2019年6月4日に福証市場へ上場する「大英産業」について概要と期待度を見ていきたいと思います。
大英産業の上場日は!?期待度は?
企業名 | 大英産業 |
上場市場 | 福証市場 |
銘柄コード | 2974 |
事業内容 | 新築マンションの分譲を中心としたマンション事業及び新築一戸建ての分譲を中心とした住宅事業 |
所在地 | 福岡県北九州市 |
設立 | 1968年 |
従業員 | 233名 |
会社HP | http://www.daieisangyo.co.jp/ |
監査法人 | 三優 |
上場日 | 2019年6月4日(火) |
主幹事 | エイチ・エス証券 |
BB期間 | 2019年5月20日(月)~2019年5月24日(金) |
価格決定日 | 2019年5月27日(月) |
購入申込期間 | 2019年5月28日(火)~2019年5月31日(金) |
同社は福岡・山口にて新築分譲マンションおよび一戸建ての企画販売を行う会社です。
社歴が長い会社ですが、業界としては目新しさのない業種の上場となります。地方市場である福岡証券取引所のみでの上場でもあるため、注目度は低いでしょう。
どんなことをしている会社なの?
(参照:http://www.daieisangyo.co.jp/services)
同社は1968年に福岡県北九州市にて創業しました。創業当初は土木工事や建設工事を中心に事業を行っていましたが、1986年よりマンション分譲事業を開始し、事業拡大をしてきました。
マンションブランド「サンパーク」シリーズを福岡・山口を中心に、九州各県を含め7,000戸以上の供給実績を有しています。
また戸建て住宅では、自社ブランドである「サンコート」を冠した分譲住宅を福岡・山口・佐賀で展開しており、創業以来3,000戸を手掛けました。
また近年では不動産流通事業も行っており、中古住宅を仕入れリノベーションの上再販するビジネスモデルを展開しています。住に関して幅広く対応できるような事業展開で引き続き成長を狙います。
対象エリアとしては本社の北九州市を含めた九州・山口エリアであることもあり、上場市場は地元市場である「福岡証券取引所」単独上場となります。市場の注目度は東証に比べると少ないですが、九州エリアでは話題になりそうです。
売上や成長性は?
2014年9月期 | 2015年9月期 | 2016年9月期 | 2017年9月期 | 2018年9月期 | |
売上高(百万円) | 18,987 | 22,528 | 25,270 | 23,397 | 27,832 |
経常利益(百万円) | 638 | 724 | 856 | 1,030 | 972 |
当期純利益(百万円) | 299 | 404 | 579 | 725 | 583 |
純資産額 (百万円) | 1,949 | 2,341 | 2,915 | 3,648 | 4,217 |
BPS(円) | 9,944 | 11,944 | 14,872 | 1,241 | 1,434 |
EPS(円) | 1,524 | 2,060 | 2,955 | 246 | 198 |
自己資本比率(%) | 11.3 | 13.8 | 12.2 | 13 | 16.2 |
ROE(%) | 16.6 | 18.8 | 22 | 22 | 14.8 |
配当性向(%) | 3.3 | 2.4 | 2.5 | 2.1 | 10 |
業績についてはやや変動がありますが、決算期の影響が大きいと思われます。マンション業界の引き渡しが多い3月に決算期とせず、9月としているため、業績について特別言及するポイントはありません。売上高と利益については上昇傾向ではあるものの、毎年きっちりと成長しているとはいえません。ただし純資産は着実に積み上げているため、財務状況は向上しているといえます。
公募株数 | 総数435,000株 (内、公募312,000株、売出123,000株) |
OA分 | 15,000株 |
発行済み株数 | 3,252,000株 |
想定価格 | 1,500円(100株単位・15万円) |
仮条件 | 1,420円~1,520円 |
初値予想 | 1,520円~1,720円 |
想定PER | 約8倍 |
想定PBR | 約1倍 |
配当利回り | 1.2% |
想定時価総額 | 49億円 |
今回の上場にあたっての吸収金額は6.8億円で、時価総額が49億円です。福証単独上場案件のため大幅な初値がつくことは考えにくいです。売出株よりも公募株の方が多くなっていますが、マンション分譲にあたる土地仕入れや施工といった開発資金を中心に資金調達を行う形です。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
大園 信 | 44.40% | 180日間 |
一ノ瀬 知子 | 25.29% | 180日間 |
大園 英彦 | 9.24% | 180日間 |
つむぐ(株) | 8.78% | 180日間 |
大英産業従業員持株会 | 2.24% | |
宮地 弘行 | 1.61% | 180日間 |
一ノ瀬 謙二 | 1.28% | 180日間 |
岡本 達暁 | 0.77% | 180日間 |
茅原 嘉晃 | 0.77% | 180日間 |
竹内 和紀 | 0.77% | 180日間 |
同社の大株主は現社長の大園社長で同社株の44%を保有しています。第2位には一ノ瀬常務の配偶者であり、大園社長の実子である一ノ瀬知子氏が25%を有しています。創業者である大園英彦氏も9%を有しており、実質大園家で8割程有しています。
その他では従業員持株会や役員・社員で構成されており、ファンド等は入っていません。
売出は大園社長と一ノ瀬智子氏の2名で12.3万株の売出です。
公募は4.2億円の資金調達で、調達資金はマンション事業におけるプロジェクト借入金の返済に充てられる予定です。
どうやって&どこで新規上場銘柄を買えるの?
今回の「大英産業」の取り扱い証券会社を以下にまとめましたので参考にしてください。
割当率 | 株数 | ||
主幹事 | エイチ・エス証券 | 70.98% | 319,400株 |
幹事 | SMBC日興証券 | 6.78% | 30,500株 |
岡三証券 | 5.80% | 26,100株 | |
SBI証券 | 5.80% | 26,100株 | |
FFG証券 | 3.87% | 17,400株 | |
西日本シティTT証券 | 3.87% | 17,400株 | |
マネックス証券 | 1.93% | 8,700株 | |
ひろぎん証券 | 0.98% | 4,400株 |
今回の主幹事は新興の中堅証券であるエイチ・エス証券が主幹事を務めます。大手の証券会社はSMBC日興証券のみで、他は中堅の岡三証券やネット証券であるSBI証券やマネックス証券が幹事に名を連ねます。地元福岡の地銀系証券会社も幹事に名を連ねているのも特徴です。
著者のまとめ
2017年11月に福岡証券取引所で上場した同業のエストラスト以来の本則での新規上場銘柄となる同社ですが、地元では知名度があるためある程度の買いは集める可能性はあります。
ただし初値については不動産市況が絶好調ではないため、そこまで大きく上がることはないでしょう。
流動性の観点では東証上場ではないため低く、取引には注意が必要です。