほ証券 |
5.21% |
107,600株 |
SBI証券 |
4.35% |
89,700株 |
|
SMBC日興証券 |
1.73% |
35,800株 |
|
松井証券 |
0.87% |
17,900株 |
|
マネックス証券 |
0.87% |
17,900株 |
|
いちよし証券 |
0.87% |
17,900株 |
|
エース証券 |
0.87% |
17,900株 |
|
岩井コスモ証券 |
0.87% |
17,900株 |
今回の主幹事は大和証券が主幹事を務めます。またみずほ証券を含めた8社が幹事を務めます。
著者のまとめ
遊休不動産を「スペースビジネス」として収益化するためのプラットフォームを形成している同社の上場となります。2019年12月は例年にも増してIPOラッシュとなっていますが、独自性のある面白いビジネスモデルとなっています。初値高騰は高く望めない場合もありますが、上場後の動向が気になる会社です。