2018年10月12日に東証マザーズ市場へ上場する「イーソル」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
イーソルの上場日は!?期待度は?
企業名 | イーソル |
上場市場 | 東証マザーズ市場 |
銘柄コード | 4420 |
事業内容 | 組込み機器向けのOS開発、組込みソフトウェアの受託開発等 |
所在地 | 東京都中野区 |
設立 | 1975年 |
従業員 | 420名 |
会社HP | https://www.esol.co.jp/ |
監査法人 | EY新日本 |
上場日 | 2018年10月12日(金 ) |
主幹事 | 野村證券 |
BB期間 | 2018年9月25日(火)~2018年10月1日(月) |
価格決定日 | 2018年10月2日(火) |
購入申込期間 | 2018年10月3日(水)~2018年10月9日(火) |
同社は組み込みソフトウェアの開発企業です。
主に自動車やAV事業、FA機器への組み込みソフトウェア向けに専用OSを開発し、業績を伸ばしています。今後は自動運転向けのソフトウェア開発への需要の高まりが見込まれており、同社への注目が集まることが想定されます。
どんなことをしている会社なの?
(参照:https://www.esol.co.jp/company/greeting.html)
同社は1975年に東京・台東区で創業しました。
創業当初からコンピューターの成長を見込み、制御系ソフトウェアの開発を行っていました。
同社は主に組み込みソフトウェア開発事業とセンシングソリューション事業の2本柱で、組み込みソフトウェア開発事業では自動車メーカーや機械メーカー向けとの付き合いが多く、専用のOSの開発を手掛けています。
またセンシングソリューション事業は、IoTや物流事業向けの機器向けソフトウェアの開発を行っています。
メインの取引先はデンソーやNEC等の大会社が中心で、上場によって信用度拡大および海外へ進出を進めやすくする目論見です。
売上や成長性は?
2013年12月期 | 2014 年12月期 | 2015年12月期 | 2016 年12月期 | 2017年12 月期 | |
売上高(百万円) | 4,480 | 4,890 | 5,442 | 6,610 | 7,547 |
経常利益(百万円) | 194 | 275 | 229 | 374 | 446 |
当期純利益(百万円) | 104 | 182 | 166 | 266 | 349 |
純資産額 (百万円) | 1321 | 1,487 | 1,663 | 1,949 | 2,387 |
BPS(円) | 3,183 | 3,629 | 4,075 | 478 | 585 |
EPS(円) | 245 | 438 | 407 | 65 | 85 |
自己資本比率(%) | 51 | 54 | 58 | 59.8 | 58.3 |
ROE(%) | 8 | 13 | 11 | 14.8 | 16.1 |
配当性向(%) | – | – | – | – | – |
同社の業績は右肩上がりで成長しています。売上高は5期連続で伸びています。利益については人材採用等のコストがかさんでいますが右肩上がりに伸びています。配当政策については利益は出ていますが、戦略的投資のため当面無配を予定しています。
公募株数 | 総数1,035,100株 (内、公募8500,000株、売出185,100株) |
OA分 | 155,200株 |
発行済み株数 | 5,210,000株 |
想定価格 | 1,470円(1株単位・15万円) |
仮条件 | 1,580円~1,680円 |
初値予想 | 2,000円~2,500円 |
想定PER | 約22倍 |
想定PBR | 約2倍 |
配当利回り | なし |
想定時価総額 | 77億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は17億円とマザーズ上場では中規模で、時価総額は77億円と中サイズです。業種としては比較的地味な事業ですが、着実な伸びを期待できる企業です。初値割れのリスクは少なく、上場後大きく上昇する可能性が高いといえます。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
イーソル従業員持株会 | 27.33% | 90日間 |
(株)KAM | 8.09% | 90日間 |
笠谷 喜代年 | 7.80% | 90日間 |
(株)ビーオービー | 6.88% | 90日間 |
イーソル(株) | 6.42% | |
山田 光信 | 4.86% | 90日間 |
長谷川 勝敏 | 4.59% | 90日間 |
(株)アバールデータ | 4.59% | 90日間 |
久保田 伊佐雄 | 2.43% | 90日間 |
澤田 勉 | 2.29% | 90日間or1.5倍 |
大株主は従業員持株会で、同社株の27%を保有しています。その他役員資産管理会社が上位に名を連ねていますが、株主構成が複雑な企業です。上場によって非上場会社としては複雑であった株主がより透明になります。
売出は長谷川社長を含めた10名で約18.5万株です。大株主の大半に90日もしくは90日および公募価格より1.5倍のロックアップがかかっているため、大株主によるエグジットリスクが非常に少ないです。元々従業員持株会が筆頭株主であるため、株式の需給はタイトな案件です。
公募によって調達する11億円は、研究開発費や人材採用費、設備投資資金に充てられます。売出比率は18%となっているため、資金調達メインのIPOです。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「イーソル」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | 野村證券 | 88.71% | 1,055,900株 |
幹事 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 3.48% | 41,400株 |
みずほ証券 | 3.48% | 41,400株 | |
岩井コスモ証券 | 2.60% | 31,000株 | |
むさし証券 | 0.87% | 10,300株 | |
SBI証券 | 0.87% | 10,300株 |
今回は野村證券が主幹事を務めています。株主構成が複雑な案件をまとめることが多い野村證券案件ですので、株数は比較的多く取れる可能性はあります。ただし、幹事会社での株式配分は少ないため獲得には苦労します。
著者のまとめ
ソフトウェア開発業界については優秀な人材確保が必要であり、IPOによる企業価値向上は人材確保には最適です。同社は取引先に大手企業を抱えているため、上場による業容拡大は大いに狙えます。
公募価格も高くないため、ある程度安心な投資規模です。日本の株式市場は27年ぶりの高値を更新しており、足元の状況は悪くありません。同社としても穏やかな船出ができる状況ができています。
今後の自動運転やIoTの流れによって組み込みソフトウェア開発へのニーズは高まることが大いに想定できますので、積極的に投資をしていきたいところです。